世界的ダンサー・TAKAHIROが語った、「欅坂46」の才能をひらく極意!
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2019/03/05

二人の天才の著書、日本舞踊「梅津流」の家元・梅津貴昶『天才の背中 三島由紀夫を泣かせ、白洲次郎と食べ歩き、十八代目中村勘三郎と親友だった男の話。』、プロダンサー・振付師のTAKAHIRO『ゼロは最強』が光文社より2月20日に同時発売された。

 

その出版を記念し、世界的バレエダンサー・首藤康之という3人目の天才をナビゲート役に、それぞれのルーツや創作、表現の裏側を語り合うトークイベント『THE ROOTS』が2月24日、25日に行われ、大盛況に終わった。

 

2日間、計3時間のトークを聞き、最も強く感じたことは、彼らが「自らの”好き”を徹底的に追究している」ということ。

 

 

誰しもおそらくは「好き」な何かをもっている。

 

ただ、彼ら”天才”はその好きに対しての熱量が並外れている。

 

たとえば梅津は「朝、ベッドから身体を起こす瞬間から踊りを意識している」のだそう。

 

さらに意識するだけにとどまらず「朝10分でも踊らないと心身が目覚めない」と言う。

 

梅津の言葉を受けた首藤も「僕もまったく同じ。朝、スタジオでレッスンをしないと自分に自信が持てず、人に会うこともできない」と頷き、イベント当日もレッスンを行い、そうして初挑戦の司会も「よし、頑張ろう!」という気持ちになれたと続ける。

 

TAKAHIROもまた「(初日の)梅津先生の、”触れるものすべてを舞台の道具だと思って生活している”という言葉を聞き、これからの普段の過ごし方が変わる」と語る。

 

梅津はこれまでに約650曲もの歌舞伎舞踊のほか、クラシック楽曲にも振り付けを行い、

 

中村勘三郎や坂東三津五郎といった歌舞伎俳優のみならず、東山紀之、滝沢秀明らジャニーズのタレントからも絶大な信頼を寄せられている。

 

TAKAHIROは、人気グループ「欅坂46」にデビュー時から振付師として関わり、その唯一無二の世界観をメンバーと共に作り上げてきた。

 

2人は踊り手としてだけでなく、振付師としても天才なのである。

 

梅津は、自身が振りを付ける際に大切にしていることはとの首藤の問いに「品」をあげる。

 

「見終わったときに『品』がないものはやめます。その品がどこから出てくるのかはわからないけれど、持って生まれた細胞や生き方、考え方、あとは感謝だと思います。人には口や目、鼻があり胸や腕と見るところがいっぱいあるけれど、背中には何もない。その背中、後ろ姿に全部出てしまう。背中には魂が刻んであるのね」と。

 

 

 

「欅坂46」など多人数への振り付けのポイントを尋ねられたTAKAHIROは、

 

「個人差があるので、一見全員が同じ振りに見えても、一人一人を見るとそれぞれが違っている振り付けが多いです。その人たちから力を引き出せないとしたら、コミュニケーションが十分ではない証拠。だからといって簡単すぎる振りをお渡しするのはその人に失礼です。ですから『あなたは超えられます!』と信じて、それぞれの方に合った振りを作ります。人間の成長と同じように振り付けも成長に止まりなしです!」と熱い。

 

さらに「個人でもグループでもその方の大ファンになることが一番の近道」と極意を語ると、梅津も「そうね。どんな人にも長所はある。それを見出したときに絶対にその人は伸びますよ」と強く同調。

 

自身は”振りは付けられるばかり”という首藤も「相手のことを好きでないとできませんよね。長所を伸ばせば短所はどこかへ行ってしまう」と深く頷いた。

 

また「いちばん憧れる振付師は、”静寂の時”を使える振付師の方。(梅津のように)何もしない瞬間をどう使うか、どう止める時を使うか」とTAKAHIROが言えば、

 

「今、僕が望むのは誰かに僕が振り付けをしていただくこと。(TAKAHIROに向けて)今度振り付けしていただけますか?」と梅津。

 

今日の出会いをきっかけに、いつか2人のコラボレーションが見られる日が来るかもしれない。

 

イベントの最後には、それぞれが観客に向けてこんなメッセージを送った。

 

 

 

「身体が痛いこともアイディアがなかなか浮かばないことも、自分がいちばん良いと思ったアイディアが人にとっては良くないこともありますが、でも、好きなことをやっているのは楽しいし、好きなものはいつまで経っても好きだと思う。みなさんも好きなことをぜひ続けていただいて、いつかお友達になって一緒に語り合いたいと思っております」(TAKAHIRO)

 

「3歳くらいのときに歌舞伎座に行ったことが機縁で、日本の芸術を好きになり、バレエ、クラッシック、オペラも好きになりました。音があることが好き、間があることが好き、リズムがあることが好き……。いろんなことを好きになれました。生命あるかぎり、『好きだ』という感覚が自分から失われない限りは踊れるんだって自惚れております。みなさんがどう感じられるかはわかりませんけど、私の貫きたいと思っております素踊りもぜひご覧いただけたら幸いです」(梅津)

 

「ルーツというのは絶対にあるもので、みなさんの周りにもきっとたくさん転がっているはず。ルーツをたどることで、心が豊かになれると思います」(首藤)

 

日本舞踊、ストリートダンス、バレエとジャンルこそ違うが、舞踊という自らの”好き”と真摯に向き合う姿勢は同じだ。

 

「物理的には人間ですから、お水を飲んだり空気を吸わないと生きていけないけれど、僕たち3人から踊りをとったら、生きているとはいえないような気がします。僕はうちの婆やに”好きこそ物の上手なれ”というけれどお坊ちゃまは”好きこそ物の哀れなり”ですね、と言われるくらい踊りが好きだったの。もう根っから踊りが好きに生まれちゃったのね」

 

梅津のこの言葉が、天才の真髄を表していると感じた。

 

哀れに見えることもあるくらい”好き”に取り憑かれたときに人は天才と呼ばれるのだろう。

 

著書には天才の頭の中がつまびらかにされている。

 

それだけでも興味深く面白いが、さらに「誰の中にも”好き”という天才の種はある」と天才の世界へ招かれているような気持ちになれるにちがいない。

 

満員御礼のトークイベントに参加できなかった方は、ぜひ著書にて彼らから発せられる強烈な”好き”のエネルギーを感じていただきたい。

 

 

(ライター 野村浩平)
(撮影 光文社写真室)
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