料理番組を見るだけで、「自炊力」は勝手に高まる!(2)
ピックアップ

「買い物に行き、その場で献立を考えられる」
「食材の質と値段のバランスを考えつつ、買い物ができる」
「買った食材と家にある食材を取り混ぜて、数日間の献立を作り回していける」
「なおかつ栄養バランスを考えられる」
――フードライターの白央篤司さんは、上記の能力を「自炊力」と名付けました。
テレビの料理番組の活用法から、正しい買い物のテクニックまで、「自炊をはじめたい」人が、今日から取り組める食生活改善法を徹底網羅した一冊。6回に分けて公開します。

 

 

さあ、それでは料理番組のザッピングを始めましょうか。代表的な番組とその特徴を紹介していきます。

 

NHK『きょうの料理』……料理家のキャラが見えてくる

 

毎週月曜~木曜の21時からの放送で、毎週いろんな講師が日替わりで登場します(ときに2夜連続や4夜連続で同じ講師のことも)。放送時間は25分、ほかの番組と比べてもこれは長めで、各料理家さんのキャラクターを知る上でも好都合。それぞれの人柄も伝わりやすいと思います。

 

『きょうの料理ビギナーズ』という5分間の短い番組もあるのですが、こちらは講師を表に立てず料理プロセスを紹介するものなので、今回は省きます。

 

NHK『あさイチ』……ビギナーからマニアまで

 

毎週月曜~木曜の9時30分過ぎから料理コーナーがあり、こちらも日替わりで各界から多くの料理家・シェフが登場します。放送時間はだいたい15分前後。番組自体のメイン特集が料理のことも多々あり。ビギナーのための簡単クッキングの回もあれば、かなりマニアックに上級者向けのレシピが紹介されることも少なくありません。ただ、料理コーナーのみを録画しにくいのが難点。

 

日テレ系『キユーピー3分クッキング』……シンプルな構成が

 

毎週月曜~土曜、11時45分からの放送で、基本的に料理家4人が持ち回りで登場します(不定期に違う講師が登場することも)。3分クッキングというタイトルですが、実質は10分の放送。時間の都合上、番組構成はシンプルこの上なく、ビギナーにとっては「もうちょっとゆっくり料理してほしい」と思うかもしれません。作り慣れてくると、余計なおしゃべりなど一切ない構成が「レシピだけ知りたい」ときにありがたいのですけれどもね。

 

テレ朝系『おかずのクッキング』……土井ワールドに浸ろう

 

毎週土曜朝4時55分からの放送で、毎回2人の講師が登場します。放送時間は25分。レギュラー講師はソフトな大阪弁の語り口が印象的な料理研究家の土井善晴さん。1988年から同番組の講師を務められています。もうひとりの料理家は週替わりで登場。この番組は完全に「土井善晴ワールド」を楽しむ番組。彼のキャラクター、そして食哲学がハマるなら、参考になることこの上ありません。

 

テレ朝系『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』……分かりやすい辻調の教え

 

毎週月曜~金曜13時40分からの放送。和・洋・中それぞれのレギュラー専門講師が日替わりで登場、いずれも辻調理師専門学校の教授です。放送時間は15分。

 

料理学校がバックについているので、調理におけるキーポイントの教え方が的確です。「なぜここは強火なのか」「なぜこの手順なのか」など、外してはならないポイントとその理由を効率よく学べると思います。私はこの点が非常に気持ちよく、料理し始めの頃によく録画しては実践していました。この番組からかなり料理のレパートリーを増やしたものです。ちなみに毎月最終週は「簡単スピードメニュー」と題して、シンプルでプロセスの少ない料理を紹介しています。

 

TBS系『おびゴハン!』……北斗さん本格料理に挑む

 

毎週月曜~木曜9時55分からの放送で、司会はタレントの北斗晶さん。和食、中華、フレンチ、イタリアン、インド、韓国、洋食のプロのシェフたちが登場し、毎回2品を調理しながら紹介します。放送時間は30分。かなり本格的な料理をトークを交えつつ紹介、シェフがプロのレシピをひとつ、主婦でもある北斗さんが家庭的なレシピをひとつ教えるというのが基本構成です。

 

フードライターと名乗って仕事を始めた頃、私はこれらの番組ほぼすべてを録画して1年半ぐらいの間見続けました。「現在、料理界ではどんな人々が活躍し、どんな得意分野を持っているのか」ということをチェックしたかったのです。これは同時に「様々な料理のおさらい」にも役立ちました。

 

和・洋・中の定番料理、どんなプロセスで作られるの?

 

レシピ上の重要ポイントってどこ?

 

そこを分かりやすく説明するにはどうしたらいい?

 

料理研究家とテレビの制作サイドは、この3つについて考え抜いています。特に長寿番組は、これらを伝える上でのノウハウも蓄積されている。分かりにくければすぐ視聴者からクレームも来るでしょう。そして番組後には反省会が常に開かれ、次回に生かしてゆく……ということを長寿番組は数十年繰り返してきたのです。

 

料理だけでなく、「おいしそうな盛りつけ方」「おいしそうに見せる皿の選び方」などなど、様々な視点から料理を高める工夫もなされているんですね。それらの映像を習慣として目にすることは、自炊力を高める上で決して無駄にはなりません。

 

現在ネットには料理動画も多いですし、動画配信を積極的に行っている料理家さんもいます。ひとつのレシピの作り方を追いたいときは便利なこともあります。ですが作る上での要点の見せ方、伝え方はまだまだ老舗料理番組に一日の長ありと私は思っています。

 

まずはお気に入りの料理家さんを見つけて、彼らの発信をどんどんチェックしてください。

 

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この記事の書籍

自炊力

自炊力料理以前の食生活改善スキル

白央篤司(はくおうあつし)

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