式年遷宮はなぜ必要か?―――日本の8大聖地・伊勢神宮
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五十鈴川に架かる宇治橋を渡り、内宮へ

 

増え続ける観光客

 

日本で最強の聖地といえば、伊勢神宮だろう。

 

大都市にある神社に比べて交通の便はよくない。最近では鉄道を使わずにバスで訪れる人が増えているようだが、伊勢の近くにでも住んでいないかぎり日帰りで参拝するわけにもいかない。にもかかわらず、外国人観光客も続々と増え、これからはさらに数が増えていくことが予想されている。

 

平成25年には1000万人を超え、その翌年には1087万人に達した。

 

その理由は、20年に一度の遷宮(せんぐう)が行われたからだ。「式年遷宮」とも呼ばれる。

 

式年遷宮は一大行事であり、すでにその準備は平成17年からはじまっていた。この年の5月には、新しい正殿に使われる用材を切り出すための山で、神を祀る山口祭や木本祭(このもとさい)が行われている。東京の六本木ヒルズでは「お木曳(きひき)」といって用材を奉納する儀式始も行われた。

 

参拝後はおかげ横丁でひと休みしたい

 

カネがかかる式年遷宮

 

遷宮への関心を高めなければならないのも、この行事には多額の費用がかかるからである。開始以来62回目にあたる今回の遷宮では、550億円の費用がかかった。

 

伊勢遷宮については、古来20年ごとに行われてきたと言われるが、それは必ずしも事実に即していない。さらには正殿が火災にあって焼失することもあり、その際には臨時の遷宮が行われることもあった。延期されることも、長くとぎれるような事態もあったのだ。

 

これからさらに費用が高騰していく可能性が考えられるなかでは、必ずしも20年に一度にこだわらなくてもいいのではないか。そういう声が上がってきたとしても不思議ではない。

 

膨大な費用と手間のかかる遷宮を、なぜ続けなければならないのだろうか――(続きは本で)

 

以上、『日本の8大聖地』(島田裕巳著、光文社知恵の森文庫)の内容を一部改変してお届けしました。

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島田裕巳(しまだ・ひろみ)
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