がんは怖くない?「2人に1人」が罹る時代? 医師が教える、がん罹患データと心構え
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bw_manami

2019/03/07

 

『1分でも長生きする健康術』(大津秀一・著)は医師が提唱する“今日から・誰にでも・簡単に”できる、科学的に証明された「食事」×「運動法」をまとめた一冊だ。

 

著者はベストセラー『死ぬときに後悔すること25』などを代表作に持つ、現役医師で作家の大津秀一先生。大津先生は緩和医療医としてこれまで2000人以上の看取りの場に立ち会い、「後悔しない最期には、後悔のない健康法が必要だ」と痛感し、本書の執筆に至ったという。

 

同書では推奨される健康法のほか、著者の専門分野の1つでもある「がん」について、取り上げている。「2人に1人がなる時代」ともいわれるが、いったいどういうことなのか?

 

大津先生に解説していただこう。

 

基本、がんにはなると思っておいたほうがよい

 

がんというと、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか?

 

不治の病、あるいは若くしてなる、など様々なイメージがあると思います。

 

しかし統計は、イメージに頼らない実態を私たちに与えてくれます。

 

少し詳しく見ていきましょう。

 

今、この記事を読んでいる皆さん、そして私、2人いるとします。

 

そうすると、そのうちどちらかはがんになります。

 

生涯のがんになるリスク(罹患リスク)は、男性63%、女性47%です。

 

※国立がん研究センターがん情報サービス、最新がん統計より
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

 

男性に至っては半分よりも多いですね。

 

一方で、今0~60歳の人が、がんで死亡するリスクは、男性25~26%、女性は14~16%です。生涯がん死亡リスクで男性25%、女性15%という結果が出ています。

 

がんには半数以上の人がなりますが、しかし対策や治療の進歩で死亡のリスクは減っていることがわかります。

 

がんでは死ににくくなっているのです。 

 

高齢化が進んだが故の「2人に1人」

 

現在は高齢化の影響でがんの死亡率は増えています。

 

しかしその影響を除いた年齢調整死亡率で見ると、死亡率は下がり続けており、基本的な治療や対策の方向性は合っている(うまくいっている)ことがよくわかります。

 

なおたまに総死亡率を引き合いに出す論者がいますが、それはミスリードを誘う技術なので気をつけて頂くのがよいと思います(詳しくは書籍『1分でも長生きする健康術』に)。

 

がんの死亡率は、高齢になるほど高くなります。

 

それなので、高齢者が多い集団では、がんの死亡率は高まりますし、高齢者の割合が増えれば、がんの死亡率は増加していきます。

 

国立がん研究センターがん情報サービスの年次統計でも1965~2013年にかけて、特に女性では40代から60代の死亡率が減少する一方で、男性では80代以上、女性では85歳以上の死亡率が増加していることが示されています。

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html

 

発がんのメカニズムは複雑ですが、私たちは細胞分裂を繰り返している以上、どこかで異常な細胞は生まれる可能性があります。そしてそのうちの排除されなかったものが増殖する可能性があります。

 

ゆえに長生きすればするほど、そのような機会を得てしまう可能性は高まるとも言えます。それゆえの、「半分ががんになる」ということなのです。

 

現代では、がんで亡くなる可能性は必ずしも高くない

 

がんに限らず、死因の2位の心疾患、3~5位の脳血管疾患、老衰、肺炎(2017年、厚労省統計)、どれも加齢が濃厚に関与している病気です。

 

長生きして、機能が衰えてしまうからこそ、私たちは病気を避けることはできません。

 

いつ来るか、という問題であり、なるならない、という問題ではないのです。

 

まとめますと、2人に1人が罹患しますから、がんにはなると思っておいたほうがいいです。でもがんで亡くなる可能性は必ずしも高くないです(男性は4人に1人、女性は7人に1人です)。

 

そして治療も進んでいますし、予防についても、科学的根拠ある提言がされています。

 

ですから、ことさら恐れる必要もない。それが現代のがんといえましょう。

 

一方で、がんになっても、がん以外でお亡くなりになる方も増えています。

 

そのため、『1分でも長生きする健康術』で「がんになってから1分でも長生きするための健康法」を記しましたが、全く健康な方に準じて、食事や運動を気をつけてゆくのが大切だと考えられます。

 

(この記事は『1分でも長生きする健康術』大津秀一著 を基に作成しました)

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2000人の終末期患者を診療した医師が教える  1分でも長生きする健康術

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大津秀一(おおつしゅういち)

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