春画の名作にはどのようなものがある? 春画にまつわる素朴な疑問その9
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bw_manami

2019/04/05

「春画」と言えば、着物を半分まといながらのアクロバティックなくんずほぐれつ、誇張された巨大な性器…といったものがまず思い浮かびます。春画に特有なこれらの描写、実はそれぞれに深い意味合いがあるのをご存じですか?
『[カラー版]春画四十八手』(知恵の森文庫)の著者で江戸文化にも詳しい車浮代さん(http://kurumaukiyo.com/)が、同書刊行を記念し、より深く鑑賞するために知っておきたい「春画にまつわる素朴な疑問」にお答えします。
奥深い春画の世界、“知ってから見る”とまた違う地平が広がります。

 

喜多川歌麿『歌満くら』

 

Q9.春画の名作にはどのようなものがあるのですか?

 

このコーナーで度々書いておりますように、江戸時代の浮世絵版画に関わっている職人たち(絵師・彫師・摺師)の間では「春画の依頼が来てこそ一人前」という不文律がありました。

 

そもそも、春画を描くのはむずかしい上に、秘密裏に、贅を尽くして高く売る春画には、相当な制作費が注ぎ込まれているからです。

 

従って、七大浮世絵師と呼ばれる、鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳のうち、わずか十ヶ月で消えた写楽以外の絵師は、全員春画を手がけています。

 

ただし広重は春画が苦手だったようで、手がけてはいても名品と呼ばれる作品は残しておりませんし、手がけた数もわずかです。

 

逆に、春画の名手を挙げるなら、七大浮世絵師の中の鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎に加え、勝川春章、勝川春潮、鳥文斎栄之(ちょうぶんさい えいし)、渓斎英泉、歌川国貞、といったところでしょうか。

 

英泉や国貞は癖があって、好き嫌いもあるかと思いますが、他の七名の絵師たちの作品は、どれも品があって、優雅でおおらかで、美の基準を満たしていると思われます。

 

中でも鳥居清長の『袖の巻』、喜多川歌麿の『歌満(ま)くら』、葛飾北斎の「海女と蛸」の絵を含む『喜能会之故真通(きのえのこまつ)』の3作は、多少なりとも春画に興味のある方には、是非本物を、生で観ていただきたい逸品です。

 

これらを含む名作がなんと、無料で観られる展覧会が、銀座のシャネルビル4Fの、シャネルネクサスホールで開催中です(2019年4月7日まで)。

 

『ピエールセルネ&春画展』
https://chanelnexushall.jp/program/2019/shunga/?fbclid=IwAR21YschaLW7UpE87qQ8J0jJ8sQTdiPC6sqKRaX-cXC_DsoOC9NdlH1emBc

 

また、東京での会期終了後は、2019年4月13日~5月12日、京都の誉田屋源兵衛 竹院の間にて、同展が開催されます。
https://www.kyotographie.jp/exhibitions/02-pierre-sernet-and-shunga/

 

必見です。

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