飛び降り自殺から生還したモカさんが伝えたいこと(2)
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bw_manami

2019/04/24

経営者・漫画家のモカさん(1986年3月生まれ、元男性)は、躁鬱病を悪化させた末、飛び降り自殺で重傷を負いながらも九死に一生を得る。全身の痛みに向き合いながら気づきを得たモカさんは、2016年から「お悩み相談」を始め、約600人の悩みと向き合ってきた。

 

入院中に撮影した写真。足先と病室が写る

 

地獄のような痛みから、逃れたい

 

よく「飛び降りたら意識は飛ぶの?」と質問される。私の場合は、おそらく意識は飛ばなかった。

 

落ちた地点はマンション敷地内の駐車場だった。助走を付けて飛び降りたが、偶然にも止めてあった車のボンネットに尻餅をつくかたちで落下した。

 

落ちた後、「痛い、痛い」「殺して、殺して」と言っていたと後から聞いた。しゃべっているのだから、意識がないとは言えない。相当な痛みを味わっていたのだろう。

 

そして、なお死にたがっていた。

 

入院生活の最初の2週間は、背骨を中心に、全身が恐ろしいほどに痛んだ。

 

鎮痛剤を飲みベッドに横たわっていても、睡眠中以外は鈍い痛みがずっと体に流れていた。

 

この5年前、タイで性別適合手術を受けた。その際にも、あまりの痛さにナースに助けを求めた経験もあったが、折れた背骨から来る激痛は耐えられる範囲を超え、極限の苦しみ以外の何ものでもなかった。

 

さらに、自殺ということもあってか、タイほどは鎮痛剤を施してもらえず、効きも悪かった。

 

特にひどかったのは、寝返りを打とうとした時だ。背骨から体全体に、しびれるような激痛が走る。

 

「うぎゃああああああああああああああああ」

 

腹の底から出る叫びを、幾度となくもらした。

 

深く眠っている間は、しばし痛みから解放されるが、意識がある間は一瞬たりとも逃れようがなかった。一瞬一瞬、手に脂汗をかきつづけるほどの痛みだった。

 

「これはまずい」

 

このままでは気がふれると、本能的に危機感を感じた。

 

 

以上、『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』(モカ、高野真吾著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。

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モカ/高野真吾

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