飛び降り自殺から生還したモカさんが伝えたいこと(3)
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bw_manami

2019/04/26

経営者・漫画家のモカさん(1986年3月生まれ、元男性)は、躁鬱病を悪化させた末、飛び降り自殺で重傷を負いながらも九死に一生を得る。全身の痛みに向き合いながら気づきを得たモカさんは、2016年から「お悩み相談」を始め、約600人の悩みと向き合ってきた。

 

複雑骨折した背骨には、現在もチタンが入る

 

「気づき」を得る

 

痛みは容赦なく襲ってきた。このままでは気がふれる――。本能的に危機感を感じた。

 

とはいえ、ベッドで寝ているだけの身では、できることは限られている。唯一、すがれる手段があった。自分の意識を痛みから遠ざけることだ。

 

「別に痛くないんだ」「大した痛みではないんだ」「むしろ、気持ちいいんだ」

 

念じるかのごとく、すがるかのごとく、脳をコントロールできないか、試みた。

 

意志の強さで一瞬、体が楽になる。しかし、安寧を壊し、モカさんの意志を砕くかのごとく、再び全身に激痛が走る。

 

「痛い痛いと思うと、痛くなる。一瞬一瞬、別のことを考えよう──」

 

こうした時間を2週間、過ごしていくうちに、あることに気がついた。

 

いつごろだったかは思い出せない。痛みで苦しむ脳に、はたと、一つの考えが舞い降りた。

 

「そうか、これは人生の縮図ではないか」

 

「人生も私にとっては、『痛い』の連続だった。いま、体の痛みから意識をそらそうとしている。同じように、人生の痛みから気をそらすことによって、人生そのものをやり過ごすことができるんじゃないか」

 

「生きることをつらい、つらいと思うから、よりつらくなるんだ。日々の痛いことから意識をそらし、痛くないこと、楽しいことを考えることは、『生きるヒント』になるんじゃないか」

 

 

以上、『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』(モカ、高野真吾著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。

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12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと

12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと

モカ/高野真吾

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