【保存版】8つのステイクホルダーの姿から中小企業の実状を徹底解剖する(前編)
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bw_manami

2019/05/07

日本にある会社の99・7パーセントは中小企業である。その多くが抱えている問題が「後継者不在」。社長は高齢化しているものの引き受け手のいない会社が、日本には127万社も存在する。世はまさに「大廃業時代」を迎えています。
会社という、人脈やノウハウ、ブランドを持つ「資源」をリサイクルし、未来へ繋ぐ。自らも安定した収入を得て、一国一城の主として自由を手に入れる。個人が幸福なキャリアを追及することで勝手に社会課題の解決に繋がる「事業買収」を、「社長のおくりびと」の異名を持つ事業承継コンサルタントが伝授する光文社新書『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円』が刊行されました。
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今回は、私たちが攻略すべき小さな会社への理解を試みましょう。

 

ここでは、会社の利害関係者(ステイクホルダー)について考えることで、会社そのものへの理解を深めてみます。私の独断と偏見によるところが大きくなってしまう点は、ご了承ください。

 

【株主・代表取締役】

 

まず、株主です。

 

大企業ならば、株主とは超重要人物でしょう。経営者は常にその顔色を意識せざるを得ないのかもしれません。下手を打てば、株価を落として自分の地位が危なくなったり、株主総会で突き上げをくらったりしてしまいます。

 

しかし、小さな会社では、株主ははっきり言ってどうでもいい存在として扱われています。ほとんど気にかけてもらえません。

 

たしかに小さな会社とはいえ、会社の形態としては大半が株式会社で、株主が存在しています。しかし、株主総会を毎期ちゃんと開催している会社など、ほとんどありません。必要があれば、顧問の税理士あたりが適当に株主総会の議事録を作り、ハンコだけ押して終了です。株主に配当を出している会社もごくまれでしょう。株式を持っている株主のほうにも、その権利を行使したり、意見を言ったりする人はめったにいません。

 

「だったら、なんのための株主?」と不思議に思われるかもしれません。おっしゃる通りです。とても適当なことになっています。

 

株主への意識が薄い大きな理由は、小さな会社の場合、社長自身が大株主になっていることが多いためです。会社が発行している全株式を、社長が一人ですべて握っているケースだって珍しくありません。自分が株主ならば、経営に失敗しようが、株主から解任要求を出されることもありません。社長の座を心配することもありません。

 

会社によっては株式が分散されていることもあります。たとえば、親族みんなで株式を持ち合っているケースです。それでも、株主への意識が低いことはだいたい同じです。

 

このような話を聞くと中小企業の株主問題はどうでもいいと思われてしまいそうですが、それが落とし穴となるケースもあります。このあたりはいずれ語りましょう。

 

【従業員】

 

従業員も会社の利害関係者です。会社のために一丸となって力を発揮してもらえれば、経営上の強い味方になります。一方、経営陣と反目したら、会社の足を引っ張る厄介な存在になり得ます。

 

小さな会社の場合、従業員教育のための体系的なシステムを構築しているようなケースはほとんどありません。社長から従業員さんへは「現場で自分の担当の仕事だけをこなせてくれれば十分」といったレベルの期待を感じさせます。

 

従業員としても、黙々と自分に割り振られた仕事のみをやるイメージがあります。仕事ができるようになって出世してやろうという気概もあまりなさそうです。そういうマインドの人は、すぐ独立するのでしょうね。

 

子供などの後継者候補が社内にいない会社で、社長に「後継者の候補となる人は社内にいませんか?」と聞いてみます。すると、たいてい「会社を任せられるヤツなんていない」という答えが返ってきます。社長が従業員の能力を評価していないこと、経営者として従業員を育てようとしていなかったことが垣間見られますね。

 

その反動か、社長には「俺が従業員を食わせてやらないと」という思いが強くなります。こうして旧来タイプのワンマン社長が誕生するのでしょう。

 

社内の雰囲気としては、アットホームで、和気あいあいとした場合が多いかもしれません。出世競争もなく、仕事上のプレッシャーが低いためでしょう。従業員レベルでは、危機感に乏しく、のんびりぬるま湯につかったような仕事をしているケースも少なくありません。

 

ゆえに、経営者が社内改革を起こそうとしたり、外部コンサルタントが入ってきたりしても、従業員がそれに全然ついてこなかったという話はよくあります。人材の流動性が低く、新たな人を採用しようとすると苦労する場合も多そうです。

 

業務管理については、かなり遅れているケースが目立ちます。いまだに伝票は手書きで、しかも重複するような内容のものを複数作成しているなど、効率の悪さも目立ちます。

 

【債権者】

 

債権者にも様々なタイプがいますが、ここでは銀行(信用金庫含む)を見てみましょう。

 

ほとんどの小さな会社では、銀行からの借り入れがあります。3つぐらいの銀行と付き合っているのが平均だと思います。

 

おそらくみなさんが想像するより、会社と銀行の関係性は強く、また、社長は銀行の顔色を気にしています。

 

借金に慣れきってしまっているのが、中小企業の悪いところでもあります。借金を完済する気がまったくないような社長までいます。返済のための計画性がなく、お金が足りなくなったら、あたりまえのように銀行から借りるといった感じです。とてもルーズです。そうこうしているうちに借金が膨れてしまうのは当然です。

 

過去には「借金なんて返しきれない」と開き直っている社長も見てきました。銀行は銀行で、お金を貸し出すことが商売なので、会社に借金を残せるように振る舞います。こうしてある種の癒着関係が生まれています。

 

借金をする必要がないのに「今後借りる必要ができた時のために、銀行と付き合っている」という会社まであります。 定期預金を組んであげて、その銀行から借金をしている会社もあります。理由は「そうすることで、銀行がお金を貸しやすくなる」と。定期預金を人質に出していれば、お金を借りられるのは当然でしょう。だったら、預金を解約して運転資金に使えばいいのにと思うケースもあるのですが……。

 

とにかく、これぐらい中小企業は銀行との関係を重要と見ています。

 

ただ、私からするとこんな銀行との関係性は、やや時代遅れに感じる面があります。すでに銀行側のスタイルも変わっていることは、いたるところで耳にする通りです。経営が苦しくなればあっさりと会社を切り捨てますし、「メインバンクだからウチを手厚く支援してくれる」といった期待も幻想と化しつつあります。

 

なお、銀行からの借金については基本的に、社長個人が連帯保証を差し出しています。場合によっては社長名義の個人の自宅などまで、銀行の借金の担保に取られているケースもあります。個人による会社の借金の保証には是非をめぐって議論があるところですが、現場レベルではまだほとんど変わっていないのが実情です。

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