30年かけてたどり着いた、不登校・ひきこもり克服の3ステップ――子どもが不登校・ひきこもりにならない/から脱出するための子育て術
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bw_manami

2019/08/30

2019年5月。元号が平成から令和に変わり、日本中が新しい時代の幕開けに心躍らせていた矢先に起こったのが、スクールバス襲撃や元農水省幹部の長男刺殺といった「ひきこもり」に関連した凄惨な事件の数々でした。若者の不登校・ひきこもり問題に30年以上支援活動を続け、延べ1万人以上の生徒を立ち直らせてきた著者が、事例を踏まえて解決の糸口を贈る『不登校・ひきこもりの9割は治せる』(7月18日発売・光文社刊)より、著者が実際に実施してきた不登校・ひきこもり克服のためのステップをご紹介します。

 

 

◆9割をひきこもりから立ち直らせてきた3ステップ

 

第5回6回7回で述べたように親が子どもへの関わり方を変える心構えができたら、次はいよいよ不登校・ひきこもりから立ち直るためのステップに入ります。

 

教育ミッション

ステップ(1) 規則正しい生活をする
ステップ(2) 自律して自信をつける
ステップ(3) 社会貢献をする

 

まず大事なことは、規則正しい生活ができるようになることです。これが一番大変で重要なステップです。それができるようになったら、自律して自信をつけるステップに移っていき、最後には社会貢献をしてその自信を完全なものにしていきます。

 

これは、私が30年以上にわたって実践してきて、やっとたどり着いた方法です。この3つのステップさえできれば、保護者同居の9割の子どもが立ち直れると思っています。少なくとも、私がこの方法を実施して、立ち直れなかったケースはほとんどありません。

 

ほかの専門家や不登校・ひきこもり問題を扱う機関では、先に自信をつけさせようとする場合がよくあります。しかし、それでは立ち直れません。この順番が非常に大切なのです。

 

3つのステップというと簡単に聞こえますが、実際はとても難しく、時間と手間のかかる大変な道のりです。ここでは、その3つのステップを達成する方法について、順を追ってさらに詳しく説明していきます。

 

◆不登校なり始めの1カ月

 

不登校になり始めて最初の1カ月くらいは、本人も悶々としています。この1カ月は充電期間になって、そこからまた通い始める場合も多くありますから、1カ月までなら様子を見ていてもいいでしょう。1カ月ならまだ生活習慣が大きく乱れていない場合も多いので、巻き戻しも自分で楽にできるのです。

 

しかし、何もしなくても朝昼晩と三食出てきて、ゲームやスマホも取り上げられないで、楽な生活ができてしまうと、ずるずるとその生活を続け、本格的なひきこもりの段階に入っていくのです。

 

こうなってくると、親もどうしたらよいかわからず、不登校に関連する本などを読んで、無理に学校へ行かせることはないと思い込んでしまいます。

 

確かに親が無理やり行かせるのでは、子どもは反発するだけです。しかし、そのまま放っておいてよいわけではありません。

 

そこで絶対に必要なのが、第三者です。親子の間に入って子どもと直接、対話していく人物が必要なのです(ただし、間に入ってもらう機関や団体、人物は、慎重に選ぶことが重要です。暴力的な連れ出しで問題になったり、法外な金額を請求されたりしてトラブルになっているケースもあるので、細心の注意を払ってください)。

 

この第三者に、大人や大学生などをあてて、子どもと対話しようとしたり、子どもを連れ出そうとしたりする機関が多いようですが、ひきこもりの子どもにしてみれば、大学生や大人というのは、会話する相手としては非常にハードルが高いのです。

 

自己評価が低く自信もない子からすれば、大学生は自分とは違ったステージの人だと感じられるのです。すぐに心を開くことはないでしょう。

 

◆同世代が訪問することの効果

 

しかし、同じ歳、同じ学年で、しかも自分と同じように少し前までひきこもっていた高校生だとしたらどうでしょう。大人が連れ出しに行って断られることがあっても、同世代が連れ出しに行った場合、今のところ断られたことはありません。

 

当会ではひきこもりの相談を受けた場合、最初に子どもと接触するために、高校生インターンスタッフによる訪問を行っています。経験豊富なベテランスタッフと高校生インターンスタッフが組んで、子どもの部屋を訪問するのです。

 

信頼関係を築くために、ゲームの話や世間話から対話を始めます。年齢が近いほど共通の話題も多く、最終的には外に連れ出せるのです。

 

その間に親が気をつけることは、絶対に学校の話をしないことです。

 

うまくいきかけていたのに、学校の話をしたりスクールカウンセラーを連れてきたりすると、その場から逃げ出す、自室に鍵をかけてバリケードを作るなど、子どもから手強い抵抗にあいます。

 

それまでにさんざん親や先生から「学校に通え」と言われ続け、本人も通おうとしてもできない状態でいるので、子どもは通えない自分自身を責めている状態なのです。

 

そこへ「学校」を持ち出されると、さらに責められている気持ちになるので、拒否反応を示すことがほとんどなのです。

 

まず、最初の段階は何も口出しせずに、スタッフに任せて、外に連れ出してもらうことです。

 

以上、杉浦孝宣氏の新刊『不登校・ひきこもりの9割は治せる』(光文社新書)より一部抜粋・再構成しました。つづきは本書にてご覧ください。

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杉浦孝宣(すぎうらたかのぶ)

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