自称「おばさん」はイタくなりがち。変わりに○○と言おう
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あなたも飲み屋などで目にしたことがあるのではないだろうか。
中高年の男性が、年下の人に向かって「おじさんはね……」と語る光景を。

 

だいたいそういうとき、自称「おじさん」は年上の余裕を漂わせたがっている。
そして、そんな自称「おじさん」に対し、「そんなトシじゃないですよ!」「全然おじさんじゃないですよ!」というフォローが入ることもあまりない。
それは、「おじさんはね……」が中高年の男性が年上風を吹かせたいときの枕詞だと、皆が心得ているからだ。

 

ところがこれが、自称「おばさん」になると、事情が変わってくる。
なぜか、若い人たちが口々に「そんなことないですよ!」「若いですよ!」とフォローしてきて、まるでそう言ってほしくて「おばさん」を自称したかのような、イタい状況が作り出される。

 

こんな誰も得をしない状況を避けるために、『ババア★レッスン』著者の安彦麻理絵さんが推奨するのが「ババア」という単語だ。

 

「もう、おばさんだから」と言うよりも、「もう、ババアだから」と言ったほうが潔くて爽やかだ、と安彦さんは指摘する。

 

そして、その潔さに引っ張られるかたちで、言われたほうは「ババア!! いい響きですね!」「躍動感がありますよね!!」などと返せばいい、とも述べている。

 

つまり、自称するほうは「若者のおもてなし」など期待せずに豪快に「ババア」を自称すればいいし、されるほうは「そんなトシに見えませんよ~」的な茶番はもうやめろ、というわけである。

 

とはいえ、「ババア」という単語にぎょっとしてしまう人や、拒否感がある人は多いかもしれない。
しかし、本書の中で頻出する「ババア」は悪口とは真逆なのである。その意図はこうだ。

 

「世の中には『ババア』というフレーズを『悪口』として使う輩がたくさんいる。『ババア』と言えば女は傷つくと思っている男達。だから。そんな奴らに吠えヅラをかかせるためにも、私は。『ババア』というフレーズに、ポップでアバンギャルドでアナーキー、かつポジティブなニュアンスをまぶしつけ、そしてどんどん使い込んで世に浸透させ、この言葉が『人を傷つけるためのではない単語』になればいい、と、思っている」

 

ニュアンスとしては、毒蝮三太夫さんの言う「ババア」が近いかもしれない。
マムちゃん(毒蝮さんの愛称)に「ババア」と言われて怒る人はほとんどいないと思うが(ごく一部の例外は除く)、それは悪口や傷つけるための言葉ではないのが明らかだからだ。
ちなみに、『ババア★レッスン』には300回以上も「ババア」という単語が出てくる。
読み終わるころには、ババアという響きが愛おしくなっている……と願いたい。

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ババア★レッスン

ババア★レッスン

安彦麻理絵

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