『夢中力』堀江貴文、野村克也(4) 成功者は語る。成功のモチベーションは「カネ」だった?
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ryomiyagi

2020/10/29

 

人生お金がすべてではない、というようなフレーズがある。私も小さな頃から何度も耳にしてきた。相手はたぶん、世の中にはお金では買えないものがあることや、幸せな家庭や仕事のやりがいこそが大切だというつもりで言ったのだろう。大人になって、お金がすべてではないことを知ったけれど、お金とは「何か」ではあるのだ。

 

プロ野球選手には、シーズン終了後に「契約更改交渉」というのがある。もしかすると1年を全部棒にふって、0勝に終わるリスクもある。だから、選手にとっての年俸は、信用度なのだと野村氏は語る。当時は封筒に入れての手渡しだったから、野村氏はそのお金を持って銀座や北新地へ飲みに走ったそうだ。

 

「私の選手時代は『銀座や北新地で飲む』ことが一種のステータスだった。そのステータスのためにはカネが必要。カネを稼ぐためには好成績を挙げる。そういうモチベーションが私を『三冠王』にさせたのだと思います。」

 

堀江氏もまた、お金は信用を数値化したものだと語っている。

 

「僕のことを『拝金主義』だと思っているかたがいるかもしれないが、それは違う。儲かれば何でもいいというわけではない。ビジネスが成功するには、人間の熱量や愛情が必要で、それによって人の輪ができる」

 

活躍する舞台が違っても、二人のお金に対する考え方はとてもよく似ている。二人とも、最初から成功していたわけではないという点も。

 

「稼げる仕事」に就きたくてプロ野球選手を目指した野村氏。しかし「ユニフォームに袖を通しても、「スタートライン」に立ったのにすぎません。ゼロからの出発です。」と、1本1本、地道にヒットを積み重ねてきた。勘違いしてしまいそうになるが、どんなに成功し、活躍している人でも最初はゼロからの足し算であり、掛け算ではないのだ。

 

パソコンに触りたい一心で「パソコンを使用した英会話スクール」なるものに通っていた堀江氏は、中学生のとき教材システムの変更を頼まれて引き受けた。アルバイト料は10万円。この経験が、「働く」ことの意味を教えてくれたのだという。「人はメシを食うために働くのではない。「働く」ことは「生きる」こと。「自らの生を充実させるために働く」のだと思う」

 

二人の共通点はほかにもある。「カネ」がすべてではない。けれど、「好きなこと」や「やりたいこと」をよく理解し、実践している点だ。なにより、二人とも自分の人生に夢中で、とにかく没頭している。そうして人生を味わい尽くす姿勢こそが、成功の秘訣なのかもしれない。

馬場紀衣(ばばいおり)

馬場紀衣(ばばいおり)

文筆家。ライター。東京都出身。4歳からバレエを習い始め、12歳で単身留学。国内外の大学で哲学、心理学、宗教学といった学問を横断し、帰国。現在は、本やアートを題材にしたコラムやレビューを執筆している。舞踊、演劇、すべての身体表現を愛するライターでもある。
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堀江貴文/著 野村克也/著

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