実は日本人は臭かった! なぜ口腔ケアへの意識が遅れているのか
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外国人の7割が日本人の口臭にガッカリ

 

多くの日本人は、「自分たちは外国人と比べたら臭くない」と、思っている。たしかに、腋臭(わきが)の割合は少ないので、体臭は比較的弱いと言えるかもしれない。

 

しかし、外国人からすれば、日本人の「口臭」が残念らしい。オーラルプロテクトコンソーシアムの調査(2015年10月)によると、在日外国人の約7割が、「日本人の口臭にガッカリした経験」があり、「オーラルケアをもっと徹底してほしい」と願っていると回答している。そして、約4割は、「2020年の東京オリンピックに向けて、日本人は口臭を改善すべき」と考えているようだ。

 

 

せっかく「おもてなし」の心がオープンでも、お口をオープンすると口臭がプンプンでは、国際的なイメージダウンは免れない。自分のにおいは、自覚しにくいものだから、他人からの指摘は、素直に受け止めたい。

さらに、パナソニック株式会社の調査(2017年)によると、日本人同士でも、72%のビジネスパーソンが、「他人の口臭が気になったことがある」と回答している。また、29%は「他人に自分の口臭を指摘されたことがある」との厳しい状況に直面していた。

 

スキンシップと危機感の少ない日本人

 

口臭の一番の原因は、口腔内環境の悪化だが、口腔内環境に「自信がある」人は、たった27%。現在のケアでは「十分にケアできていると思わない」という人は、61%だったという。日本人の成人の80%は、なんらかの程度の歯周病だと報告されている現状である。しっかりケアを行ないたい。

 

先進国であるにもかかわらず、日本人の口腔ケアに対する意識はかなり遅れている。なぜなのだろうか。

 

この理由は、文化的に見ると、日本人は、欧米人のように、日常的にキスをしたり、ハグをしたり、他人と密に接近することがないからではないかと考えられている。挨拶代わりに、初対面の人とでも顔や体を寄せ合う文化であれば、第一印象のために口臭ケアは欠かせないだろう。一方、日本人は、よほど親しくならないと、他人のパーソナルスペースには侵入しないし、自分も侵入されたくないと思っている。

 

また、危機感の問題もあるだろう。アメリカでは、子どもの頃から、虫歯にならないよう口腔ケアをしっかり教育される。歯ブラシだけでなく、フロスなどを使ってしっかり歯間ケアもする。

 

「どうせ、意識高い系の高所得クラスだけだろう?」と思うことなかれ。アメリカは、日本のように国民皆保険ではないため、歯の治療のためには、自主的に医療保険以外のデンタル保険に加入しなければならない。なかなか全額カバーもされないので、虫歯や歯周病になってしまうと、思わぬ高額出費になりかねない。経済的に保険に入る余裕もない場合は、馬鹿高い歯科治療費を全額負担するか、放置するかの二者択一しかない。だから、必死に予防に励まざるをえないのだ。

 

「においの改善」を健康改善のモチベーションに

 

これは、歯科だけでなく、医科でもそうだが、国民皆保険は良し悪しだ。いつでも誰でも、病院に安心してかかれるという油断が、日本人から「予防」という観点を奪っているからだ。

 

「病気になれば、医者や歯医者に行けばいい」という他力本願な人が、日本にはどんなに多いことか。本来、成人の経験するほとんどの病気は、虫歯や歯周病も含めて生活習慣病だ。自分のライフスタイルが病気を招くのだから、自分にしか予防も改善もできない。

 

とはいえ、なかなか病気になった後の自分について、想像力を働かせることは難しいものだ。将来の虫歯や歯抜けになるリスクについては、あまり実感が湧かないもしれない。でも、口臭は、リアルな問題だ。人間関係にも、モテ度にも、ビジネスにも、人生のごきげん度にも影響する。

 

だから、「におい」を改善することをモチベーションの源泉にしてみてはどうだろうか。健康は、結果として付いてくるものだ。

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