「死ぬまでセックス」したいならフランス人に学べ!
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夫の幼馴染みの友人オリヴィエは熱心なカトリック教徒で、5人の子どもを育てあげた元銀行マン。60代後半で妻を亡くしてから1年間は一人で静かに暮らしていたが、そのうち「こんな辛気臭い生活は続けられない」と、恋人探しを始めた。そのためにわざわざ合唱クラブにまで入り、同世代のシングル女性3人にアタックするも玉砕。しかしその後、幼馴染みのシャンタルさんとバカンス先で再会し、恋人関係になった。

 

新しい恋人ができた報告のため我が家に来て、「やっとだよ、やっと彼女が見つかった!」と大喜びするオリヴィエに「それで、ちゃんとセックスしたの?」と夫が単刀直入に聞く。

 

「もちろん!」

 

はぁ、そうですか。極端な右派でおまけにカトリック教徒で、銀行で定年まで勤めあげた、孫が6人もいる70歳の男でも、新しい恋人とセックスするのか、と私は少し驚いた。

 

そして、彼からシャンタルさんを紹介されて、もっとビックリした。ほんとうに「おばあちゃん」という感じの女性なのである。綺麗にはしているけれども、明らかに腰は曲がっているし……。

 

セックスを専門とする心理学者の友人に「フランス人は、普通何歳までセックスするんですか?」と聞いてみたところ、「人それぞれよ。今は健康な人ならば、女性は60歳から65歳、男性は70歳から75歳くらいまでセックスすることも普通にある」という答えが返ってきた。

 

カップルで暮らしている50歳以上の人々は、昔とくらべて性生活がより活発になってきているようだ。1970年代、50歳以上の既婚者のうち51パーセントの女性と38パーセントの男性が「この1年間セックスレスである」と回答していた。ところが、2006年の統計では50歳から69歳の健康なカップルで「この1年間セックスレスである」と回答しているのは女性の7・2パーセント、男性の2・3パーセントに過ぎない。1970年代から避妊用のピルが広まったことで、人々のセックスライフが大きく変化したと考えられている。とりわけ熟年女性の間でセックスライフを楽しむ人が増えたことは、私も実感している。

 

知人を見るだけでも、孫が数人いるような年齢で「新しい恋人ができた」と顔を輝かせる人が年々増えているように思える。60パーセントの男性が「パートナーが年をとることは、性的欲望に影響を与えない」と考えているようだから、ほんとうは年齢なんてあまり関係ないのかもしれない。

 

 

以上、『フランス人の性 なぜ「#MeToo」への反対が起きたのか』(光文社新書)を一部改変して掲載しました。

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