メディアに求められる新たなステージ! この本を読んで感じた危機感『YouTube革命』

森川 亮 C Channel(株)代表取締役社長

「YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち」文藝春秋
ロバート・キンセル/マーニー・ペイヴァン/著
 

今、話題のYouTubeですが世界中のミレニアル世代のライフスタイルに大きな影響を与えています。楽しむだけでなくYouTuberとして動画を投稿して活躍する若者も増えていて、子供たちの間では将来なりたい職業に選ばれるなど職業としても話題になっています。

 

「YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち」はそのYouTubeが生まれたきっかけやそこからの成長ストーリーが書かれています。私達は自社のサービス「C CHANNEL」で同様の動画サービスを展開していますが、そもそも動画というのは制作に手間もかかり、また視聴する際に通信料がかかってしまうということでモバイル環境ではなかなか敷居の高い領域でした。そんな中、YouTubeでは通常のメディアで表現しきれないマイノリティの人達をエンパワーするところから広がり、そこに新しいアーティストたちが加わって見慣れたTVの世界に飽きてしまった若者たちの気持ちをつかんで急成長してきました。

 

当初、権利を持った既存のコンテンツ系企業やメディア系企業と対立関係もありましたが、現状権利関係も整理されチェック体制も整い、権利を持った人達にもきちんと収益が配分されるようなシステムが導入されました。そのため、むしろYouTubeに勝手にアップロードしてもらった方が収入も入るし、広告宣伝にもなると推奨する会社も増えてきています。YouTubeは今後メディア業界に更に大きな変革を与えるサービスとなるでしょう。

 

私は家のテレビがAndroidTVなのですが、娘はこのテレビモニターを使っていわゆる地上波をみるのではなくYouTubeを見ています。昨今、放送と通信の融合に関する議論がされていますが、もはや若い世代についてはそんな議論は全く意味がない状況です。世界ではその次にどんなコンテンツを制作すべきか、タレントではなく一般のスターがどうしたら生まれるのかというところに論点が移っており、日本のメディアやコンテンツ産業も新しいステージへと成長が求められていると、この本を読んで危機感を感じました。新しいメディアやコンテンツ産業に興味がある方々に読んでいただきたい本です。

 

これもオススメ!
中澤克二『習近平帝国の暗号 2035』日本経済新聞出版社 2018年
➸中語の最近の動きと本質を理解するのに役立ちます。

マーティン・フォード『ロボットの脅威』日経ビジネス人文庫 2018年
➸ロボットが日本の社会をどう変えるのか参考になります。

田中潤・松本健太郎『誤解だらけの人工知能』光文社新書 2018年
➸AIに関する誤解とどう使いこなせば良いのか学べます。

 

「YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち」文藝春秋
ロバート・キンセル/マーニー・ペイヴァン/著  渡会圭子/訳
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この記事を書いた人

森川亮

-morikawa-akira-

C Channel株式会社 代表取締役社長

1989年に筑波大学卒業後、日本テレビ放送網株式会社に入社。 1999年青山学院大学大学院国際政治経済学科でMBAを取得。2000年ソニー株式会社に入社。 その後、2003年ハンゲームジャパン(現 LINE株式会社)に移籍。2007年同社代表取締役社長に就任。2011年に「LINE」をスタートさせた。 2013年4月にはゲーム事業を分離し、社名をLINE株式会社に変更。同時に同社代表取締役社長に就任。2015年3月末より代表取締役社長を退任し、 同社顧問に。4月からC Channel株式会社代表取締役社長に就任。1967年生まれ。


・C Channel:https://www.cchan.tv/

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