子どもの寝つきが悪く、困っています。
岡嶋裕史『大学教授、発達障害の子を育てる』

 

今回はいただいたご質問に回答したいと思います。

 

Q 子どもの寝つきの悪さに困っています。

 

A あーーーーーーーーーーーーーーー。

 

ものすごく、わかります。自分がそうだったんです。

 

どうしても寝られませんでした。

 

私は医師ではありませんので、医療的な見地から何かを申し上げることはできません。自分の不眠が発達に関連して生じているのか、それとも何か別の要因によるものなのかも、きちんと判断できてきません。

 

だから、以下に述べることは、あくまで個人のせまい体験の範囲の知見だとお考えください。

 

物心ついたころから、夜の寝つきがすごく悪かったです。

 

たとえば、年齢的に20時に寝るのが平均値だったとして、
19時頃から意識し始め、
20時になると焦りを覚え、
21時になると哀しくなり、
22時には絶望し、
23時くらいになると開き直って本を読み始めました。

 

発達障害の子でも寝つきのいい子はいますので(ぼくの子がそうです。ぼくの子は、ぼくよりずっと重たい症状ですが、寝つきはすごくいいですし、学校も大好きでいつも楽しそうにしています。ぼくは学校が好きだったことはないので、なんだかうらやましいです)、全体の傾向として敷衍することはできないと思います。ただ、過敏な子は多いので、それとは関係していそうですよね。

 

自分のことしかわかりませんけれども、不眠そのものは別につらくないです。

 

「眠いのに寝られない、のではなく、単に眠くならない」のでした。

 

今だったら(歳をとってずうずうしくなっていますので)、絶対寝ないというか、何かで遊んでいると思いますが、子どもの頃はぴゅあでしたので、平均値とろうとしていて、「ほかの子が今頃寝ているなら、ぼくも」くらいのことは考えていました。

 

寝られないのにベッドには潜り込んでいるので、暇だから焦るというか、ぼくはふつうの子にはなれないのだろうかとか、小人閑居して不善をなすというか、色々考えてしんどかった気がいたします。

 

あとは両親ががっかりするのが気の毒でした。

 

たぶん全然寝られないぼくを見て、「やっぱりこの子はちょっとおかしいな」とか「寝ついたらあれやこれやしようとしていたのに、憎らしい子だな」とか色々考えていたことでしょう。むしろ、そっちのほう(人にがっかりされるほう)がつらいんですよね。

 

もう少し年齢があがると、子どもなりにカルシウムを摂ったり、それがマグネシウムになったり、さまざま試しましたが、劇的に効いたものはなかったです。

 

そのうち、まともな時間に寝ることは諦めてしまって、そうするとたくさん本は読めるし、ゲームもできるし、いいこと尽くめだな!と思うくらいには鉄面皮になりました。

 

ぼくは睡眠時間が減っても、日中あまり眠くならないほうなので、それでいいやと思っていました。唯一の心配は、これだけ寝ていないと背が伸びないのでは? ということで、実際背は低いままでした。一度は人を見下ろすような身長になってみたかったですが、残念です。

 

今でも寝つきは悪いままですが、その特性を活かすと30時間連続労働とか、わりと苦にならないので、助かっています。大好きなアニメやゲームを大人買いして楽しむときにも重宝しています。

 

ただ、今だから振り返って言えることで、育ち盛りのお子さんは心配ですよね。まずは、寝ることを怖がらせないようにしてあげたいです。まわりの大人ががっかりしていたり、怒っていたりすると、悪いなあとは思うものなので。

 

今は大人になったので、「明日の予定を考えると、今日だけは寝ておかないとまずいだろう」という日には、睡眠導入剤を使っています。もともと薬をつかうのに躊躇がない方なので、くらくらする感じを楽しんでいます。ぼくはお酒が飲めないのですが、きっと飲める人はあんな感じの酩酊感なのかなあと思います。

 

サプリメントと違って、万人に効果があると思いますが、やはりお子さんに使われるのは心配もありますよね。そこは是非信頼できる医療機関にご相談ください。

 

発達障害に関する読者の皆さんのご質問に岡嶋先生がお答えします
下記よりお送りください。

 

大学の先生、発達障害の子を育てる

岡嶋裕史(おかじまゆうし)

1972年東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所勤務、関東学院大学准教授・情報科学センター所長を経て、現在、中央大学国際情報学部教授、学部長補佐。『ジオン軍の失敗』(アフタヌーン新書)、『ポスト・モバイル』(新潮新書)、『ハッカーの手口』(PHP新書)、『数式を使わないデータマイニング入門』『アップル、グーグル、マイクロソフト』『個人情報ダダ漏れです!』(以上、光文社新書)など著書多数。
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