ひとり旅だからこそ出会える、いつもと違うひとりじめ飯。「OZの女子旅EXPO2018」レポート
細川芙美『#深夜のひとりじめ飯』

みなさん、こんにちは。じつは、先日イベントをやらせていただきました。ということで今回の連載は特別! 「OZの女子旅EXPO 2018」のイベントレポートです。

 

2018年11月3日、東京・表参道のスパイラルホールで「OZの女子旅EXPO」が開催されました。さまざまな新しい「旅のヒント」を集めた旅イベント。日本が世界に誇る国産ワインだけが揃うワインバーや日本中のイイモノを集めた2日間限りのアンテナショップ、セミナーやライブなど、旅好き女子にはたまらんイベントでした。

 

今回、私は特別セミナーとして、「旅の余韻を楽しむ旅×ひとりじめ飯のルール」というセミナーをやらせていただくことに! 今回はそのセミナーの模様をちょこっとだけご紹介します。

 

 

旅に行くと出会う、ご当地のごはんや、名産品。おいしいものがたくさんあふれる旅やけど、私はただ「味覚」だけのおいしいだけやないと思ってて。ちょっとかっこいいこと言っちゃうと、ひとりやからこそ、自分との対話を楽しめたり(笑)。いつもは忙しい毎日を過ごしているけれど、ぼーっとした時間を過ごせて、風や季節を感じられる瞬間があったり。おいしいという感情はいろいろなものが含まれての“おいしい”になるんやと思うんです。

 

私のひとり旅のルールは、現地で食材を買って帰り、家に帰って料理をすること。その理由は、特別な食材でなくても、帰ってからも食することで、旅の余韻が楽しめるからです。それでは、私が訪れた3つの土地をご紹介します。

 

◎鎌倉のひとり旅で見つけたあったかいおいしさ
鎌倉って東京近郊の人がいくおしゃれな土地やな~と憧れを持っていて。初めて訪れた私は、聞き慣れないと土地名に戸惑ったりと、初心者気分でした。ただ、素直におすすめされたご当地のおいしいもんを受け入れて食べて、鎌倉感を感じて…。

 

あるお店で卵焼きをおすすめしてくれたおばちゃんに出会いました。もうゴリ押ししてくるんですよ、しらす入りの卵焼きを(笑)。言われるがまま食べた卵焼きがまあ、おいしくて! おばちゃんはおしゃべりでいろんな鎌倉のことを教えてくれました。人に対して自分がやさしくなれる瞬間を感じて。たぶん、友達と来ていたらこんなにおばちゃんとしゃべることもなかったんやろうなあ。そう思い、ふと気づいたんです。この卵焼きのおいしさって卵焼きだけの美味しさだけじゃなく、おばちゃんを含めておいしいんやなって。旅先でのおいしさは味覚のおいしいだけじゃないと思います。

 

私のひとりじめ飯のルールは、早めに帰ること。その地で好きなものをお土産で買って、家に帰って料理をして、その1日を終える! あのとき、こういう気持ちになったなあという思い出を料理に込めることを大切にしています。

 

鎌倉では帰り道に鎌倉ハムをお土産に買いました。喫茶店でたまたま頼んだトーストセットについていた鎌倉ハムの味を忘れたくなくて。観光していると写真を撮って終わりがちやけど、帰って料理を食べながら「ああ、楽しかったなあ」と思いをはせるのも一人旅の醍醐味やと思うんです。ふとしたときにこれを食べて、また食べたいな、行きたいなと思う――これもひとりじめ飯の醍醐味やと思います。

 

 

◎京都でしみじみ 思い出にひたるアノ味

 

関西出身の私にとっては身近な京都。子どもの頃、観光名所などに目がいきがちだったけど、大人になると中身のよさに目がいくようになるもんです。

 

その日は料亭でちょっといい朝ごはんを食べたんですけど、これが昔の味を思い起こさせる味。だし巻き卵は醤油じゃなくて、じわ~と体に染み込んでくる出汁の味。若い頃に行った街をひとり旅すると、大人になったことを実感します。味覚の連鎖でふるさとの味を思い出せるんやなあと。

 

朝ごはんを食べたあとは、天とじうどんの有名店に向かいました。もうこれが長蛇の列! 30分以上並んだんちゃうかな? でも、並ぶ時間もええなあと思っていて。仕事のことを考えたり、昔遠足で京都にきたことを思い出したり、ひとり旅やからこそ、自分と向き合う大切な時間になるなあと実感しました。

 

 

天とじうどんはもう絶品。天ぷらにとけこむ出汁の味、あの瞬間が一番幸せです。またおいしいもんを見つけてしまった~と私は帰ってこれを料理にするんです。

 

◎米のすごさを思い知らされた秋田のひとり旅

 

いい意味で観光名所っぽくないところが秋田の好きなとこ。秋田はなんといっても米です。
突然なんですが、自分の中でお気に入りの米があるとなんだかイケてる気がしません? お米について知っている感じがちょっとかっこいいなと思っていて。そして私は出会ってしまいました。私のお気に入りの米に!

 

 

「つぶぞろい」という米なのですが、舌の中でほぐれ踊るような味わい。米粒がほかの米と比べて大きいそうなんです。みなさんも機会があったらぜひ食べてみてください!

 

お米がおいしい秋田やから、お米に合うおかずもたくさん。見た目はわりと地味なんですけど、どれもごはんにベストマッチするおかずばかりで。少しあまじょっぱめなおかずが多いのは、お米がおいしいからなんやなあ。これも食文化なんやろうなと思いました。お土産コーナーを歩くと、もうごはんを持ち歩きながらまわりたいくらい充実していました!

 

 

今回のイベントでは、私が鎌倉・京都のひとり旅の思い出をこんなおむすびにしました。
・おばちゃんとしらす卵焼き しらすづくしのおむすび
・鎌倉ビールと鎌倉ハム ガーリックライスのおむすび
・しみる、白味噌のお味噌汁とおばんざいのおむすび
・なつかしの関西風 天とじぶっかけおむすび

 

 

セミナーに来てくださったみなさんに召し上がっていただけて、嬉しかったです。イベント後、このおむすびをさっそく作ってくれた方もいて…! 「#ひとりじめ飯」のハッシュタグをつけてインスタグラムにアップしてくださっていました。

 

 

私にとって旅とは、自分の成長を感じられるもの。今まで憧れと感じていた何かに近づけたような気がした鎌倉。味わいから昔の自分を思い出し、成長を感じた京都。そして、秋田では、お米のおいしさや食文化に触れ、未来の自分のための知識を得ることができた――そんなひとり旅のことに思いを馳せながら、旅のアフターとして、ひとりじめ飯をつくる。これもひとりじめ飯のひとつのあり方なんやと思いました。

#深夜のひとりじめ飯

撮影/細川芙美  文/宮本香菜

細川芙美
調理師学校卒業後、フレンチレストラン、料理家のアシスタント、料理教室などを経て、2015年に独立。フードデザイナーとして、木箱をつかった標本型のケータリングや、星替わりのロケ弁などを「collection humi hosokawa」の名で展開。その他、石垣島の食材を使ったアンテナレストラン「離島24°」のメニュー監修、スタイルブレッドの新ブランド‎Pan&(パンド)のパンに合うレシピの監修などを行う。
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