1950年代の古き良きアメリカをイメージしたデザインが目を惹く、「グランドフードホール」のナッツ缶
中田ぷう「素晴らしきお菓子の缶の世界」

ryomiyagi

2020/10/20

お菓子の缶。それは私たちの暮らしのいちばん身近にある“芸術品”。ただお菓子を入れて売っているのではなく、中には思わぬ名画が使われていたり、著名なデザイナーが手がけていたりするのです。お菓子の缶を集めて40年以上。フードジャーナリストのわたくしこと中田ぷうが、知れば知るほど奥深い“お菓子の缶”の世界へご案内します。

 

 

2014年、神戸の芦屋にオープンしたデリ(惣菜)をメインとした食のセレクトショップ「グランドフードホール」。2018年には東京・六本木ヒルズにもオープンしました。
「グランドフードホール」は食品添加物ができる前、“1950年代の食”をコンセプトにしており、今回ご紹介するナッツ缶もどこか懐かしいデザインをしています。

 

秘書の“失敗しない手土産リスト”にも入る、極上のおいしさ

 

 

2014年の芦屋店オープンからあったのがピスタチオグリーンの缶に入った「ハニーローストナッツ」。こちらはアーモンド、カシューナッツ、クルミ、マカダミアナッツ、ピーカンナッツ、ピスタチオと6種類のナッツをバターとはちみつでからめたもの。翌2015年には、お酒に合うものも欲しいというお客様の要望から「ハーブローストナッツ」が誕生。こちらも同じ6種類のナッツをハーブやガーリックで味付けしたもの。
その後「ギフト用として3缶入りのセットがあるとうれしい」という声から、3つ目のフレーバーを開発。ハワイのコナコーヒーをまぶしたマカダミアナッツにヒントを得て「コーヒーローストナッツ」が加わりました。
1缶2160円と確かに少し高いお値段ですが、このおいしさ、1度知ってしまうと他のフレーバーナッツが食べられなくなるほど! そのくらい香ばしく、深みある味わいでおいしいんです。私はよくお酒好きの女性や甘いものが苦手な男性へのギフトに使っています。現に秘書の方々の失敗しない手土産リスト入りをしていると聞きましたし、あまりのおいしさにネットでは再現レシピを掲載している人もいます。

 

“缶博物館”へ行き、錆びや色あせを研究

 

左から「コーヒーローストナッツ」、「ハーブローストナッツ」、「ハニーローストナッツ」(各缶200g入り)各2160円(税込み)

 

さてこちらの缶、お店のコンセプトである“1950年代”を思い起こさせるようなデザインの缶にしようと言うことで、スタッフは缶博物館まで足を運び、アンティークの缶がどんな風に錆びているのか、時間が経つことでどんな色あせを起こしているのかを研究。また、当時シルバーの缶はなく、ゴールドの缶しか使われていなかったため、ベースの缶もゴールドを使用するなど細部にこだわったといいます。

 

 

ハニーローストナッツの缶は「グランドフードホール」のブランドカラーであるピスタチオグリーンを採用。お店の象徴的なアイテムにしたいということで、開発当時1951年の世界的大ヒット曲、ローズマリー・クルーニーの「Come On-A My House」を流しながら、イメージを作り上げたといいます(アマゾンミュージックやYoutubeで今も聞くことができます)。ところどころインクのひび割れやしみも再現されています。

 

 

ハーブローストナッツの缶は、シェフが生み出したフレーバーなことから、缶にはシェフをデザイン。チキンにキャベツ、オイルにワインが描かれているのも“デリカテッセン”である「グランドフードホール」を思い起こさせます。この缶はよく見るとところどころに“削れ”
が施されているのが特徴的。そして“夜に食べる機会が多いであろうナッツ”ということから黒を基調としたデザインに。

 

今年はまだまだおうちで過ごす時間が長くなりそうです。そんなときの自分へのご褒美としてもぜひ手に入れたい一品です。そして食べ終わったあとはぜひリユースを。私はティーバッグを入れています。

 

 

コーヒーローストナッツが入ったピンク缶。裏の部分に古い秤が描かれています。これはコーヒー豆というのは量り売りが主流であること、芦屋店にはたくさんのアンティークの秤が飾られていることから描かれることに。そしてコーヒーというのはエスプレッソのように濃い味の中にもほのかに感じる甘みがあり、どちらが欠けてもエスプレッソとして物足りなくなってしまいます。濃い味×ほのかな甘み、このスイートな交わりあってこそのコーヒーということからピンク色を着想。他の2フレーバーの缶と並べたときに浮かない、あくまでも“大人のピンク”にこだわって“コーヒーローストナッツ”が誕生しました。

 

 

グランドフードホール WEB:https://www.grand-food-hall.com/

 

「素晴らしきお菓子の缶の世界」

中田ぷう

ライター・編集者。缶収集家であり、3歳のころからお菓子の缶を集め始める。現在6畳一間が新旧の缶で埋め尽くされ、家族に迷惑がられている。一方でカルディ歴26年、コストコ歴19年のキャリアを持ち、業務スーパーマニアとしても雑誌やTVでも活動する。インスタグラム:@pu_nakata
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