ソフトめん、あげぱん、くじら……昔懐かしい学校給食が味わえる!新御徒町の「懐かしすぎて」泣ける店「給食当番」
寺井広樹の東京いい店泣ける店withおとよ

最近、いつ涙を流しましたか?現代人に必要なことは、もっと「泣くこと」。涙を1粒流しただけでストレス解消効果が1週間続くと言われています。
「家にも職場にも泣く場所がない」「思いっきり泣きたい!」そんな声をよく耳にします。そこで、厳選した“泣ける店”を紹介。案内人は、これまで1万7000人を泣かせてきた“涙活”発案者である寺井広樹、そして、助手の“おとよ”こと、とよしま亜紀。
店主の感動的なエピソードで泣ける店、懐かし過ぎて泣ける店、辛すぎて泣ける店……、東京の泣ける店を、美女の涙と共にお届けします!様々な泣きをご堪能あれ。

 

教室風の店内に思わずテンションが上がる

 

都営大江戸線・つくばエクスプレス新御徒町駅からおよそ徒歩1分。今回の「泣き美女」小本幸奈、おとよ、私寺井で、「懐かしすぎて泣ける店」給食当番へ。

 

ここは昔懐かしい学校給食を味わうことができる店なんですよ。「どんな給食が出るのか、ワクワクします」と幸奈。さあ、入りましょう!

 

 

この蛇口と石鹸ネットの感じも、懐かしさをそそります

 

私たちが通されたのは2階。店内は小学校の教室風です。目の前には大きな黒板、そして学校机と椅子。そうそう、給食のときは、班ごとに机を向かい合わせて食べていましたよね。

 

右の飾りを見るに、卒業式の日なのでしょうか

 

書道が貼られるなど、ディテールにも凝っています

 

「あ、こんなものまで」と椅子にかかっているランドセルを見つけて、背負って遊び始める幸奈、おとよ。この部屋に通されるだけでも懐かしさがこみ上げ、テンションが上がりますね。

 

懐かしの帽子も並びます

 

さあさあ、皆さん、席に着いて! 給食の時間ですよ。さて、ランチおすすめの「スペシャル給食セット」(1500円・税込)を注文しましょう。

 

出てきたのは、ソフトめん、ミートソース、カレーシチュー、肉だんごスープ、はるさめサラダ、くじらの竜田揚げ、あげぱん、ミルメーク牛乳のセット。プラスして、冷凍みかん(100円・ランチ時税込)も頼みました。アルマイトのお盆と食器に先割れスプーンがついていて、凝っていますね。

 

 

思わず感動する幸奈

 

給食の盛り付けは難しいんですよ、特に汁物は。最初は具の量が多いんですけど、最後の方になると汁ばかりになってしまって……。クラスの女子から何度ダメ出しをされたことか。

 

汁物の入った食缶、こんな感じでしたよね

 

「寺井さん、悲しい過去を思い出して、涙が出てきましたか」と、そっとハンカチを差し出すおとよ。いえいえ、まだ泣きません。

 

さあ、手を合わせていただきます!

 

世代や地域が違っても話が弾む「給食トーク」

 

瓶の牛乳が懐かしいですね。牛乳でわざと白ヒゲを作って、遊んだ人もいるでしょう。

 

 

同じように牛乳瓶を手にして、「あ、残念。ふたがない。私、集めていたんですよ」と話すおとよ。そうそう、ふた集めも流行っていましたね。

 

「私はふたの裏にドラえもんとか、アニメのキャラクターを書いていました。大きめのタッパいっぱいに持っていましたよ」とおとよ。

 

すると、「集めて何に使うんですか?」と不思議そうな顔で尋ねる幸奈。

 

ふたを、めんこの代わりにして遊ぶんですよ。ただし、手の風圧ではなく、息を吹きかけて、ふたを裏返します。真っ平らなふたはひっくり返りにくいんです。だから、私は勝負に強いふたを作るために、沸騰させたヤカンをアイロン替わりにして、少し濡らしたふたをプレスしてました。

 

そんな私たちを見て、「私は紙パックだったんですよ。聞いていると瓶のほうがおもしろそうですね」と幸奈。幸奈は平成生まれ。おとよと私は昭和生まれ。瓶なのか、紙パックなのかは世代差でしょうね。

 

幸奈に何か懐かしいものがないか、聞いてみると、「ソフトめんです」と即答。「クセがなくて、何にでも合うんですよ。麺の上にミートソースやカレーシチューをかけて食べていましたね」
実は、ソフトめんを知らないおとよと私。これも世代間ギャップでしょうか。すると、店長さんが「あ、ソフトめんが出ない地域があるんですよ」と教えてくれました。私もおとよも関西出身。地域差なんですね。

 

 

ちなみに、幸奈は北海道出身。ご当地給食がありそうですが……。「北海道だったら、カニが出るとか」と突っ込むおとよ。さすがに学校の給食で、カニはないでしょ。

 

幸奈いわく「北海道らしいものと言えば、わかめと鮭のごはんかな」とのこと。それも美味しそうですね。

 

給食をきっかけに、思い出が溢れ出す

 

早速、袋からソフトめんを取り出し、定番のミートソースを上からかけて、食べる三人。麺自体は柔らかくて、太さは細めのうどんという感じですね。「ミートソースとよく絡まって、イケる」とおとよも頬張っています。

 

けど、「あっ」と幸奈がソフトめんを食べる手を止めます。「ソフトめんって長いんですよ。だから、袋に入っている状態であらかじめ箸を使って十字に切って短くしておくんですよ。それを忘れていた」とつぶやく幸奈。その瞬間、学生時代の思い出が溢れ出したようです。

 

女優を目指し、単身北海道から上京してきた幸奈。遠く離れた故郷のことを思い出し、涙が……。

 

「私、あげぱんが苦手で……」とトレーに入ったあげぱんを見つめる。けど、あげぱんの日はうれしかったのだとか。幸奈の初恋の男の子があげぱんが好き。あげぱんの日は、わざわざ幸奈の席までやってきて「あげぱん、ちょうだい」と言ってきたそう。「それがうれしくて……」と頬を赤らめる幸奈。

 

 

「ええ話やな」とおとよ。しかし、おとよも私もあげぱんは知らないのです。どうやら、あげぱんも地域限定のようです。

 

おとよの好物は、レーズンパンだったそう。レーズンの甘味とパンがマッチして、レーズンパンが給食に出る日は、朝からわくわくしたのだとか。私は「とくれん」という凍らせたオレンジゼリーが大好物でした。少し溶かして、シャリシャリした状態で食べるのがいいんですよ。私の出身地である神戸っ子限定の給食かもしれません。

 

さてさて、おとよと私は、初あげぱんにトライ。カリッとしていた皮に、砂糖をまぶしてあるんですね。シンプルな味わいだけど、クセになりそう。牛乳にもよく合いますね。砂糖がボロボロ落ちるのが難ですが(笑)。

 

さあ、皆さん、食べ終わりましたか。あれ、おとよのくじらの竜田揚げだけが残っている。おとよ、好き嫌いはいけませんよ。

 

「けど……」とうつむくおとよ。「奈良に住んでいた頃、このメニューがあって。硬くて硬くて噛み切れなくて、まずかった。好き嫌いはないけれど、くじらの日だけは嫌でした」と言い出した。

 

すると、幸奈が「私は今回初めてくじらの竜田揚げを食べたんですけど、美味しくて牛肉みたいな感じですよ」

 

そんな幸奈の言葉を聞いて、恐る恐るくじらの竜田揚げを口に運ぶ、おとよ。「アレ、柔らかい。牛肉というよりは、まぐろみたいかも。なんでや?」
良かったじゃないですか。すると、「本当はこんなに美味しかったものとは。あのころの私に教えてあげたい」とおとよの目から涙が……。

 

給食は思い出の扉を開ける鍵。ここに来ると、世代や地域を超えて、懐かしさに涙が流れます。

 

 

●お店のデータ
給食当番
住所: 東京都台東区元浅草1-4-4
営業時間: 月~金、祝前日: 11:30~15:00 (料理L.O. 14:00 ドリンクL.O. 14:00) 18:00~23:00 (料理L.O. 22:00 ドリンクL.O. 22:00) 土、祝日: 11:30~15:00 (料理L.O. 14:00 ドリンクL.O. 14:00) 17:00~22:30 (料理L.O. 21:30 ドリンクL.O. 21:30)
定休日:日曜
電話: 03-3847-0537
URL: http://www.kyusyokutoban.jp/
※2階の利用は、昼は「スペシャル給食セット」、夜は「給食パーティーメニュー」注文のお客のみ。

東京いい店泣ける店

寺井広樹・とよしま亜紀

【寺井広樹】
泣いて心のデトックスを図る「涙活」を発案。『涙活公式ガイドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)、『泣く技術』(PHP研究所)、絵本『ナミダロイド』(辰巳出版)など著書多数。
【とよしま亜紀】
雑誌・書籍編集兼ライター。現在、師匠である寺井氏の元で“涙のスペシャリスト”として修業中。著書に、あの世とこの世の情けに泣ける『宮城の怖い話』『新潟の怖い話』『静岡の怖い話』(TOブックス)。

イラスト:えんどうまめ
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