旨辛料理を味わいながら、涙する。表参道の「辛すぎて」泣ける店「赤い壺」
寺井広樹の東京いい店泣ける店withおとよ

誓約書に署名しないと食べられないチヂミとは?

 

さて、涙と唐辛子でストレス解消もできましたし、取材終了としましょうか。

 

すると、「いいえ、8辛に挑戦しましょうよ」とおとよ。まだまだ辛いものが食べたいようです。いや、でも、7辛でもこんなにやばいのに、8辛なんて……。

 

しかし、「何を気弱なことを言っているんですか!」と強気のおとよ。

 

そ、そうですね、せっかくだから、8辛も味わってみましょうか。すると、オーナーの大須賀さんが誓約書を持ってきてくれました。「8辛料理はお出しする前に、誓約書を書いてもらっているんです」とのこと。

 

誓約書を読むと、「赤い壺の激辛料理でたとえご自身のご体調を崩したとしても、自分で決めた自己責任であることをここに認めます。そしてこれからも唐辛子を恨まず、かわらずに辛い物が好きであることをお誓いいたします」という文言が書かれているじゃないですか!

 

 

やっぱりやめましょう。けど、おとよが私のことをグッと睨んできます。8辛のチヂミも怖いけど、おとよの方がもっと怖い。た、頼みましょう。

 

誓約書にサインをする奈々

 

誓約書に署名をし、“いかとニラのハバネロチヂミ(税抜2500円)”を注文。見た目は普通ですが、漂ってくる匂いがいかにも辛そうですね…。

 

おそるおそる食べてみる奈々。「けど、さっきの麻婆豆腐のほうが辛いかも」と一言。確かにそうかも。

 

いかとニラのハバネロチヂミ(2500円)

 

 

しかし、しばらくして、奈々から「あっ!」と短い悲鳴が上がりました。

 

こ、これは……、時間差で殺人レベルの辛さが後から追いかけてくるじゃないですか。奈々の目からは辛さのあまり美しい涙が……。

 

時間差で追いかけてくる“恐ろしいくらい”の辛さにもはや涙すら枯れてくる奈々

 

私も涙が止まりません。きゅ、救済セットを……。って、もうチョコがない……。

 

すると、おとよが「ちょっと寺井さん、私たちの分のチョコを食べないでくださいよ」と言いながらチョコを隠す。おとよ、私に厳しくないかい?

 

ところで、おとよは辛くないんですか。「はい、私は平気ですよ」とすまし顔のおとよ。本当ですか? 汗もかいているし、目がうるんでいるんですけど、やせ我慢じゃ……。

 

そこにオーナーの大須賀さんから「おとよさん、実は火曜・木曜激辛デイ限定で9辛・10辛のメニューがあるんですが 、チャレンジしてみますか?」との声がかかりました。

 

えっ、さらに上の辛さの料理があるんですか! それって、いったいどんな……。しかし、すかさず、おとよからは「降参です!」と泣きが入りました。

 

奈々とオーナーさんでパチリ
最後はおとよにクレープを買ってもらって帰る奈々

 

●お店の情報
住所: 東京都港区北青山3-5-9 レイカーズ青山B1(東京メトロ半蔵門線・千代田線・銀座線表参道駅A3出口3~4分)
営業時間: 15:00-24:00 土曜のみ15:00-24:00
定休日: 日曜
電話: 03-3401-7883
URL: http://akaitsubo.tokyo/
※姉妹店「白いつぼ」では、“地獄の鬼辛麻婆豆腐”のランチ版を食べることができます。

東京いい店泣ける店

寺井広樹・とよしま亜紀

【寺井広樹】
泣いて心のデトックスを図る「涙活」を発案。『涙活公式ガイドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)、『泣く技術』(PHP研究所)、絵本『ナミダロイド』(辰巳出版)など著書多数。
【とよしま亜紀】
雑誌・書籍編集兼ライター。現在、師匠である寺井氏の元で“涙のスペシャリスト”として修業中。著書に、あの世とこの世の情けに泣ける『宮城の怖い話』『新潟の怖い話』『静岡の怖い話』(TOブックス)。

イラスト:えんどうまめ
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