食べたくなる“うちの味” どこか懐かしくてほっとする、 浅川家の今日の食卓レシピ
小澤典代『日用美の暮らしづくり、家づくり』

ryomiyagi

2020/05/20

新型コロナウィルスによって、自粛期間が続いています。数ヶ月前まで、こんなことになるとは誰も予測していなかったけれど、根本的な解決策がない現状としては、今後もできる限りステイホームを続けることが、私たちに出来る唯一の方法と言えます。

 

困難に打ち勝つには、リラックスして状況を逆手に取り、在宅中であるからこそ楽しめることを探すのが得策です。

 

そこで今回からは、浅川あやさんが新居で楽しんでいる家時間の過ごし方を紹介してもらいます。先ずは、基本の食べる楽しみ。

 

「両親との同居が始まってからは、基本的には私と母が一緒にゴハンづくりをしています。18歳で実家を出てから約28年ぶり。離れていた時間がとても長かったわけですが、こうして一緒に料理をしていると、母と私の味の好みがよく似ていることに改めて気づきました。幼い頃に覚えた味の記憶というのは大切なんだなぁと思います。今、息子が私たちと一緒に食べている料理の味を、きっと彼の舌はずっと覚えていて、将来も持ち続けるんですよね。そう思うと何だかしみじみします」

 

 

あやさんの好きな料理は、煮ものや白和えなどの渋い和食。昔から日本の家庭で親しまれてきた定番ともいえる料理です。そうした家庭料理は、その家々によって微妙に味付けが異なっていて、お祖母ちゃんからお母さんというように、台所に立つ人のリレーによって受け継がれてきました。それに加え、それぞれの地域によっても、そこでしか味わえない料理があり、故郷の味は、誰にとっても心をあたたかく包む、やさしい記憶です。

 

あやさんは北九州の出身。そこで親しまれてきた料理はどんなものがあるのでしょう。

 

「私はつくらないのですが、母がつくってくれて時々食べたくなるのが “ちゃんぽん“ と郷土料理の “魚のぬか炊き“ です。そして、母がつくらない洋食を私がつくるのですが、ハンバーグだけは父が担当。息子が『おじいちゃんのハンバーグが一番美味しい』と言うので、そうなりました(笑)。また、最近は卵料理だけは息子が担当しています」

 

浅川家のキッチンでは、家族のみんなが専門分野を持っている。なんとも楽しい台所です。味付けにも、それぞれの個性があるのだそうです。

 

「例えば、ひじきを炒めるときに使う油。私はごま油ですが、母はオリーブオイル。何にでも醤油をかけたがる父、ソースをかけたい母。そして父のハンバーグは大量の刻んだトマトを投入し煮込みます。『卵料理にはシナモンを入れないと! 』と、こだわりのある息子。自分ひとりで料理をしていたら気づかなかった味に出会える、それが楽しいですね。好みの違いは、好き嫌いなわけですけど、記憶に残りますよね。それがいいなって思うんです」

 

 

そして敷地内には元々竹が多くあり、この四月は筍三昧だったそう。100本くらい掘ったと言うから驚きです。

 

「家族で掘り出して、筍ご飯にすると5合をぺろりと完食です。たくさん採ったから友人や知人と物々交換もしました。交換したのは、新玉ねぎ、わかめ、かぶ、文旦、キウイ、ハッカの苗、コーヒー、きのこ、EM菌など。ホントにありがたいです。また、この季節はよもぎ団子を拵えるのが息子の楽しみになっています」

 

 

浅川家のレシピをご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

 

1、ちゃんぽん

 

鍋に出汁をとっておく。
別の鍋に油を熱して、
玉ねぎ、人参、えのき、さつま揚げ、かまぼこ、豚肉(こま)、イカや貝や海老などお好きなシーフードを炒めて塩胡椒する。
鰹節を入れて醤油を回しいれる。
そこにとっておいた出汁をいれて煮る。
そこに麺をいれる。
麺が煮えたら、器に麺と具をいれる。(汁はまだ入れない)
鍋の汁の中にキャベツともやしをいれてちょっとだけ煮たら
器の麺と具の上に汁と共に入れて出来上がり。

 

 

普通九州では鶏ガラスープですが、我家はあっさりカツオだしベースです。
九州だと普通にスーパーで「ちゃんぽん麺」が販売されてますが
関東ではなかなかないので、中華麺で作ってます。

 

2、魚のぬか炊き

 

水、酒、醤油、甜菜糖を鍋に入れて沸騰したら
鯖や鰯など好きな青魚を入れる。
そこにぬか(スーパーなどで売っている普通のもの)を入れて煮たら出来上がり。
お好みで唐辛子を一緒に入れるとピリリとして美味しいです。
癖があるけど、ごはんが止まらなくなりますよ。
日々使っているぬか床だとなお美味しいです。

 

3、おじいちゃんのハンバーグ

 

ボールにトマト刻んでスプーンでつぶす。
そこにオリーブオイル、塩胡椒、みりん、ソース、ケチャップをたらりと入れて
馴染ませてトマトソースを作る。。
玉ねぎのみじん切りを炒める。
牛多めの合挽き肉に卵と炒めた玉ねぎを入れてよく混ぜる。
よく混ぜ合わせたら俵型に。
フライパンにオリーブオイルを入れてにんにくと玉ねぎのみじん切りを炒める。
香りがたってきたら俵型のお肉を鍋に入れて焼く。
両面焼けたらそこに作っておいたトマトソースを鍋に入れて煮たら完成。

 

日用美の家作り

文/小澤典代

手仕事まわりの取材・執筆とスタイリングを中心に仕事をする。ものと人の関係を通し、普通の当たり前の日々に喜びを見いだせるような企画を提案。著書に「韓国の美しいもの」「日本のかご」(共に新潮社)、「金継ぎのすすめ」(誠文堂新光社)「手仕事と工芸をめぐる 大人の沖縄」(技術評論社)などがある。
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