令和初の日本一へ ゴジキが巨人目線で語る日本シリーズの展望(前編)
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

いよいよ19日(土)から開幕する日本シリーズ。2000年の「ONシリーズ」依頼の対戦となる読売ジャイアンツと福岡ソフトバンクホークス(当時はダイエー)。
巨人が7年ぶりに日本一に輝くのか?それとも、ソフトバンクが三連覇を果たすのか?
シリーズの展望を、「お股クラスタ」の1人でもある巨人ファンのゴジキ氏(@godziki_55)がまたまた“出張寄稿”してくれました。

 

 

■戦力では12球団随一のソフトバンクが上回る

 

巨人が6年ぶりの日本シリーズで対戦するのは、シーズン2位ながらも、成績や数字以上の強さでCSを勝ち上がり、日本シリーズに3年連続進出を決めたソフトバンクホークスである。
日本シリーズで両者がぶつかるのは2000年の「ONシリーズ」以来だ。その時巨人のヘッドコーチを務めていた原辰徳氏は現在、巨人の監督。ダイエー(当時)で初戦の先発を務めた工藤公康氏は現在、ソフトバンクの監督。そのような因縁もあって、非常に感慨深い。令和最初の日本シリーズに相応しいカードである。

 

 

ソフトバンクは今年のCS、持ち前である、短期決戦のようなここ一番での勝負強さを発揮した。山賊打線を擁する西武ライオンズに対しては1、2戦を「裏ローテ」ながらも総力戦で奪い、3戦目はエースの千賀滉大が悪いながらも無失点に抑える好投。4戦目は要所で効果的に得点し、勝ちパターンの投手陣を繋いで日本シリーズ進出を決めた。

 

今シーズンのセ・パ交流戦では、パリーグ奪三振王に輝いた千賀滉大、12勝をあげた高橋礼、経験豊富なベテランの和田毅が先発しており、日本シリーズでもこの3投手は先発するだろうと予想されている。

 

また、野手陣では昨年まで4年連続でパリーグOPS1位だった大黒柱の柳田悠岐や、短期決戦に強い球界屈指のコンタクトヒッター中村晃、CSファイナルステージでMVPに輝いた今宮健太などの選手が、交流戦では不在だった。彼らが加わってくるので、巨人からしたら交流戦の時よりも厳しい戦いになるだろう。
また、交流戦の巨人戦で打率.667を残し、満塁本塁打を放った福田秀平も要注意選手だ。

 

さらに、クローザーの森唯斗を中心に、今シーズンから台頭を見せた高橋純平やルーキーの甲斐野央はもちろんのこと、嘉弥真新也、モイネロといった救援陣。加えて、シーズン終盤から復活を果たした武田翔太、石川柊太もスタンバイしているという点を鑑みると、投手陣は12球団トップクラスの充実ぶりだ。

 

■丸のセーフティスクイズに見る「原イズム」の浸透

 

戦力はもちろんのこと、ソフトバンクは短期決戦に戦いなれていることもあり、巨人の劣勢は否めない。

 

しかしながら、百戦錬磨である原辰徳氏の監督として培ってきた勝負勘や、選手のモチベーションを高めることも含めた采配の力を見る限り、巨人の勝機も少なからずあるだろう。

 

その原監督が求めている「勝負勘」が、シーズンとCSの重要な場面で見られた。

 

具体的な例を挙げるとするならば、やはりCSファイナル第4戦での、丸佳浩のセーフティスクイズだ。

 

昨季まで2年連続セリーグMVPに選ばれ、広島時代を含め4年連続でチームをリーグ制覇に導いた球界屈指の打者が、この場面でセーフティスクイズを試みた。大半の方が度肝を抜かれたのではないだろうか。

 

 

劣勢の場面で主軸が意表を突いた「奇策」を決めたことによって、試合の流れは一気に巨人へと傾いた。このようにチームへ浸透している「原イズム」が、どっしりした「横綱野球」のソフトバンクにどう繰り出されていくかは見ものだ。

 

また、丸は今シーズンのソフトバンク戦で打率.462(13-6)に加えて千賀から放った1本塁打と、巨人の野手陣で最も奮起していた。昨年の日本シリーズでは不調だったので、その屈辱を晴らせるかも注目である。

 

■ゲレーロ×増田のような「大技小技の融合」

 

他に攻撃面で言えば、随所に見られた「大技小技の融合」もポイントになるだろう。

 

象徴的なシーンが、CS4戦目の7回の攻撃だ。

 

大城卓三が四球を選び、代走に増田大輝を投入した後の、ゲレーロのダメ押しとなる本塁打。これは、シリーズを含めて今後大きな武器になるであろう攻撃パターンだった。

 

試合終盤に、圧倒的な走力を武器とする増田が塁上にいることによって、相手バッテリーは当然打者だけではなく走者への意識が強くなり、長打や痛い一打を浴びる確率が高くなる。

 

CSファイナルステージ開幕前にこちらの記事で「『原イズム』を彷彿とさせるスーパーサブ、増田大輝」「接戦をモノにするには外国人を含めた長打力が必要」と書いた通りだ。

 

巨人はかつての原第二政権時代、鈴木尚広という代走のスペシャリストを擁して接戦の試合をモノにしていた。増田が、昨年の日本シリーズMVPでスローイングには非常に定評のある甲斐拓也を含めたソフトバンクバッテリーへ、どれだけプレッシャーをかけられるかも肝である。

 

プレッシャーをかけることで、強力な阪神リリーフ陣を打ち崩したように攻略することは可能かもしれない。

 

特に、今年のCSでは接戦の終盤に本塁打が生まれてそのまま試合終了という展開もよく見られたので、「プレッシャーをかけられる走者」と「一発や長打を打てる打者」を伴奏していくような「大技小技の融合」の攻撃パターンも見ものだ。

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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セイバーメトリクスの落とし穴マネー・ボールを超える野球論

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