ゴジキが考える東京五輪「侍ジャパン」のベストメンバー
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

56年ぶりに開催される東京五輪。2008年の北京五輪以来、12年ぶりに野球が競技として復活します。
金メダルを目指す「侍ジャパン」は、シーズンとの兼ね合いがある中、どのようなメンバ―を選出するべきか? お股クラスタの一人、ゴジキ氏(@godziki_55)に考察してもらいました。

 

 

・最大11日間で9試合の超過密日程を勝ち抜くために

 

過去の国際大会を見る限り、球団によっては代表招集に難色を示すのはつきものだ。
しかも、五輪に関してはWBCやプレミア12 とは異なる部分がある。それは、「24人」という少ない枠の中でのメンバー選出であるという点だ。

 

東京五輪の金メダルまでの道のりは11日間で最少5試合。だが、敗者復活戦を含む「ノックアウトステージ」が最大7試合あるため、決勝まで11日間で9試合を行う可能性も存在する。

 

過去にオールプロで参加したアテネ五輪は投手11人野手13人、北京五輪は投手10人野手14人で臨んでいる。
以上を踏まえて、2019年シーズンを見たうえでの個人的なベストメンバーや、起用法を含めた構想を書いていきたいと思う。

 

・ゴジキの考える投手陣と起用法

 

まずは投手選考だが、大会期間や過密日程を考慮した上で、11人選ぶ方向で考えてみた。

 

・千賀滉大(ソフトバンク)
昨シーズンの活躍はもちろんだが、過去に参加したWBCで非常に高いパフォーマンスを残している。歴代屈指の高い奪三振率を誇る。

 

・今永昇太(DeNA)
プレミア12の安定した投球はもちろんのこと、現在NPBでは屈指の左腕である。特に、参加した国際大会では非常に高いパフォーマンスを残している。

 

・有原航平(日本ハム)
スラット+チェンジアップ、スプリットを擁する投球で昨年はキャリアハイでパリーグ最多勝に輝いた。カットボールやツーシームなどもあり、非常に総合力が高い投手である。

 

・菅野智之(巨人)
復活の期待を込めた意味合いもある。2017、2018年の投球は非常に素晴らしいものがあり、あのクオリティの投球ができれば文句なしで日本のエースになれるだろう。

 

・山本由伸(オリックス)
シーズンでは先発で最優秀防御率に輝き、プレミア12では中継ぎ序盤こそは高いパフォーマンスを残せていなかったが、大会終盤は適応し優勝に貢献。

 

・高橋礼(ソフトバンク)
昨シーズンのパリーグ新人王。先発と第二先発を熟せるアンダーハンドの投手であるため、かつての渡辺俊介や牧田和久のような役割が求められる。

 

・甲斐野央(ソフトバンク)
昨シーズンはルーキーながらもプレミア12に参加し、フル回転の活躍を見せて優勝に大きく貢献した。

 

・森原康平(楽天)
昨シーズンセットアッパーに定着し、キャリアハイの活躍を見せた。国際大会でぜひ見てみたい投手である。

 

・松井裕樹(楽天)
昨シーズンは初のタイトルとなる最多セーブを獲得した。国際大会の経験や実績は申し分がなく、高い奪三振率を残している投手である。

 

・森唯斗(ソフトバンク)
2年連続日本一に輝いたソフトバンクの守護神である。「スラット+スプリット型」でクローザーに相応しい支配的な投球ができる投手である。

 

・山崎康晃(DeNA)
プレミア12の優勝投手。怪我などの長期離脱がなく、計算しやすい投手である。

 

千賀、今永、有原、菅野を先発で起用し、山本由伸、高橋礼を第二先発で起用していく構想だ。中継ぎは森原、松井裕樹、甲斐野を起用し、森唯斗か山崎を抑えにする方向性が望ましい。
また、松井裕樹が20年シーズンから先発転向することや隔年傾向があること、辞退のリスクなども考慮した上でその他の投手を候補に挙げるならば、プレミア12でフル回転の活躍をした田口麗斗(巨人)や大竹寛(巨人)、嘉弥真新也(ソフトバンク)はもちろんのこと、昨シーズン活躍を見せた高橋純平(ソフトバンク)や岩崎優(阪神)といったあたりも考えられる。シーズン序盤のプレーを見た上で、招集の選択肢に加えてもいいと思える。

 

起用法の鍵は、ポストシーズンのように調子が良い投手をつぎ込める継投ができるかどうかだろう。
例えば北京五輪では、韓国、キューバ、アメリカといった上位国と対戦した際に、その継投が裏目に出てしまい、メダルを獲得できなかった。逆にプレミア12の決勝では、不調の山口俊が1イニングでマウンドを降りたものの2番手以降の投手は回跨ぎなどしながら継投して逆転勝利した。
とはいえ、東京五輪では、シーズン中に招集されるため選手や球団への配慮もしながら、連投や回跨ぎを含めた継投を考えていかなければならないのが難しい課題である。

 

・ゴジキの考える野手陣と起用法

 

次に野手陣だが、13人を選出。捕手は3人体制で選んだ。

 

・森友哉(西武)
昨年のパリーグMVP、首位打者。捕手としてのみならず球界で見てもトップクラスの打撃センスを持つ。

 

・甲斐拓也(ソフトバンク)
ソフトバンク投手陣をまとめる女房役。プレミア12同様にソフトバンクの投手陣やパリーグの投手をまとめていくことを期待される。

 

・小林誠司(巨人)
肩の強さばかり注目されがちだが、フレーミングなど捕手として必要な守備力は球界の中でもトップクラスの選手である。

 

・山川穂高(西武)
2年連続パリーグ本塁打王である。会場が主に(ホームランの出やすい)横浜スタジアムということもあり、昨シーズンの終盤のように下位打線で一発を狙ったり、ときには軽打をして打点を生み出す役割の選手。

 

・山田哲人(ヤクルト)
シーズンでは30本30盗塁を達成。プレミア12の大会序盤は苦しんだが、韓国戦で決勝3ランを放ち優勝に貢献。

 

・浅村栄斗(楽天)
二塁手以外にも一塁手も守れて、プレミア12ではクラッチヒッターとして高いパフォーマンスを見せた選手。

 

・松田宣浩(ソフトバンク)
好不調は激しいが国際大会の経験は申し分なく、精神的支柱としてチームを引っ張ってほしい選手である。

 

・坂本勇人(巨人)
昨シーズンキャリア初の40本塁打を放ちセリーグMVPに輝いた、文句なしの歴代屈指の遊撃手。(ゴジキによる坂本選手の詳しい解説はコチラ

 

・茂木栄五郎(楽天)
三塁手、遊撃手を無難に熟せるプレイヤーであり、打力も例年は水準以上なため、個人的に強化試合などで試してほしい選手である。

 

・中村晃(ソフトバンク)
初見の投手でも難なく芯に当て、両翼とファーストの守備も水準以上に守れる。シーズンの成績以上に国際大会向きと見ている選手だ。

 

・柳田悠岐(ソフトバンク)
昨シーズンこそ怪我で長期離脱をしていたものの、2015年~2018年に獲得した数々の打撃タイトルはもちろんのこと、パリーグでOPS1位になるなど実力は申し分のない選手である。

 

・鈴木誠也(広島)
プレミア12では日本の4番として文句なしのMVPに輝いた。現在のNPBの選手では最もメジャーで活躍できそうな選手だろう。東京五輪でも日本の4番として活躍が期待される選手である。

 

・周東佑京(ソフトバンク)
球界屈指の走塁センスでソフトバンクを日本一、プレミア12では日本を優勝に導いた。オーストラリア戦のような活躍が期待される。

 

その他の野手なら、捕手としての能力のバランスがある梅野隆太郎(阪神)や、プレミア12では不在だったが国際大会で頼れて重要な局面で打点を生み出す力がある中田翔(日本ハム)、2017年のWBCや昨年のプレミア12といった国際大会で活躍を見せた菊池涼介(広島)がいる。
また、プレミア12で坂本が欠場したオーストラリア戦で活躍を見せた源田壮太(西武)、内外野守れるユーティリティ性がありパンチ力もある外崎修汰(西武)や五輪開催期間である夏場に強い岡本和真(巨人)もいる。

 

さらに、柳田が怪我明けであったり中村晃がなかなか復調せず、五輪の出場が難しい場合の外野手には、プレミア12では不発だったものの、2018年からリーグトップクラスの成績を残している吉田正尚(オリックス)や、精神的支柱で国際大会の経験も豊富である青木宣親(ヤクルト)であったり、昨年は走塁面で不調だったものの例年は周東のように球界トップクラスの走塁センスがある西川遥輝(日本ハム)、昨シーズン内野から外野にコンバートされながらもレギュラーとして台頭した西川龍馬(広島)、シーズンでは安定した成績を残し、プレミア12で緊急招集された丸佳浩(巨人)といった選手も候補選手である。

 

これまでの国際大会を通して見てみると、高校野球で近年安定して甲子園で上位にまで勝ち進む力がある大阪桐蔭出身の選手は、高校時代から短期決戦の戦い方や勝ち方に慣れている印象が非常に強く、選手個人も難なく国際大会や短期決戦で活躍している場面は多い。

 

大阪桐蔭出身選手の国際大会成績
・浅村栄斗
プレミア12(2019) 打率.360 0本 6打点 OPS.928

 

・中田翔
プレミア12(2015) 打率.429 3本 15打点 OPS1.349
WBC(2017) 打率.238 3本 8打点 OPS1.074

 

・森友哉
U18(2012) 打率.323 1本 2打点 OPS.995
U18(2013) 打率.406 1本 15打点 OPS1.120
日米野球(2018) 打率.385 0本 1打点 OPS.770

 

例えば、中田は2015年のプレミア12では文句なしの活躍をして、2017年のWBCでも成績以上に良い場面で打点を叩き出して日本のベスト4進出に貢献した。森友哉はU18の大会の活躍はもちろんのこと、プロ入り後は国際大会ではないが2018年の日米野球に参加して活躍した。浅村も昨年のプレミア12では、鈴木誠也に次ぐ成績を残して優勝に導いている。

 

・ゴジキの考えるスターティングメンバ―

 

そして、現状の打順としては以下の打順がベストではないだろうか。

 

4山田哲人
6坂本勇人
8柳田悠岐
9鈴木誠也
D浅村栄斗
2森友哉
3山川穂高
5松田宣浩
7中村晃

 

プレミア12の終盤と同じ1、2番で固定し、3、4番は現在の国内日本人野手で実力がNo.1,No.2と言っても過言ではない柳田と鈴木の2選手を並べた。
さらに5番はプレミア12で高い打点を生み出す力を発揮した浅村を置き、6番には確実性も兼ね備えている森友哉を並べた。7番に、五輪の会場が横浜スタジアムという点を考慮した上で、荒削りながら一発のある山川穂高を入れた(ここは国際大会で頼りになる中田翔もありだろう)。
8、9番には精神的支柱の松田と、初見のボールに対してもコンタクト力がある中村晃を置く打順にした。
また、サブメンバーには、甲斐と小林のセパの捕手に、遊撃手と三塁手を守れる茂木を置く。さらに、プレミア12同様に周東を終盤までベンチに置いて相手にプレッシャーを与えていきたいところだ。

 

以上が個人的な東京五輪で見てみたい選手だが、やはりどの選手もそれぞれ色があり、いい部分がある。「24人」という枠ではとても少なさすぎるがゆえに、稲葉監督は最後の最後まで悩むだろう。
大会を通して不甲斐ない結果となった北京五輪を振り返ると、ポイントはやはり、「シーズン中に調子がいい選手」を呼べることや「チームのバランス」を取ることだろう。

 

例えば、2008年に沢村賞に輝いた岩隈久志やセリーグ首位打者に輝いた内川誠一は、北京五輪には選ばれなかったが2009年のWBCでは活躍して優勝に貢献した。
昨年のプレミア12の活躍度合いを優先的に考えるのは重要であるが、今シーズン序盤の成績とコンディションやチームのバランスといった部分を考慮した上で「史上最強の日本代表」を作り、金メダルを獲得してほしい。

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