2010年代を代表する選手・阿部慎之助のキャリアを振り返る
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

ryomiyagi

2020/06/08

新型コロナウイルスの影響で、開幕の見通しが立たないプロ野球でしたが、ついに6月19日に開幕が決定!
お股クラスタの一人、ゴジキ氏(@godziki_55)による巨人軍プレイバック企画、今回は阿部慎之助選手のキャリアを振り返ってもらいました。

 

 

攻守において全盛期を迎えた2010年前半

 

阿部慎之助がキャリアの全盛期を迎えていた時期は、2009年〜2013年だっただろう。

 

2010年代で見ると、2010年は10年連続二桁本塁打や、野村克也や田淵幸一に続く歴代捕手では3人目となるシーズン40本塁打(44本)を達成した。シーズンを通して、打率.281 44本 92打点 OPS.976の成績を残し、チームメイトであるアレックス・ラミレスや阪神のクレイグ・ブラゼルと本塁打王争いを繰り広げた。個人的に印象深い場面は、広島戦の40号となる本塁打を放ったシーンである。また、守備面では守備率.999、盗塁阻止率.371の成績を残し、セリーグ1位を記録した。

 

阿部の40号ホームラン

 

 

2011年は、練習試合でふくらはぎの怪我をしたため出遅れ、規定打席に僅かながら到達しなかったものの、リーグ4位の20本塁打を記録し、統一球に対応したシーズンであった。

 

2012年は、キャリアハイを記録したシーズンであった。月間MVPは6月、8月〜9月の3度獲得。打率は捕手としてシーズン歴代最高(.3404)を記録して、文句なしの首位打者に。打点もキャリア最高となる104打点を記録し、打点王を獲得して二冠を達成した。

 

リード面でも投手陣を支えて、チーム防御率2.16を記録した。原辰徳監督の「(阿部)慎之助のチーム」のコメント通り攻守に渡り大きく貢献し、交流戦優勝をはじめ、リーグ優勝と日本一、クライマックスシリーズ制覇、アジアシリーズ制覇の5冠に導いた。

 

2013年は、シーズン前に第3回WBCの日本代表として、主将・4番・正捕手の三役を兼任した大会であった。オランダ戦の2本塁打を含む、チーム最多タイの7打点の活躍で準決勝進出に大きく貢献した。

 

シーズンでは、2010年以来の30本塁打以上を記録するなど、本塁打と打点はリーグ3位の成績を記録し、2連覇に貢献した。守備面でも、守備率.999を記録し、ゴールデングラブ賞を獲得した。

 

しかし、疲労の影響でシーズン終盤に帯状疱疹を患うなどでポストシーズンは調子を落とした。

 

2010年前半は、毎年リーグトップクラスの打撃成績を残しつつ、リード面で巨人の投手陣や日本代表の投手陣を引っ張っていった。これまでは守備の負担を考慮した上で、主に下位打線に座っていたが、2010年からはクリーンアップを担い、打撃タイトルも獲得するなど攻守に渡り、リーグ連覇や日本一に貢献した。

 

捕手から一塁手へコンバートのキャリア晩年

 

2014年は、前年のポストシーズンから見えていた衰えの兆候がそのまま結果に反映された。シーズン途中からは一塁手を守る機会も増えた。また、首の故障にも悩まされた。シーズンを通して、なかなか調子が上がらないながらも、捕手として5人目の通算1000打点を達成した。

 

2015年からは正式に、捕手から一塁手へとコンバートした。チーム内の事情で捕手に戻った時期もあったが、ファウルチップで首の痛みが悪化して登録抹消した。シーズン通しても、打率.242 15本 47打点 OPS.784の成績で、前のシーズンよりもさらに成績を落として不完全燃焼に終わった。

 

2016年はオープン戦で肩に違和感を覚えて登録抹消され、開幕は二軍スタートだった。一軍昇格後は、調子を上げていき、規定打席には届かなかったものの、自己最長連続安打となる23試合連続安打を含む打率.310 12本塁打 52打点 OPS.850の成績を残し、打撃面で復活の兆しを見せた。

 

2017年は開幕から好調なスタートを切った。また、史上49人目の2000本安打を達成した。8月は調子を上げたものの、9月以降は調子を下げた結果となった。内野手登録となってから初めて規定打席に到達し、打率は.262 15本 76打点 OPS.718を記録した。

 

2018年は、キャンプ〜オープン戦を通して、岡本和真とレギュラー争いをしたが、岡本が好成績を残したことによって、レギュラーを譲る形となった。スタメン機会が減ったものの、随所で活躍を見せて、18年連続二桁本塁打を記録した。

 

現役最終年の2019年のシーズンは、開幕から代打の切り札として、また、休み休みで5番として活躍した。6月1日の中日戦では史上19人目となる400本塁打を達成した。これは歴代捕手では野村克也、田淵幸一以来、史上3人目の快挙であった。さらに、捕手で通算1000試合出場、通算2000本安打を達成しての通算400本塁打は野村に次いで2人目だった。

 

打撃成績は、打率.297 7本 27打点 OPS.892を記録し、リーグ優勝に貢献。引退試合では自ら花を添える本塁打を放った。

 

通算400本塁打

 

 

キャリアを通して巨人の歴代最高捕手になった阿部慎之助

 

阿部はキャリアを通して巨人における歴代最高捕手である。さらに、日本プロ野球史上においても、2010年代のプロ野球界で最高の捕手だったのは間違いない。特に、2010年〜2013年は40本塁打や主要タイトル獲得、代表の4番など八面六臂の活躍をみせた。捕手というポジションも関係ない、圧倒的な打力があったからだろう。

 

若手の頃は、打撃型捕手のイメージが強すぎるがために守備面で酷評される機会が多かったが、原辰徳第二次政権に入ってからはリードやフレーミングなどの守備面においても成熟し、正捕手として6度のリーグ優勝に貢献した。

 

阿部の影響力は非常に大きく、巨人において彼以降の捕手は小林誠司を含めて求められるハードルが高くなりすぎ、苦労する部分は多々あると思われる。それも踏まえて、昨シーズンの小林、大城卓三、炭谷銀次朗の捕手3人体制の運用方法の改善や選手個人の実力向上によってカバーしていくことが重要になっていくだろう。

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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セイバーメトリクスの落とし穴マネー・ボールを超える野球論

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