夏の思い出が涼やかによみがえる「そうめん」【親ごはん第6回】
枝元なほみの親ごはん

暑い暑い夏になりましたね。クーラーをつけて寝てください、寝る前には水を飲んでください、命を守る行動をとってください、なんて毎日のように言われる暑さ!なんだかびっくりです。
高齢になると暑さを感じにくくなるとのこと、熱中症で亡くなる方のニュースを聞くにつけ胸が痛みます。そう、親世代の夏とは暑さの度合いが違ってきちゃったんですね。

 

「クーラーがあるお家なんてなかったもの、夜は網戸で十分だった。そういえば子供の頃は蚊帳を吊って、その中に蛍を放したりもしたよ。」と母。
スイカを丸ごと井戸で冷やしたり、もぎたてのキュウリやトマトをそのままかじったりした話を懐かしそうに話してた、そんなほんわかした夏の暮らしがいつの間にやらクーラーに守られるしかない凶暴な暑さに変わっちゃったなんて、切ない話です。
今は子供たちにもそうですけれど、気づかぬうちに体の方が先に参ってしまわないように気をつけなくてはいけないんですね。
せめて涼しげな氷の音をさせて冷やしたそうめんでも食べてもらいたくなりました。薬味をたくさん用意しただけで母が、「お父さん、こんなに薬味がたくさんあるとなんだか美味しくなるわねえ。」と喜んでくれたことを覚えています。母はもう、ねぎを切るくらいしかしたくなくなっちゃったんですね。

 

私自身が入院していたときにいただいたそうめんも忘れがたいものでした。同室のおばあちゃまにお家の方が差し入れなさって、そのおすそ分けを頂きました。病院のご飯に飽き飽きしていた頃に、冷やしたつゆに小分けにしたそうめんをつけて食べた、そのそうめんの美味しかったこと!病気も吹っ飛ぶ美味しさでした。その記憶のせいか、今でも、飛行機の機内食についてくる一口分に固まったお蕎麦ですら大好き。少ししょっぱいそばつゆも飲み干してしまいます。
簡単な夏のお昼ご飯の代表みたいなおそうめんですけど、少し気を入れて流水ですすいだ後に、さらに氷水の中でもみ洗いして麺をしっかり絞めたり、薬味をいろいろ用意するだけで、ずいぶんごちそうに変わります。夏の思い出が涼やかに蘇ってくれたらいいのになあ、って思いながらするするっと、
「いただきまーす」

 

「めんつゆ」

■材料

昆布       10cm

かつおぶし    大きくひとつかみ(約8g)

<A>

しょうゆ、みりん 各大さじ1

塩        小さじ1/2

 

【1】 鍋に水300mlと昆布を入れる。弱火でゆっくり温め、昆布からふっくら気泡が出てきたらかつおぶしとAを加える。ひと煮立ちしたらざるでこす。

 

【2】 1にAを加えて混ぜる。

 

「薬味たっぷりそうめん」

■材料(2人分)

そうめん      2~3束

<薬味>

万能ねぎ      2~3本

みょうが      1個

青じそ       4枚

しょうが(すりおろし)小1片分

白すりごま

梅干し

わさび

めんつゆ      各適量

 

【1】 氷水を用意しておく。万能ねぎは小口切りにずる。みょうがは輪切りにし、青じそは縦半分に切ってから細切りにし、ともに水に放しておく。梅干しは種を取り除いてたたく。

 

【2】 大きな鍋に湯を沸かし、そうめんを袋の表示どおりにゆでる。

 

【3】 2をざるにあげて流水で冷まし、氷水に入れてすすぐようにもみ洗いする。ぬめりを取ってしっかりとめんを絞める。

 

【4】 ひとつかみずつ丸めて、皿に盛る。薬味を添えて、めんつゆをつけながらいただく。

 

枝元なほみの親ごはん

料理家 枝元なほみ

撮影/キッチンミノル
取材・文/高田真莉絵
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