フライパンで作れて楽うま!旬のきのこレシピ【親ごはん第9回】
枝元なほみの親ごはん

母は小学校の教員でした。もうずいぶん昔のこと。小学生だった頃の私と弟は、近所の祖母の家で母が仕事から帰ってくるのを待ち、祖母の家で、または母と3人で家に帰ってから夕食をとっていました。サラリーマンだった父は当時、金沢に単身赴任をしていたので、母は働きながら私と弟との暮らしをなんとかまわしていたんだと思います。

 

祖母の炊くごはんはべちゃっとして柔らかく、苦手でした。おかずもどうもおばあちゃんくさい、キュウリの酢の物とか炒り卵とか魚とか。どうもジミジミで華がない。だから母と帰って、母が作ってくれるごはんのほうがずっと嬉しかったような記憶がある。と言っても、ぴよぴよ鳴くひよこみたいに「お腹がすいた」を繰り返す私たちの口に大急ぎで何かを与えなくちゃ、みたいなごはんだったに違いなく、冷やし中華にはチャーシューやハムじゃなくて魚肉ソーセージが載っていたり、マルシンハンバーグとか丸美屋の素で作った麻婆豆腐とかも度々登場。私はカレーが嫌いだったのに弟は大好きで、いつも鍋底に残ったカレーにまでごはんを混ぜて食べていたなあ、とか。ろくなことを思い出せなくて申し訳ない、お母さん。

 

でも、日々のご飯なんてそんなものかもしれないなあ。

 

きっと面倒くさい揚げ物なんてしなかったにちがいない、と思いつつ、いやまてよ、残った天ぷらをつゆで甘辛く煮たおかずが大好きだった、と思い出したり。あれは、母が揚げすぎて残った天ぷらだったのか、惣菜売り場で買ってきた天ぷらだったのか。

 

家庭料理を考える仕事の私が、頭の中で<作ってくれる人>として思い描くのはだから、大急ぎで料理をする人の後ろ姿なのも、その母の影響に違いない。

 

今回の差し入れ用、親ごはんは、いつもお買い得値段のえのきのかき揚げ。そして最近はまっている贅沢品の、立派なしいたけの焼きっぱなし。かき揚げはフライパンでチャチャっと作るようになって、ずいぶん楽になりました。

 

 

「えのきのかき揚げ」

■材料(2人分)

えのき        1パック(150g)

しいたけの軸     4~6枚分

桜えび        大さじ3

薄力粉        大さじ5~7

片栗粉        大さじ1

ビール(または炭酸水) 1/2カップ

揚げ油        適量

塩          少々

大根おろし、天つゆ  各適量

 

【1】えのきは石突きを切り落として長さ半分に切り、手でほぐす。しいたけの軸は細かくさく。

 

【2】ボウルに1、桜えび、薄力粉大さじ5、片栗粉を加えて混ぜる。粉がまんべんなく混ざったらビールを注いで残りの薄力粉を加えて混ぜる。

 

 

【3】フライパンに揚げ油を2cm高さまで注いて中温(170℃)に熱し、2を8~10等分にして入れる。フチが白くかたまってきたら裏返し、さらに2~3分揚げる。油を切って塩をふり、大根おろしや天つゆをいただく。

 

 

「しいたけの焼きっぱなし」

■材料

しいたけ       4~6枚

青じそ        4~6枚

オリーブ油      少々

塩          少々

バター        15g

酒          大さじ2

しょうゆ       大さじ1

大根おろし、天つゆ  各適量

 

【1】しいたけは軸を切る(軸はとっておき、えのきのかき揚げに使う)。かさに格子状の切り込みを入れる。

 

【2】フライパンにオリーブ油を中火で熱し、かさを下にして焼く。かさの裏に水滴が出てきたら塩をふって裏返し、さらに1~2分焼く。

 

【3】バターを加えて全体にからめる。酒、しょうゆを加えてじゅわとさせたら取り出し、青じそと一緒に盛る。大根おろし、天つゆといただく。

 

 

この記事を書いた人

枝元なほみの親ごはん

料理家 枝元なほみ

撮影/キッチンミノル
取材・文/高田真莉絵
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