“液体になるほど危険” “食物繊維と一緒に摂るべし“意外と知らない糖質の真実
友利 新『女医が教える食の処方箋』

みなさん、こんにちは。今日はみなさんも聞き馴染みのある「糖質」についての処方箋をお出ししていこうと思います。

 

 

◯糖質は正しく、適量を摂ることがベスト

 

近年、糖質制限の食事法や糖質オフダイエットなどが流行しましたね。まずはこのからくりについて、糖質のメカニズムとともにおさらいしておきましょう。

 

食べ物を通して体に入った糖質はブドウ糖となり、血管内に吸収されます。このとき、ブドウ糖が血液中に増えたことで血糖値が上昇。すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンによって細胞内に取り込まれたブドウ糖が体を動かすエネルギー源となり、余ったブドウ糖は脂肪として体に蓄えられます。

 

よく聞く糖質オフダイエットは「脂肪を蓄えるインスリンの分泌を減らすために糖質を制限する」というもの。しかし、上述の通り、糖質は体のエネルギー源となるため、まったく摂らないことはおすすめできません。私は、糖質ゼロ派ではなく、糖質は“なくてはならないもの”だと思っています。正しい量と選び方で適度に摂取することが大切です。

 

◯甘いジュースでは空腹をごまかせない

 

さて、突然ですが、「小腹が空いたな…」というとき、みなさんはどうしますか? お菓子やおにぎりを食べるのは気が引けるからと、フルーツジュースや野菜ジュースをコンビニで買って飲み、空腹を満たそうとすることが多いかもしれませんね。しかし、一見ヘルシーそうに見えるパッケージの裏面にある成分表をよく見てみてください。甘いジュース類には、ブドウ糖やブドウ糖果糖がたっぷりと含まれているはずです。

 

ブドウ糖やブドウ糖果糖は急激に血糖値を上げるため、空腹時に摂取すると血糖が下がるときの振り幅が大きくなります。血糖値が下がるとさらに空腹を感じるため、30分も経たないうちにお腹はもっと空いてしまう残念な事態に…。急激に血糖値が上がることで一旦は元気になったように感じますが、これでは悪循環そのもの。そもそも無駄なカロリーを摂取することは、膵臓にも負担になってしまいます。だから、私は味のついた甘いジュースは飲みませんし、子どもたちにも与えません。ジュースを飲むのであれば、100%果汁のものに限ります。

 

また、糖質は液体で摂るほど血糖値が上がりやすいともいわれています。例えば、同じカロリーでも、こしあんとつぶあんだったら、つぶあんのほうが血糖値が上がりにくいということになります。先ほど例に挙げた液体のうえに果糖がたっぷりのジュースなんて、恐ろしいことになりますね。

 

◯糖質は食物繊維とセットで食べる

 

しかし、だからといって調味料でみりんやお砂糖を絶対に使わないというわけではありません。糖質の吸収をおだやかにする食物繊維と一緒に食べることをおすすめしています。

 

例えば、かぼちゃの煮付けを作るときは皮付きのかぼちゃにしたり、甘めのみりんで味付けにするときは野菜炒めにしたり…。そうそう、我が家ではよく炊き込みご飯を作りますね。糖質の代表格であるご飯へ、にんじんやこんにゃくなど食物繊維を含む食材を一緒に入れて火薬ご飯のようにします。ほかにも豆やたけのこと一緒に炊き込むなど工夫をすることで子どもたちも食べやすくなり、糖質と一緒に食物繊維を摂取することができます。

 

◯たっぷり野菜のお味噌汁で“セカンドミール効果”を活用する

 

もうひとつおすすめしたいのは、お野菜たっぷりのお味噌汁を朝にいだたくこと。我が家では毎朝必ずお野菜がたっぷり入ったお味噌汁を作っています。

 

ポイントは、このお味噌汁を“朝に飲む”ということ。トロント大学の研究で、「セカンドミール効果」というデータが報告されています。これは、「前の食事(朝食)で食物繊維を摂ると、次の食事(昼食)で血糖値が上がりにくくなる」というもの。お昼はどうしても炭水化物を食べがちなので、朝こそしっかり食物繊維を食べておく。朝、この一杯を飲むだけで、セカンドミール効果をフル活用できるのです。

 

お味噌汁に入れるのは、冷凍ストックしておいたお野菜でもいいですし、冷蔵庫にあるクズ野菜なんかをどっさり入れてもOK。冷凍しても、火を通しても食物繊維はほとんど崩れません。「朝はあまり食べられなくて…」という方は、きのこ汁やなめこのお味噌汁などをさらっといただくのもひとつの手です。

 

◯1日の食物繊維の摂取目安量は?

 

厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、1日あたりの食物繊維目標量は、18~69歳で男性20g以上、女性18g以上とされています。詳しくは下記の表を参考にしてください。

 

 

同省によると1950年頃の日本人の1日の平均食物繊維の摂取量は一人当たり一日20gを超えていたようですが、最近の報告によると平均摂取量は1日あたり14g前後と低下していると推定されています。

 

このことから目安量をクリアすることはなかなかむずかしいことだとおわかりいただけるでしょう。ただ、確実に言えるのは三食絶対に食べたほうがいいのが野菜だということ。毎日の食事に野菜などの食物繊維を意識的に取り入れていくことが必要不可欠なのです。

 

◯注意したい野菜の摂り方

 

しかし、野菜の摂り方にも注意が必要です。まず、大前提として私はコールスローやポテトサラダのことをサラダとは思っていません。芋類は糖質が多め、そしてコールスローはマヨネーズがたっぷりです。炭水化物がメインとなってしまう肉じゃがもあまり家庭で作りませんね。

 

たまにメインディッシュの付け合わせでマッシュポテトなどが添えられているのを見かけますが、付け合わせにするのなら生野菜のサラダにすればいいのに…と正直思ってしまいます。「ポテトは主食ですよ」と声を大にして言いたいです。

 

にんじんは甘いグラッセにはしません。苦手なお子さんが多いも多いかと思いますが、お酢で漬けて少し甘めのピクルスにしたり、キャロットラペにしてツナと和えたりすると、子どもたちも好んで食べてくれるのでおすすめですよ。作り置きしておけば食卓の彩りとしても活躍します。

 

これらはほんの一例ですが、糖質の過剰な摂取に気を付けつつ効率的に食物繊維を摂るために、工夫をしながら毎日の食事に野菜を取り入れていただきたいものです。

女医が教える食の処方箋

友利 新(ともり あらた)

医師(内科・皮膚科) 琉球大学医学部 非常勤講師。沖縄県宮古島出身。 東京女子医科大学卒業。 同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務の傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開中。 また、2014 年の出産を機に、安心安全なベビースキンケア商品を欲し、「ベビー予防スキンケア」というコンセプトで自ら研究開発、商品化。そして起業し、医師、母、社長、と多忙な毎日を送っている。 2018年8月には、原材料の油にこだわり、化学調味料、酸味料、着色料、香料全て不使用のカレー「くせになるこだわりの スパイス&オイルカレー」 を開発。2019年4月には、化学調味料、香料、増粘剤不使用でオレイン酸とαーリノレン酸の含有率にこだわった「くせになるこだわりのオイルドレッシング」を開発。2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。三児の母。美と健康に関する著書も多数。
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