「グルテンフリーで綺麗になる」は間違っている!? 流行に潜む誤解と罠
友利 新『女医が教える食の処方箋』

bw_manami

2019/08/14

みなさん、こんにちは。本日は、グルテンフリーについてのお話をさせていただきたいと思います。

 

 

◯健康体にはグルテンフリーはおすすめできない

 

グルテンフリーとは、小麦などに含まれている「グルテン」を摂らない食生活のこと。小麦のほかにも、大麦やライ麦にもグルテンは含まれており、粘り気や弾力があるためパンやパスタのもっちりとした食感をつくる元となっている成分です。グルテンが含まれている身の回りの食品を挙げてみると、ラーメンやピザ、うどんや天ぷらの衣などその種類は多岐に渡ります。

 

聞くところによると、グルテンフリーにしてみたら「体や腸の調子がよくなった」「痩せられた」など、さまざまなご意見があるようですね。しかし、今日ははっきり申し上げましょう。私はグルテンフリーをおすすめしていません。

 

ただ、これはある病気を持っている方をのぞいてのお話。セリアック病と呼ばれるグルテンに対するアレルギーを持っている方がいらっしゃるのはたしかなので、そういう方にとってグルテンフリーの食生活は必要です。でも、そうではない健康な方が無理に「グルテンを摂取しない」という選択肢を取る必要はないと思っています。

 

◯「グルテンフリー=腸内環境改善」は全員には当てはまらない

 

「グルテンフリーを取り入れたら腸内環境が改善された」などの声も聞こえますが、健康体の人が実践したとしても、そういった効果は得られません。

 

たしかにセリアック病を持っている方がグルテンの入った食品を食べると、腸にアレルギー反応が出て悪影響が心配されますが、そういった病を患っていない方々にとっては必要のないこと。

 

よく考えてみてください。ピーナッツアレルギーではないのに、ピーナッツを絶対に食べない、というのはおかしな話ですよね。これと同じで、病気ではなく健康体の人間がグルテンフリーの食生活を突然始め、急に小麦などを食生活から完全除去するのははっきり言ってナンセンスです。

 

どうやら「グルテンフリー=よい健康法」のような認識が広まったのは、海外セレブやスポーツ選手などが火付け役のようですが、事実を見てみるとただ単純にセリアック病や小麦アレルギーを患っていたというだけの話ですよ。

 

◯「グルテンフリーで痩せた!」の本当の真相は…?

 

では、今度は「グルテンフリーをすると痩せた」という話を検証してみましょう。特にセリアック病などの病を持っておらず、至って健康な人がグルテンフリーを実践してみたら、なぜ「痩せた」のか?

 

じつは、これにはカラクリがあります。例えば、ある健康な方がグルテンフリーの生活をするとして、小麦をやめて白いご飯を中心とした食生活に切り替えたとしましょう。正直、この場合は痩せる可能性があると思います。なぜなら、うどんやパスタなどの炭水化物の単食食いをやめるから。

 

もうお気づきかと思います。これは、ただ食べ過ぎていた糖質を減らしただけなのです。加えて、グルテンフリーで推奨されている肉や魚、野菜やくだものなどを中心とした生活にしたとしたら、なおさら食生活がよくなって痩せ、健康に近づいていくでしょう。じつは、病気を持っていない健康な人がグルテンフリーで痩せたという事例は、グルテンフリーのおかげではなく、単に食生活が改善されたというだけの話なのです。

 

◯逆に危険! グルテンフリーを謳う食品の罠

 

グルテンフリーを謳ったパンやお菓子、スイーツなどは多く販売されていますね。こういった食品をよかれと思ってこれらを選んで買っている方、特に病気を持っていないのであれば今すぐやめることをおすすめします。

 

例えば、グルテンフリーを謳うスイーツはグルテンをなくす代わりに糖分や油を入れていることが多々あります。グルテンの効能であるモチモチ感を補うために油を混ぜたり、別の添加物を加えたりなどの工夫が施されているため、結果的に糖質が高かったり、意外と脂質が高かったりするのです。

 

こういったことから考えても、セリアック病や小麦アレルギーを持っていない人が進んでグルテンフリーをすることにまったく意味を感じません。グルテンフリーに固執せず、これまでご紹介してきたような健康な食事方法を意識することのほうが健康への近道です。世の中にはさまざまな情報が転がっていますが、簡単に鵜呑みにしないでいただきたいものです。

 

本日のグルテンフリーのお話はここまでとさせていただきます。次回はいよいよ最終回。ラストは、健康検査に関するあれこれに触れていきたいと思います。

女医が教える食の処方箋

友利 新(ともり あらた)

医師(内科・皮膚科) 琉球大学医学部 非常勤講師。沖縄県宮古島出身。 東京女子医科大学卒業。 同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務の傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開中。 また、2014 年の出産を機に、安心安全なベビースキンケア商品を欲し、「ベビー予防スキンケア」というコンセプトで自ら研究開発、商品化。そして起業し、医師、母、社長、と多忙な毎日を送っている。 2018年8月には、原材料の油にこだわり、化学調味料、酸味料、着色料、香料全て不使用のカレー「くせになるこだわりの スパイス&オイルカレー」(http://shop.mediskin.jp/product/detail/49 )を開発。2019年4月には、化学調味料、香料、増粘剤不使用でオレイン酸とαーリノレン酸の含有率にこだわった「くせになるこだわりのオイルドレッシング」(http://shop.mediskin.jp/product/detail/51)を開発。2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。二児の母。美と健康に関する著書も多数。
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