• 地磁気の逆転

    地球最大の謎に挑んだ科学者たち、そして何が起こるのか

    アランナ・ミッチェル/熊谷玲美訳

agarieakiko

2019/02/27

地球は巨大な磁石だ。コンパスの「N極」は北を、「S極」は南を指し示す。だが近年の研究により、地球ではこれまで何度も磁極の逆転(N極とS極の入れ替わり)が起こっていたこと、そして、前回の逆転から78万年経過したいま、近い将来に次の逆転が起こるかもしれないことが明らかになっている。

 

地球の磁場は、人間に正しい方角を教えてくれるだけでなく、宇宙から降り注ぐ有害な宇宙線から生命や文明を守ってもいる。何百年も続くと言われる磁極の逆転プロセスでは、地球の磁場が弱まり、宇宙線被曝によって甚大な被害が出るという。生体や遺伝子への影響のみならず、電子機器や発電・送電設備の故障など、人類が経験したことがない危機が起こりうるのである。

 

本書では、地磁気の謎に挑んだ歴史上の科学者たちの業績を追いながら、そもそも磁力とは何か、なぜ地球は磁石なのか、なぜ地磁気逆転が起こるのか、来る危機を前に私たちはいかに備えるべきかを考察するものである。

 

千葉県にちなむ「チバニアン」という名称が昨今話題の地質年代と、地磁気逆転の関係にも触れる「解説」も特別収録。

目次

  • はじめに 宇宙と遊ぶ
  • 第Ⅰ部 磁石
  • 第1章 すべての始まり
  • 第2章 不対電子のスピン
  • 第3章 磁気の世界の忘れられた人物
  • 第4章 鉄を引きつけるもの
  • 第5章 革命をもたらした論文
  • 第6章 磁気の霊魂
  • 第7章 地下世界への旅
  • 第8章 磁気十字軍
  • 第9章 世界をひっくり返した岩
  • 第Ⅱ部 電流
  • 第10章 コペンハーゲン実験
  • 第11章 密接な結びつき
  • 第12章 瓶いっぱいの稲妻
  • 第13章 薬局の息子
  • 第14章 製本屋の見習い
  • 第15章 電流を作る磁石
  • 第16章 空気中に満ちる力線
  • 第Ⅲ部 コア
  • 第17章 ねじれる渦
  • 第18章 地球内部の衝撃
  • 第19章 岩石に残る磁気の記憶
  • 第20章 海底の縞模様
  • 第21章 ダイナモの外縁部で
  • 第22章 南大西洋磁気異常帯
  • 第23章 史上最悪の物理映画
  • 第24章 地球ダイナモ再現実験
  • 第Ⅳ部 逆転
  • 第25章 空を見上げる
  • 第26章 光が予言する恐怖
  • 第27章 放射線のホットスポット
  • 第28章 大災害による損失
  • 第29章 ニジマスの鼻、伝書バトのくちばし
  • 第30章 磁気シールドが失われた世界謝辞
  • 解説 ブリュン、松山、そしてチバニアン 渋谷秀敏
  • 原註
  • 著者紹介

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