「恋は雷が落ちるようなもの!」 寂聴vs.20代インフルエンサーと人生問答
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寂聴vs.20代インフルエンサーと人生問答

 

 

インフルエンサーとファンをつなぐプレミアム企画動画を配信し、新しいメディアとして大きな反響を呼んでいるライブコマース企業、ミーアンドスターズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:佐藤俊介)。トランス・コスモスと俳優の山田孝之が設立した企業としても話題を呼んでいるが、第2弾の企画動画が8月9日、ミー&スターズアプリ(me&stars)を通じてプレミアム配信された。タイトルはズバリ! 「瀬戸内寂聴と8人のインフルエンサー クイズ!人生の問題」。

 

 

今年96歳という僧侶で作家の瀬戸内寂聴が、「若い人と話したい」とスタートしたこの番組企画。京都・嵐山にある曼荼羅山・寂庵に、司会を務める田村淳(44)をはじめ、トークゲストとして、ゆんころ(28)、有村藍里(26)、紗蘭(20)、ぺえ(26)、Usuke(23)、ミチ(20)&よしあき(18)、そして、5月27日に開催されたライブオークションでこの席に座る権利を648,000円で落札したIT企業、株式会社BLAM代表取締役・CEOの杉生遊(28)――という8人の若きインフルエンサーが集結。寂聴の秘書で『おちゃめに100歳! 寂聴さん』(光文社刊)の著者、瀬尾まなほ(30)も列席した。

 

 

番組の進行は、まず田村がトークゲストたちに4つの質問を順に投げるところから。トークゲストたちはパネルに自分なりの答えを書き、発表する。その中で、寂聴が最もいいと思った答えを書いた人に、「1寂聴」として湯飲みを進呈。これが一番多く集まった優勝者には、寂庵にある秘密のバー「パープル」で、人生経験豊かな寂聴と二人きりでお話ができるというご褒美が待っている。

 

 

1つ目の質問は、「その人がどんな人間かは〇〇を見ればわかる」。杉生は「友達」、ゆんころは「スマホケース」、ぺえは「手の動き」、紗蘭は「インスタ」……と、個々の職業やタイプを表すような答えが集まる。寂聴は「やっぱりお友達を見ればわかるわね。私なんか、はたち前からのお友達が2人いて、今もずっと続いてるんですよ。3人とも96歳。仲良し3人組。人生でそういうお友達が残ったことが宝ですね」と、驚きのコメントをした。

 

2つ目の質問は、「浮気はしてもいい?絶対だめ?なぜなら〇〇だから」。1つ目の質問で湯飲みを獲得した杉生は、「浮気は絶対だめ。妻が悲しむから」と答えると、寂聴は「なんか、つまんない人ね。『1たす1は2』みたいな答えね」とバッサリ。ぺえは「してもいい。1回2回は許そうというスタンス。本当の愛なら戻ってくる」という答え。ミチは「浮気してもいい。時には試食も必要」と答えて、司会の田村を驚かせる。それに対する寂聴の総括が冴えていた。

 

 

「浮気についてこんなに一生懸命言ってるけれどね、それこそ時間の無駄よ。恋は雷が落ちて来るようなものなの。だから論じても意味がないの。人を不幸にしてまで自分の欲望を通すのはみっともない。人の不幸の上に幸せは成り立たない……」。ここまで言うと、なんと、ドドーンと大きな雷鳴が……。「ここね、雷の通り道なの」と、たじろぐことなく寂聴はニコニコ。続けて、「朝目覚めてね、『ああ、あの人どうしてるかなあ』って思えるのはいいことよ」と恋する心の純粋さを語った。山あり谷ありの人生を渡り歩いた小説家ならではの、心豊かな表現だ。

 

さらに、「人間が犯す最も愚かなことは○〇である」「人はなぜ生きて来たのか。それは〇〇だから」と、哲学的な問答が用意され、一生懸命考えてフリップに解答を書くインフルエンサーたち。寂聴はユーモアも交えて優しい言葉でゲストたちを包み込むように人生を説き、収録後の記者会見では、「何を言っても(寂聴さんが)受け止めてくれるので、すごくリラックスして司会ができました」(田村)、「すごく前向きになれました。悩んでたことがすごくちっぽけに思えた」(ぺえ)、「こんな機会をいただいて、(落札価格の)648,000円は安かったと思いました」(杉生)と、寂聴と話した経験を通して、みな、何か大きなものをもらった様子。寂聴も「若い命をたくさんいただいて、100まで生きそう。こんなふうにいいエネルギーが生まれているのを見ると、勢いのある世界がまた生まれて、人間の未来はあると思いましたね」と笑顔で締めくくった。

 

 

なお、杉生が落札した648,000円は、寂聴がよびかけ人の一人である事業団体「わかくさプロジェクト」に全額寄付された。わかくさプロジェクトは、貧困、虐待、ネグレクト、いじめなどの社会問題を心に抱えた少女や若い女性たちを支援する団体だ。
また、うなぎパイで知られる春華堂が今回の配信番組のスポンサーで、寂聴が伝えたいメッセージを盛り込んだ新しいお菓子を一緒に開発する予定。寂聴は、「ビールのおつまみになる甘くないお菓子をつくりたい」と今から張り切っているそうだ。

 

撮影:谷本潤一 文・取材:西元まり

 

「愛する言葉」光文社
瀬戸内寂聴/著

 

おちゃめに100歳! 寂聴さん 光文社
瀬尾まなほ/著

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