飛び降り自殺から生還したモカさんが伝えたいこと(1)
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経営者・漫画家のモカさん(1986年3月生まれ、元男性)は、躁鬱病を悪化させた末、飛び降り自殺で重傷を負いながらも九死に一生を得る。全身の痛みに向き合いながら気づきを得たモカさんは、2016年から「お悩み相談」を始め、約600人の悩みと向き合ってきた。

 

モカ(亀井有希)さん。1986年生まれ。元男性のトランスジェンダー。株式会社UNI代表取締役

 

死にたいのに、死ねなかった――始まった地獄の痛み

 

目を開くと、そこは病院の病室だった。

 

「あぁ、そうか」

 

信じられないけれど、死ななかったのか──。

 

最初に思ったのは、ただそれだけだった。呆然と思っただけだった。何の感情も湧き起こらなかった。

 

しばらくして、全身骨折で、肺が破裂し、背骨と左腕は複雑骨折していることが分かった。首やあばら骨も折れていた。2回、手術をし、背骨と左腕にチタンを入れた。

 

肺には、輸血の管が体を貫通して通っている。人工呼吸器が口に繋(つな)がっている。他にも、よく分からない電線が、体のあちこちに付いていた。

 

痛みでわめき、叫び続けた。

 

看護師さんに「うるさい!」「自分で自殺したんだから、自分のせいでしょ!」と怒鳴られた。それでも、「痛い、痛い」と叫び続けることしかできなかった。

 

いますぐにでも、きちんと死にたかった。死にたかったのに、なぜ生かされるのだろう……。

 

「死なせてくれ!」

 

病棟の窓から飛び降りようと考えたが、窓は開きそうもなかった。そもそも、体が動かなかったから、断念するしかなかった。

 

生きたくもないのに、生きるための手術を受け、痛みを味わうことになった。選択の余地は、もう、どこにもなかった。

 

ただ痛みに耐える。それだけだった。

 

 

以上、『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』(モカ、高野真吾著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。

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12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと

12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと

モカ/高野真吾

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