数学でサッカーの見方が変わる? デイヴィッド・サンプター『サッカーマティクス』がサッカー本大賞2018「優秀作品」を受賞
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「良質なサッカー書籍が、日本のサッカー文化を豊かにする」をモットーに、株式会社カンゼンが主催する「サッカー本大賞2018」にて、サッカー本大賞、翻訳サッカー本大賞、読者賞、優秀作品、すべての賞が発表されました。

 

栄えある「サッカー本大賞」と「読者賞」は岩政大樹著『PITCH LEVEL例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』(KKベストセラーズ)が受賞、「翻訳サッカー本大賞」はディードリッヒ・シュルツェ゠マルメリンク『マヌエル・ノイアー伝記』(実業之日本社)が受賞しましたが、光文社刊のデイヴィッド・サンプター『サッカーマティクス』(千葉敏生訳)も「優秀作品」の一つに選ばれ、3月12日の授賞式で表彰を受けました。

 

サッカー本大賞決定についてhttp://www.kanzen.jp/news/n23880.html
優秀作品決定についてhttps://www.footballchannel.jp/2018/02/17/post256546/

 

最も数学的なスポーツ、それがサッカー!
『サッカーマティクス』は、応用数学者である著者が、サッカーのフォーメーション、スーパープレイ、戦略と戦術、勝ち点などについて数学的手法で分析し、サッカーのプレイと観戦に新たな見方を与える画期的な本です。
野球が「統計」のスポーツなら、サッカーは「パターン」のスポーツ。攻撃の幾何学的構造、選手の流れ、ランダム性の支配するピッチ、1+1を3にも4にもするチームワーク……最先端の数学はまさにサッカーを記述するための言語なのです。

 

 

予測不能だから予測できることもある――統計の力
90分の試合の中でいつゴールが生まれるかは完全にランダムですが、「完全なランダム」というのも実は一つの数学的パターンといえます。その性質はすでに金融などの分野で活用されており、サッカーでも選手やチームの特色の発見や、リーグ戦の最終順位予想などに使えます。
一方、個々のゲームを左右する統計数字もあります「パス率(ボール支配1分間あたりのパスの本数)が大きいほど得点が多い」、「プレッシングでは1人目は2.5秒以内に、2人目は5.5秒以内にトライしてボールを奪わなくてはならない」といった知見は、すぐにプレイの改善に生かされるでしょう。

 

ほかの分野の知恵や最新技術も駆使!
森の地面に網目状のネットワークを構築して養分を輸送する「粘菌」は、東京近郊の地下鉄網にも酷似していますが、近年のバルセロナのフォーメーションも同じ。特殊な幾何学パターンを動きの中で維持し、他のチームより圧倒的に効率よくボールを運んでいることがわかります。実際、GPSや映像分析からこれらのパターンを分析する試みは始まっています。

 

サッカーの見方が変わる分析がたくさん!
観客席でのチャントやウェーブはどうやって広がる? スタジアムでの悲惨な群衆事故の原因は? 専門家の予測vs一般ファンの予測、どっちが優れている? 数学をギャンブルに役立てることは可能か? そんな疑問も、数学が解決します。あなたの「サッカー観」を変える一冊、ぜひワールドカップ前にご一読を!

 

 

デイヴィッド・サンプター/著 千葉敏生/訳

 

シュート決定率やリーグ戦での勝敗数といった統計から、パスやフォーメーションの幾何学にいたるまで、サッカーは数学的要素に溢れるスポーツだ。
それらの要素を最新の手法で追跡・分析すると、驚くべきパターンが見えてくる。
一流選手や強豪チームの動き、名監督の戦略や采配は「数学的に正しい」のだ!
サッカー愛に満ちた数学者による、あなたの「サッカー観」が変わる一冊。

2017年6月15日発売
定価(本体1,800円+税)

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