こんなときだからこそ……お家で食生活、見直してみませんか?
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ryomiyagi

2020/04/10

みなさん、こんにちは。友利新です。新型コロナウイルスの感染が拡大し、落ち着かない日々が続いていますね。ご自宅で過ごす時間が増え、自ずと家ごはんを食べる機会が多くなっているかもしれません。

 

今回から全3回にわたり、先月に上梓した新刊『やめる美容』のなかから、みなさまの食生活に役立つ情報をお伝えしていけたらと思っています。こんなときだからこそ、食を見直すチャンス。食生活から免疫をつけ、体調を整えていきましょう。

 

◯肉と魚、毎日食べるタンパク質のバランスを見直すチャンス!

 

肉や魚といったタンパク質は私達の体に必要不可欠な栄養素。みなさんは1週間のうち、どんな割合でどのくらいの量を食べているでしょうか? 食べすぎも食べなさすぎもNGですが、理想とするバランスは、「大豆:魚介類:肉類=2:3:2」の割合です。もし大豆を食べるのにあまり気がすすまないようでしたら、「魚4:肉3」の割合でも大丈夫です。魚や大豆の比率が増えるのは問題ありませんが、とにかくメインとなる食事で肉は週3回以上食べないように心がけましょう。

 

じつは動物性の油は取りすぎると動脈硬化の元となってしまうため、肉の食べすぎには注意が必要。また、ソーセージなどの加工肉の食べすぎは大腸がんのリスクを増やす危険性もあるといわれており、こちらも食べすぎに気をつけたほうが賢明です。

 

さらに、ヘルシーな印象の強い鶏肉の食べすぎにも落とし穴が。鶏肉には必須脂肪酸のオメガ6が多く含まれています。言葉の通り、オメガ6は必ず摂らなければならない油ですが、実は身の回りにたくさんあふれており、普段の食生活で意図せずついつい摂りすぎてしまう油です。ヘルシーだからといって鶏肉ばかりを食べていると、オメガ6の過剰摂取となり、体に不調をきたすリスクがあります。

 

さて、なぜ肉よりも魚を食べる量を増やしたほうがいいのでしょうか? それは、魚が栄養の観点からも非常に優れたタンパク質であり、私たちの体に必要な良質な油がたくさん含まれているからです。代表的なものでいえば、必須脂肪酸オメガ3系DHA・EPAを含む青魚は有名ですね。オメガ3には体の細胞膜やホルモンを作る作用もあり、健康には欠かせない栄養素となっています。自宅で食事を作る機会が多いと、肉の登場回数が増えがちかもしれませんが、意識して魚を食べるようにするだけでも体の調子が上向きになってくると思います。

 

◯主食の白米は絶対主義をやめてみよう

 

昔から日本人は、一食に対して白いご飯(白米)をセットにするのが正しい食事、という気持ちを持ちがちです。しかし私は必ずしも三食白いご飯を食べる必要はないと思っています。もちろん、育ち盛りのお子さんがいる場合は別ですが、年をとり、だんだん代謝が落ちてくる状況ならば主食、つまり糖質は無理に摂らなくてOK。それよりもどちらかというと、お肉や魚からタンパク質をしっかり摂ることを優先させてください。タンパク質は体を維持していくために必要な成分です。

 

また、ビタミンやミネラル、食物繊維を野菜やフルーツから積極的に摂取することも大切。聞くところによると、日本人の一般的なサラダの摂取量は1日にひと皿(しかも小皿)だそうですが、それでは全然足りません。理想はちょっと多めに盛ったサラダを1日に2回。「大皿のサラダを1日2杯食べる人は老けにくい」といわれています。フルーツの摂取目安としては、毎日片手ひとつ分。種類は問わず、できるだけ旬のものを食べるといいでしょう。

 

◯1日3食を摂る必要もない

 

ひと昔前は、空腹の時間を作らず血糖値を一定に保つほうが体にいいというのが医療の世界でも常識でした。しかし、昨今では空腹のときほど体を再生する機能が高まる“オートファジー効果”というものが提唱されつつあります。

 

オートファジーとは、体の中の壊れたタンパク質が回収され細胞がリサイクルされる効果のこと。これを実践するためには、1日に10〜12時間程度の空腹の時間を作ることが重要となります。例えば、夜ご飯を19時に食べてから何も食べず、朝7時に朝ご飯を食べるだけで12時間の空腹時間が確保できます。空腹の時間が確保されると、体の細胞が再生されるだけではなく、じつは太ることも少ないのです。
朝昼晩と食事の支度が大変に感じたら、「空腹の時間を作ろう」と発想を転換させ、「今日は朝食は抜いて昼食をしっかりめに摂ろう」などとシフトチェンジするのもひとつの手だと思います。

 

◯食事例から見つめる、食生活のヒント

 

ここからは実際に私が摂っている食事例を写真つきで紹介していきます。食生活を見直すヒントもお見逃しなく!

 


【menu】
サラダ、トースト、目玉焼き、ししゃも(ブロッコリー、チーズ豆腐添え)、ミネストローネ

 

私は、平日5日間で魚を3回以上、赤身肉は1回食べるように心がけています。また、3食を無理して食べるのはやめ、体調に合わせて1日1.5〜2食で調整するのが基本です。

 

写真はある日のわたしの昼食。前日の夕食時間が遅かったので、朝食を抜いてランチタイムにしっかり食事を摂りました。ミネストローネやサラダを中心にお野菜をとり、ししゃもとチーズ豆腐でタンパク質もカバー。骨ごと食べられる小魚はできるだけ週に一度は食べるように心がけています。

 


【menu】
生姜焼き、煮物(大豆、こんにゃく、にんじん)、味噌汁

 

お肉がメインのある日の夕食。生姜焼きは時間がない日でもぱぱっと作れるので大助かり。煮物は市販のお惣菜を使っています。ものによっては糖分が多いので食べるときは量を調整するのがおすすめ。白米を食べるときは必ず野菜や海藻を使った味噌汁を添えるようにしています。

 

今回の食事のポイントは、野菜や海藻を使った味噌汁。じつは、前の食事で食物繊維を摂っておくと、次の食事のときの血糖値の上昇を防げるという研究結果が報告されています。これをセカンドミール効果といいます。

 

たとえば、今の時期、お昼はパスタや丼ものなど手早く済ませられるものになりがちですから、朝こそしっかり食物繊維を摂る習慣づけをしてもいいかもしれません。私は毎朝野菜入りのお味噌汁を飲むようにしています。汁物でさらっとたくさんの野菜をいただくことができる朝の味噌汁習慣はぜひみなさんにもおすすめしたい。味噌汁に入れるのは、冷蔵庫に残った野菜でも冷凍野菜でもなんでもOKです。食物繊維は冷凍しても、火を通してもほとんど崩れません。

 


【menu】
サラダ、サーモンムニエル(マヨネーズ、コーン、にんじんのソース)、にんじんとごぼうのきんぴらブロッコリー添え、味噌汁

 

私は献立を決めるのが面倒なので、週に一度はサーモンの日と決めています。良質なタンパク質と油がしっかりと摂れるだけではなく、アスタキサンチンなどの抗酸化物質も含まれているため優秀な食材と信頼をおいています。ちなみに、アスタキサンチンは肌の炎症を抑える効果があるため、よく紫外線に当たるという方にはおすすめです。

 

また、アスタキサンチンは油分やビタミンCと一緒に食べるとより吸収がよいとされているので今回のようにマヨネーズをソースにすると吸収率もアップ! マヨネーズはオリジナルで作った商品で、植物性の良質なオイルを使用しています。

 

さて、初回となる今回はタンパク質や主食の食べ方の見直し、私の普段の食事から見つめる食生活のヒントをお届けしました。拙著『やめる美容』にはこのほかにもシンプルで正しい食の基本情報を多く掲載しています。おうち時間が増えた今、ぜひ手にとっていただき、食生活のお役立ていただけたら幸いです。

 

文・宮本香菜

 

やめる美容』光文社
友利新 / 著

女医が教える食の処方箋

友利 新(ともり あらた)

医師(内科・皮膚科) 琉球大学医学部 非常勤講師。沖縄県宮古島出身。 東京女子医科大学卒業。 同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務の傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開中。 また、2014 年の出産を機に、安心安全なベビースキンケア商品を欲し、「ベビー予防スキンケア」というコンセプトで自ら研究開発、商品化。そして起業し、医師、母、社長、と多忙な毎日を送っている。 2018年8月には、原材料の油にこだわり、化学調味料、酸味料、着色料、香料全て不使用のカレー「くせになるこだわりの スパイス&オイルカレー」 を開発。2019年4月には、化学調味料、香料、増粘剤不使用でオレイン酸とαーリノレン酸の含有率にこだわった「くせになるこだわりのオイルドレッシング」を開発。2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。三児の母。美と健康に関する著書も多数。 Instagram @aratatomori Twitter @ArataTomori アメブロ https://ameblo.jp/arata1107/ 公式You Tube「友利新 / 医師「内科・皮膚科」
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