akane
2018/11/05
akane
2018/11/05
双子の息子たちが成人したいま思うのは、日々のごはんにたくさんのレシピは必要ない、ということでした。
持つべきは、刻々と変化する状況や条件に応じてレシピや献立をアレンジできる力。
家族も自分も、毎日ごちそうが食べたいわけではなくて、“そこそこ”の料理が、おなかが空いたときに並ぶこと、それが本当の理想であり現実なのではないでしょうか。
レシピは、家族が好きなものや自分が作りやすいものを10個ほど持っていれば実は十分です。
その10個を、いまある素材や料理にかけられる時間などとにらめっこしながらアレンジできればバリエーションは自然と広がっていきます。
しかし、そうやってアレンジできるようになるには、メニュー名から献立を考えてしまうクセや検索してしまう習慣から一旦離れる必要があります。
この本ではそんなふうに、固くなってしまった頭をほぐすための新しい考え方やすぐに使える小ワザ、我が家で日々アレンジしながら作っているネタ元レシピなどを詰め込みました。ゴールが見えないようでいて子どもはあっという間に大きくなってしまいます。
24時間365日一緒にいたのに、トイレについて行かなくなり、だんだんと手を繋がなくなり、一緒に寝ることもなくなります。
でも、唯一最後までできるのは、ごはんを一緒に食べること。独立して実家に帰ってきたときなども、一緒にいるのは案外ごはんを食べるときぐらいしかないように思います。
だから私は、母として、料理を諦めたくないと思っています。毎日ごちそうは作れないけれど、蒸しただけのさつまいもや茹でただけのトウモロコシでも自分なりのこだわりと思いを持って作りたい。そうしたらきっと、シンプルな料理でも、何百回と作ったメニューでも最後まで一緒に〝美味しいね〟と言い合える関係が作れるような気がしています。
「そんなに頑張らなくていいよ」と言ってくれる人たちもいますが、正直なところ、頑張らないと家事も育児も回らないですよね。大切なのは「頑張る」とか「頑張らない」ではなくて、「少し頑張る日」 や「ちょっとだけ力を抜く日」を作ったり家族や便利な道具に甘えたりして自分で自分をコントロールしながら、走り続ける持久力。
そう、毎日のごはん作りも家事もフルマラソンだから。
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