“星読み係”のyuji氏がナビゲートする“ニューアース”の歩き方②
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星読み好きにとって“must people”である、ヒーラーにして“星読み係”のyuji氏。新進気鋭の星読み師である彼が12星座に焦点を絞って記した初の著書『星 2.0』を上梓した。発売後即大重版された話題の一冊を、星好きライターが読んで感じたこと、本からインスパイアされたいろいろを「読書体験記&描き下ろしの絵」という形で、数回にわたってお届けします。

 

「ぴーちくぱーちく」

 

Day2「言葉にしてもらえることの癒し」

 

 今回『星2.0』のレビュー記事を書かせていただくことになり、ふと思いついたことがあった。それは、この本を読むための時間、特別な時間をつくろう! というもの。果たして以前から一度行ってみたいと機会を探っていた近所のコーヒーショップに本を携え向かった。
 こうした12星座の本は、これまでも何冊と読んでいるが、毎度少し緊張する。なぜそんな感情が生まれるかと言えばそれは、このような本には「自分のことが書かれているから」だと思う。誰かや何かのことではなく、読者自身のことを告げられてしまうので、”心して向き合う”必要をいつも感じるのだ。さらにイレギュラーなのは、12星座の本を読む際は、冒頭から順番に本を読み進めるのではなく、自分の星座から読みたくなるところ。どうしたって、その”衝動”には抗えない。ということで、静かな店内にてホットラテで心を落ち着かせ、私の太陽星座(生まれた瞬間に太陽が位置していた星座のこと。一般的な星占いはこの太陽星座の部分を読む)である「双子座」のページを開いた。

 

 双子座がどういう性質なのかをこれまで仕入れた情報から思いつくまま列挙してみると、「おしゃべり」「フラット」「コミュニケーション上手」「そつがなく器用」「風のように軽やか」などなど。『星2.0』にももちろんそのようなことは書かれているが、個人的に超強烈に響いた部分は、上にあげたようなどちらかというとポジティブな質ではなく、あえて言うならば、”ダーク双子座”の部分。中でも、その言葉を目にして以来、今日まで何度も脳内に反芻されているのは以下の”見立て”。

 

【(双子座の)三つの対話モードは非常に独特なもので、十二星座の中では双子座のみが持つ性質でもあります。その対話の一つ目は自分との対話。(中略)二つ目は他者との対話。そして最後、三つ目は自分の中にいるもう一人との対話です。】(P98-99)

 

 詳しくは本書を読んでいただくとして、感じたことを書かさせていただくと。双子座特有であるとされる「第三の対話」とは、not 双子座の方の自問自答とはおそらく異なり、価値観や思想などの違う二人が、「わたしはこう思う!」と、別々の視点から真逆のようなことを同じ熱量で議論する、そういう対話なのだと感じる。ゆえに、双子座の私は、その”モード”に入ってしまうと、些細なことでさえいつまでも一つの結論に至らない。そうした質を「双子座は優柔不断」と書いている本は多々ある。けれど自分の知る限り、そのややこしい内なる動きを「双子座特有の第三の対話」などと解説している本は初めてだった。
 これは、たんなる個人的な体感だし、双子座的質が強くない人にはまるで理解されないかもしれないが、yujiさんのこの”読み”は、まさに言い得て妙!!  心の中で「わー!」と叫びたいくらいのインパクトを受けた。
 もちろん太陽星座が双子座でもピンとこない人はいるだろうし、「だよね」とその解説に感動しない人もいるだろう。ただ私は、長年煩わされてきたもつれたその葛藤を「双子座のみが持つ性質」と言い切ってもらえたことで、なんとも言えない安堵感を得られた。デフォルトすぎてうまく認識ができず、言語化できていなかったものを、的確な言葉にして「わかってもらえた」ことの嬉しさは筆舌しがたい。たとえるなら、慢性的な原因不明の思い込みのような症状に「病名」を付けてもらえたような感覚。もちろん双子座の葛藤は病気ではないけれど、名前を与えられることで、「自分だけなのでは?」という”孤独”から解放されるし、”症状”をずっと扱いやすくなる。

 

 yujiさんの肩書きは、「星読み師」であり「ヒーラー」。『星2.0』は、星読み師の仕事と思っていたが、星を活用し”その人を読む”ことは、まぎれもなくヒーラーの仕事でもあるのだと気がついた。

 

星 2.0』光文社 
yuji /著

 

文・絵/野村浩平 友人の“遊びの鑑定”を受けたことにより星に興味を持つ。2018年に占星術の基礎講座を受講し、以後マイペースに独学中。太陽星座はふたご座。星のことや身辺雑記を綴るブログ「leeの話

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