桜の季節に知っておきたい美しい日本語を和菓子で学ぶ
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ryomiyagi

2022/03/23

和菓子には、そのコンセプトをひと言で表す「菓銘」がつけられています。

 

菓銘には、うつろいゆく季節や自然を繊細にとらえる日本人の感性を映し出す美しい言葉が数多く存在し、和菓子で表現されたそれらの言葉は、先人たちが見てきた情景を私たちの心に呼び起こしてくれます。

 

特にバリエーションが豊かなのは、桜と雨に関する言葉ではないでしょうか。
雨にかかわる言葉といえば、春霖(しゅんりん)、翠雨(すいう)、銀竹(ぎんちく)、催花雨(さいかう)などがありますが、今回はこの季節にぴったりな桜にまつわる美しい言葉を紹介します。

 

■花筏(はないかだ)

 

川面に桜の花が散り、連なって流れていくさまを筏に見立てた言葉。

 

花筏/作・撮影 藤原夕貴

 

<類語>
花の浮橋(はなのうきはし)
散った桜の花びらが、水面に敷きつめられた様子を浮橋に見立てた言葉。

 

桜流し(さくらながし)
散った桜の花びらが、水に流れていくさまを表す言葉。また、春の雨で桜が散っていくさまなども表します。

 

■夢見草(ゆめみぐさ)

 

桜の異名。夢のように美しくも儚いことを桜にたとえた言葉。

 

夢見草/作・撮影 藤原夕貴

 

<類語>
挿頭草(かざしぐさ)
桜の異称。新古今集の歌「ももしきの大宮人はいとまあれや桜かざして今日もくらしつ」が由来。

 

徒名草(あだなぐさ)
桜の異名。散り急ぐ桜の儚さを表す言葉。

 

■ほかにも・・・

 

桜の花が一面に咲き連なっているさまを雲に見立てた「桜雲(おううん)/花の雲(はなのくも)」、桜の咲きぐあいを知らせる「花便り(はなだより)/花信(かしん)」など、数え上げればきりがありません。

 

『和菓子と言の葉 デザイナーが紡ぐ四季の物語』(藤原夕貴著・光文社)では、四季を織りなす言葉の数々を英訳つきで紹介しています。眺めるだけで気持ちが満たされる、和菓子で綴る歳時記をぜひお楽しみください。

 


和菓子と言の葉 デザイナーが紡ぐ四季の物語』光文社
藤原夕貴/著

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