『トゥルークライムアメリカ殺人鬼ファイル』著者新刊エッセイ 小西正喜
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ryomiyagi

2022/05/16

「トゥルークライムアメリカ殺人鬼ファイル」的プレイリスト

 

FMラジオ局に勤めているせいか、音楽を道標にコンテンツや新規サービスを考えることが多い。まわりに熱心な音楽ファンが多いこともあるのだろう。新番組の立ち上げで楽曲を引き合いに出して仕上がりのイメージを共有し、意気投合することも多々あった。

 

犯罪ドキュメンタリー番組「トゥルークライム アメリカ殺人鬼ファイル」でもイメージする曲が存在する。番組の雰囲気を感じていただき、聴取のきっかけになればと思い、以下にいくつか記してみたい。

 

1.レディオヘッド「2+2=5」
番組では、毎回アメリカ凶悪犯罪事件を取り上げ、犯罪者の生い立ちや当時の社会情勢など事件背景を掘り下げている。殺人鬼の多くは親からの虐待など子どもの頃に壮絶な体験をしており、立ち直れずに人生の隘路に迷い込んでいく。大谷亮平さんのナレーションで知る、その理不尽で悲しい様を想像するとき、この曲が聞こえてくる。

 

2.GRANRODEO「Give me your eyes」
大谷さんと一緒に番組をお届けするのは、声優の谷山紀章さん。ロックユニットGRANRODEOでボーカルとしても活躍されていて、楽曲のほとんどが谷山さんによる作詞だ。9枚目のアルバム『Question』に、この番組にぴったりのメタルな楽曲があった。闇と希望、聴き手である我々が、番組で紹介された事件から何を掴み取るか。そのことを問われているように感じた。

 

3.U2 「Stuck In A Moment You Can’t Get Out Of」
U2のボーカル・ボノが、自殺した友人に向けて書いたといわれるナンバー。殺人鬼たちが犯罪に手を染める前に話す機会があったとして、悩んだり苦しんだりしている彼らに向かって「そんなことに囚われるなよ」とは脳天気に言えないだろう。しかし、彼らの事件から学び、人生に活かすべきことは、この楽曲に込められたことであるように思う。

 


『アメリカ殺人鬼ファイル』
小西正喜/監修

 

【あらすじ】
凶悪殺人犯はなぜ生まれたのかー。テッド・バンディから最新の犯罪まで、アメリカで起きた数々の事件を網羅する同名番組を書籍化。著者は「トゥルークライム アメリカ殺人鬼ファイル」プロジェクト。監修は平山夢明が務める。

 

こにし・まさよし
TOKYO FM社員。音声サービスAuDee(オーデイー)で配信中の犯罪ドキュメンタリー番組「トゥルークライム アメリカ殺人鬼ファイル」や、食文化の最先端を紹介する「RiCE RADiO〜ほうたれ〜」を担当。

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