『俺が公園でペリカンにした話』著者新刊エッセイ 平山夢明
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BW_machida

2023/01/12

おい、平山ペリカン出すってよ!

 

いやあ、本当に天変地異に疫病に戦禍とたった六十年しか生きていないのに、ここ数年の社会の襤褸屑の如き惨状には泡沫人生代表者としても幾許かの其処は彼(と無さを痛感するわけですが、その駄目押しとも云うべき『ひらやまさん、ペリカン出しますよ』という驚天動地青天の仰天事が降りかかってきたわけであんごるもあ。

 

思えば赤貧刮がれるが如しの経済的フリチン状態を気の毒に思った編集担当のイソリンの「なんか書いてみませんか」の親切に大跨がりして始めた本作でしたが、兎にも角にも『なぜおれだけが貧乏なのか?』『なぜおれにもギインのように旨い汁が回ってこないのか?』『なぜゼイキンが無意味なことにばかり使われるのか』とホードートクシューを見る度に受け売り的に怒りが湧いていて、その怒りを『そうだ! 短編で慰めてみよう』と思い、書いたのどす。とにかく心に不平不満のある人々〈自分含む〉にスカッとして貰いたい。

 

とにかくめったやたらととんでもない既得権益者の群れにあんぐりとさせる究極の武器をもつ主人公に八面六臂させようと果敢に挑んだのですが、第一作目を読んだ某福澤徹三先生から『こんなデタラメな作品は読んだことがない! こんなことが許されるならなにを書いてもイイってことじゃないですか!』と怒号のような賛意が寄せられたので、これは大きな励ましを受け取ってしまったと肚をくくり、爾来、数々の誘惑的怠惰的艱難辛苦を乗り越えて続けたのです。

 

自分でもどうかと思っていましたが、まさか20話一気通貫で出版されるとは、本当に光文社というのは素晴らしい会社です。担当のイソリン、藤野さん、ススギのイッチャンありがとう。さぞ周辺から『ボリビアは?』と云われたことでしょうが、まあ人はとかく色々と云いたがるものです。あと杉江松恋氏の頑なな応援が実に身に染みました。ああいう豪快で粋な評論家が今後とも雨後の筍のように現れることを切に願って擱筆させて戴きます。はあと。

 

『俺が公園でペリカンにした話』
平山夢明/著

 

【あらすじ】
おれは確かにろくでなしだが、親でも糞でも厭なもんは厭なんだ。うるせえ! 自分のことは自分で決める!……あんたもそうだろ?—ヒッチを続ける〈おれ〉が出逢う、剥き出しの混沌二十篇。この虚構は、魂の急所に直でくる。平山夢明、異次元の真骨頂。

 

ひらやま・ゆめあき
1961年神奈川県生まれ。2006年、「独白するユニバーサル横メルカトル」で日本推理作家協会賞受賞。’10年、『ダイナー』で日本冒険小説協会大賞と大藪春彦賞受賞。近著に『八月のくず』など。

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