上司の信頼される“手帳”テク!お仕事編(2)
齊木由香『毎日おもてなし』

おもてなしも断捨離の時代へーーーーー

 

 

おもてなし――。

 

いつしか至るところにこの言葉があふれ、必要以上のおもてなしを強いられる事も多いのではないでしょうか。

 

おもてなし料理、おもてなしのマナー、お呼ばれのコツ、高見えするテーブルコーディネート、SNS用フォトブースが並ぶパーティー…。もちろん大切な事ですが、おもてなし、する方もされる方も、正直疲れませんか。

 

相手を心地よくするのがおもてなしのはずなのに、正解のカタチを追い求め、保身のために過剰になる。当事者不在のおもてなしは、もはや「おもてあり=体裁だけ」ですね。

 

日本礼法では、何も特別なことではなく「もてなしたい」その気持ちこそがおもてなしになる、そんなコツをお伝えします。

 

人と人がもっと素直に、自由に繋がるために。「型」を捨てる勇気をあなたへ贈ります。

 

この連載を通して、あなたとあなたの周りの方がもっと素敵な笑顔になることを願ってやみません。

 

日本礼法の「おもてなし」は、何も特別なことではなく日本人なら誰もが潜在的に持っている和の心、「もてなしたい」その気持ちです。

 

働き方改革…でも職場は結局、人間関係

 

良くも悪くも私たちが働く環境は、刻々と変化してきています。共働き世帯や女性管理職の増加、年功序列から能力主義への変革、在宅ワークやフレックスタイム制度など、働き方は今後ますます多様化していくことでしょう。求められるスキルやアウトプットの形は変化しますが、人と人との関係は変化する事はありません。

 

 

そう、実は職場において、仕事以上に評価の対象となるものが、人とのコミュニケーション能力なのです。資格や技能を身に着ける以上に、おもてなしスキルの方がより普遍的な能力として役立つのではないでしょうか。

 

手帳の活用術ですべてが変わる

 

「上司に認められたい」そう思わないサラリーマンはいないでしょう。企業で働く方はもちろん、独立して働く方にとっても、目上の方との関係を良好に保つことが、自身の躍進に繋がることは言うまでもありませんね。

 

かつては、お中元、お歳暮、お年賀などのご挨拶はもちろん、ご家族の誕生や卒入園に至るまで、上司への贈り物は出世に欠かせないツールの一つでした。そういったプライベートな関わり方が減ってきた現代だからこそ、贈り物文化を大切にする心は、とても大切な心掛けだと思います。

 

こういった贈り物も有効ですが、日常の中でもっとも効果的なおもてなしがあります。

 

それは、
「上司の行動を常に先回りすること」。

 

当たり前すぎる、でしょうか。あるいは、自分自身の仕事も抱えながら、上司の行動を把握し、先回りするなんて途方もないと、思われるかもしれません。

 

でも、考えてみてください。あなたの仕事の先には必ず上司がいるのです。上司のスケジュールを把握して、自身のアクションに紐づけることは、ひいては自身の仕事の効率化につながります。そのうえ、上司からの評価も得られるのであれば、ひと手間かける価値が見えてくるのではないでしょうか。

 

 

私は仕事柄、大企業の重役にお会いすることも多くありますが、皆様が必ず身に着けていらっしゃるもの、それは手帳です。手帳には必ず、それぞれの苦労と努力のエピソードが刻まれているものです。

 

ひとつご紹介致しましょう。数年前まで、誰もが知る大企業で副社長をされていたA氏のお話です。

 

かつて経営企画部に異動した時、A氏の上司は非常に気難しく、頭の回転も行動も早い、いわゆる「切れ者」と呼ばれる人でした。「この上司に好かれたい」、部署の皆がその思いを抱え、ゴマを擦る人、YESマンに徹する人、足を引っ張り合おうとする人までいたとの事。

 

A氏は、異動直後ということもあり、新しい仕事を覚えることに苦労しながらも、上司の行動をすべて観察し、細かく手帳にメモをしました。

 

そして2か月後、A氏は上司のアクションの5分前には、そのすべての準備を整えておけるようになりました。例えば、会議の前には、ブラックコーヒー、赤のボールペン(ブランド指定)、ティッシュを必ず上司の席に置いておく。あるいは、朝、上司が読む新聞にホチキス止めをし、読みやすく折ってデスクに準備する、外出時に必要な書類を出掛ける直前にサッと手渡すなど、伺っているだけでも「気持ちの良い」先回りばかりです。

 

 

そう、この「気持ちよく」が相手の心を掴む非常に重要なことなのです。

 

準備が整っているということは、自分への敬意の表れであり、上司自身も気持ちが引き締まり、仕事の効率が高まる良い連鎖を生むのです。

 

A氏が得たものは上司からの信頼だけではありません。上司の思考を先回りできるスキルが身に着き…その後の彼の経歴を見れば、これ以上申し上げるまでもありませんね。

 

今では、「いつも先回りをしてサポートしてくれる秘書さんがいてね。時々、僕も先回りして、朝、彼女の席に、日本未上陸のお土産を置いておいたりするんだ。」と茶目っ気たっぷりに笑うA氏。

 

手帳一つでできる、職場改革。皆さんも試してみませんか。

 

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上司の行動を常に先回り!

 

アシュフォード 「ディープ」

 

革独特のしなやかさを持ちながらも、何と言っても8カ所のポケットを備えた機能性の高さが、上司へのサポートの手助けになります。咄嗟のスケジュール変更にもすぐに書き込むことができ、その他の大事な資料も手帳内に収納できるのが嬉しい。名刺も挟めるので、いつ出会いのチャンスが訪れるか分からない営業マンにも最適です。

 

大企業の重役が必ず身に着けていらっしゃるもの。それは……

 

アシュフォード「ルガート」

 

丈夫で張りのある革は、見る者を虜にする艶を持ち、まさにエグゼクティブの立場とバランスが調和され、お互いに引き立て合います。年を重ねる毎にその艶は、その人の人生そのものとなり、共に歩んできた軌跡を感じる事もできます。これこそが、その人の積み重ねてきた経験を表し、一生寄り添いたくなる手帳です。ワンランク上のステージを目指したい方にも最適です。

 

上司の行動をすえて観察し、細かく手帳にメモ

 

アシュフォード 「イシュー」

 

落ち着いたデザインと少しムラ感のある革の質感から、持つ人を知性的に演出します。この、“知性的”な印象こそが相手にとって『この人に任せたい』という安心感に繋がります。上司の信頼を築きたい方、スタイリッシュで上質な印象を与えたい方におススメです。

 

 

日本礼法とは
伝統的な「おもてなしの心」を取り入れた礼儀作法を次世代に伝承するために東京オリンピックの開催年である1964年4月1日に設立いたしました。1964年東京オリンピックの「おもてなしスタッフ」として従事。2008年北京オリンピックでは接客接遇の指導係としてオリンピック組織委員会から抜擢えあれ、4年にわたるスタッフの育成に大きく貢献しました。作法の根底にある思いやり、真心、誠意と言った心情こそが社会生活を円滑に営むものとし、現代に即した「和の作法」を伝え続けております。 https://www.nihonreiho.com

毎日おもてなし

齊木由香

日本礼法教授、和文化研究家、着付師。旧酒蔵家出身で、幼少期から和装を着用していたことから、大学でも着物や日本文化における衣食住を学ぶ。この経験を生かし、日本礼法の教授として和文化のおもてなしの心や所作を伝える取り組みを行い、国内外で活動している。
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