akane
2019/04/05
akane
2019/04/05
おもてなし――。
いつしか至るところにこの言葉があふれ、必要以上のおもてなしを強いられる事も多いのではないでしょうか。
おもてなし料理、おもてなしのマナー、お呼ばれのコツ、高見えするテーブルコーディネート、SNS用フォトブースが並ぶパーティー…。もちろん大切な事ですが、おもてなし、する方もされる方も、正直疲れませんか。
相手を心地よくするのがおもてなしのはずなのに、正解のカタチを追い求め、保身のために過剰になる。当事者不在のおもてなしは、もはや「おもてあり=体裁だけ」ですね。
日本礼法では、何も特別なことではなく「もてなしたい」その気持ちこそがおもてなしになる、そんなコツをお伝えします。
人と人がもっと素直に、自由に繋がるために。「型」を捨てる勇気をあなたへ贈ります。
この連載を通して、あなたとあなたの周りの方がもっと素敵な笑顔になることを願ってやみません。
日本礼法の「おもてなし」は、何も特別なことではなく日本人なら誰もが潜在的に持っている和の心、「もてなしたい」その気持ちです。
古来より、人は、お金の使い方で一流かそうでないかを判断できるといいますが、仕事においてもそれは同じであるといえるでしょう。
目先の利益を追って、必要な経費を削ってしまっては、長期定期な会社の成長は期待できません。仕事においても、プライベートにおいても、うまくいかないときこそ、「交際費」を見直しましょう。削るのではなく、「きちんと」使うことです。人と人との繋がりを豊かにすることは、コストではなく未来への投資につながるからです。
今の時代、「接待」とはあまりに時代遅れだと思われるでしょうか。考えてみてください。ランチミーティングや、アイスブレイキング、キックオフミーティングと、「会議」を称して効率化を装った小さな「接待」がどれだけ増えていることでしょう。
一流の人は、無駄遣いはしないが、上質なものには相応の対価を支払い、そして大切に扱うもの。同じように、「一度の上質な接待」に、とびきりの情熱を込めてみましょう。
これは「一度の接待」で人生を変えた友人の実話です。
小さな配給会社に勤める彼女には、どうしても作りたい映画がありました。それも、世界的に有名なハリウッド監督を起用したいと言うのです。あまりに無謀な夢だと、周囲は半ば呆れていましたが、彼女は、無類の親日家である監督と、必ずや接点を掴むと意気込み、どんな些細な情報も逃さずスクラップし続けました。
夢は口にするほど叶うといいますが、彼女の情熱が関係者筋に伝わり、なんと会食に参加させてもらえることとなったのです。場所は都内の老舗料亭の個室、時間は1時間20分。決まったのは前日の午後8時過ぎでした。
当日、コーディネーターの後ろから現れた監督の、他を寄せ付けないほどの存在感に圧倒されながらも、彼女は、心を込めて深々と頭を下げました。作法へ意識を向けることで、自然と呼吸が整うのを感じます。
料理に合わせて噂通り、日本酒を頼みました。これはチャンスだ、仲居さんに目配せでアレを出してもらいました。そう、今朝監督のために選び抜いて準備した酒器です。早速、お猪口(グラス)を手にした監督は、その独特の形状に興味を示し、職人の丁寧な仕事ぶりに気を良くした様子でした。
彼女は何度も積年の想いを伝えたい衝動に駆られました……が、会食の間、彼女がしたことといえば、微笑みを絶やさずに食事を美味しくいただくことだけでした。
会の終わりに、本日の酒器を桐箱に入れて手渡し、手土産(モノ指定)に茶室を連想させる四畳半に見立てた箱を広げ、四季折々の花に見立てた和菓子を見せると、監督は驚嘆し、力強く握手を求めながら言いました。「これは驚いた。君ほどの熱狂的なファンに出会ったのは初めてだよ。ビジネスの話をしよう。」なんと、その場で企画の提案のチャンスを得ることができたのです。
事前準備の時間も十分にない悪条件でしたが、食事中のマナーを大切にする相手の趣向、自宅に茶室を作るほどの茶道の趣味、食と酒の好み、興味関心の高い話題まで調べ尽くしていたからこそ、相手の心の琴線に触れることができたといえます。接待に欠かせないのは、相手のリサーチと、正しい目的意識、そして何より楽しんでもらいたいという純粋なこころ。それさえあれば、自分がどれだけ相手への想いが強いかを言葉なくして伝えることのできる、いわば人生を変える劇場となり得るのです。
彼女の例に限った事ではありません。
例えば、ただ食事をするだけの定例ランチミーティングがあれば、一度スッパリやめて、改まった「接待」をしてみましょう。ご本人ではなく、あえてご家族へのプレゼントを贈るなど、日頃の何気ない会話からから仕入れた些細な情報を大事にストックしてく。そして日ごろの感謝を伝えるための趣向を凝らすのです。年に1度で良い、心に残る特別な時間を「接待」としてプレゼントする。そのメリハリのあるお付き合いが、この人とずっと仕事をして行きたい、そう思わずにはいられません。
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「時には親睦も兼ねた週末のランチミーティングも開催されるのではないでしょうか。そんな時には『オー・ビアー』のグラスで相手との距離を縮めたい。天気のいい日にはテラス席や屋外で乾杯するのも粋ではないでしょうか。縦長の形状とすぼまりにより、最後の一滴まで最良のコンディションで楽しめることが、ランチの席をさらに引き立て会話まで盛り上がるのではないでしょうか。ご自宅に同僚をお招きした時や、アウトドアでも大いに活躍してくれます」
「接待に欠かせないのが飲物のセレクト。それもこだわり抜いたグラスだとより一層の感動を生み出します。この「es Stem01」は、お食事が少し進んだ頃にテーブルを次のステージに導いてくれます。独特の形状が香り高く、華やかな味わいを実現し、おもてなしへ大きく貢献します。目上の大切な方や、これは決めたいという接待に最適です」
「縦長のボウル形状がみずみずしいフルーティな香りや、爽やかなのど越しをもたらす、大吟醸酒や吟醸酒に適したグラスです。桐箱に納められたグラスは、贈答にも最適ですが、食洗器にも対応し、気兼ねなく日常遣いができるのが嬉しいですね。白ワインにも利用でき実用性を兼ね備えた一品です。」
「美しい曲線を描くボディラインが薫りの高さを一層引き立て、人間工学に基づいたシェイプは、まるでお酒を手の中で包んでいるかの様な温かみを感じさせます。何と言っても日本酒やビールをはじめ、ワイン、焼酎、ウィスキーなどオールラウンドに楽しめるのは職人技が成せる、おもてなしと言えます。お酒好きな方や、大切な方に、もらって嬉しい逸品です。」
「お米をモチーフにした日本酒のグラスは、前菜や小付けとしてのお皿としても使用でき、多様化する食文化へ心強い一品。スタイリッシュな形状が、日常の食卓をおもてなしのテーブルへ格上げしてくれます。突然のお客様にも率先して使いたい、そんな一品です。」
日本礼法とは
伝統的な「おもてなしの心」を取り入れた礼儀作法を次世代に伝承するために東京オリンピックの開催年である1964年4月1日に設立いたしました。1964年東京オリンピックの「おもてなしスタッフ」として従事。2008年北京オリンピックでは接客接遇の指導係としてオリンピック組織委員会から抜擢えあれ、4年にわたるスタッフの育成に大きく貢献しました。作法の根底にある思いやり、真心、誠意と言った心情こそが社会生活を円滑に営むものとし、現代に即した「和の作法」を伝え続けております。 https://www.nihonreiho.com
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