akane
2019/07/09
akane
2019/07/09
いろいろ難題もあったけれど、無事に棟上げを迎えた浅川邸。ここからは着々と工事が進められ、家というものづくりが日々行われていきます。浅川あやさんにとっては、ひとつの自己表現でもある家づくり。建設現場で実際に建築を手がけてくれる人々とともに、工事の過程を見つめ、自身の思い描くかたちを現実のものとするための作業が続けられています。
「私の場合、自分で優先順位を決めて図面を描いているわけですが、棟が上がって実物を目の前にすると、う~む、やっぱりここは変えたい!というところが出てきました。ずっと住む家ですから後悔はしたくないですしね。壁が出来てしまう前に対処しなければならないギリギリのタイミングでしたが、2点変更をお願いしました。私の意向を汲んで、快く調整をしてくださった設計士と職人さんたちには本当に感謝です!!」
一般的な住宅建設と浅川邸の違いは、ハウスメーカーや工務店に依頼していないところです。基本設計は自分たちで行い、建築設計事務所にコンストラクション・マネジメントをお願いしています。これは、実施設計や、役所などに提出する書類の手続き、スケジュールや品質の管理などを委託するシステムです。つまり、通常よりも施主が積極的に建設に関わることになります。ひとつずつ話し合いをしながら、自分たちで確認して決定を出します。建築に関するノウハウがなければ難しいこともありますが、その分、隅々まで自分たちの納得のいく家づくりが可能になるのです。
「変更の1点目は、開口の大きさと位置です。窓をとる予定だった場所から、思っていたよりも余計なものが見えてしまうことがわかり、敢えて窓のサイズを縮小し、景色を切り取ることにしたんです。それに合わせリビングの窓の位置も調整しました。また、地下通路が見つかったことにより、出入り口も増やして生活動線をスムーズにすることも更に考慮しました」
人によっては些細なことに感じられても、毎日を過ごす場所に細やかな気配りが施されていることは大切です。仕事や家事の合間に、ふと目にする景色が心を和ませてくれたら嬉しいし、僅かな違いで生活のしやすさがアップすれば余計なストレスを感じずに済みます。
「そして2点目は、照明やコンセントなど電気関係の位置を調整すること。天井や壁の中に入ってしまうインフラの位置は、それが出来る前にしか確認できませんから、この時期に実生活をイメージしてチェックすることが肝心です」
細部に至る確認をして、迷ったらその都度話し合いを持つ。あやさんが毎日現場に通うことで意思の疎通がスムーズになっているのを見ると、やはり、顔を見ながらのお付き合いがいかに大切かわかります。日々、職人さんたちと交わす何気ない会話からも、あやさんという人を理解してもらうヒントがあり、そこから職人さんたちが勘を働かせてくれることも多い筈です。また、少しの我が儘を許容してもらえる仲になれることは大きなメリットです。
「それから、浄水器の見直しもしました。毎日の水ですから質が大事ですけれど、見た目の素敵さにも妥協したくなかった。いろいろ検討した結果、業務用水栓をつけることにしました。この意匠図は1年も前に出していましたが、またもやギリギリの変更になってしまいました(苦笑)。また、ドアノブやスイッチプレートなどの細かなパーツに関しても上棟のタイミングで決めました。店舗となる洋館には古道具のスイッチプレートをつけたいので、事前に購入し渡してあります」
細部に宿るものの存在を疎かにせず、チームワークという力を得て、毎日の工事が進んでいます。
☆あやさんが古道具のパーツや照明を選んだショップ☆
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