akane
2018/05/26
日本人の美意識を取り戻す
akane
2018/05/26
2009年、経営危機に陥り、米企業傘下からも外れた小さな自動車会社では、デザイン部門のトップに久しぶりに日本人が就任。期待と不安の中、リーダーは全車種のデザインプロセスを一新。容赦なき改革は激しい反発を受けるも奏功し、新ラインナップは欧州を中心にグローバル市場で人気を獲得。ついに’16年、スポーツカー「ロードスター」は世界で最も優れた車に贈られるワールド・カー・オブ・ザ・イヤーと同賞のデザイン部門のダブル受賞という史上初の栄誉に浴す。いまやマツダのモノづくりの根底にある「魂動」というコンセプトは、海外メディアからも〝KODO〟と呼ばれるほどの地位を確立しつつある。 日本メーカーが苦境に立つ現在、一地方の企業が世界で光を放てるのはなぜか。「日本人の美意識への原点回帰」を掲げ、これからの製造業の在り方を体現するリーダーの哲学がここにベールを脱ぐ。
1959年、広島県生まれ。京都工芸繊維大学卒業。1982年、東洋工業(現マツダ)入社。横浜、カリフォルニアのデザインスタジオにて先行デザイン開発を経て、本社デザインスタジオで量産デザイン開発に従事。チーフデザイナーとして、同社が世界で唯一実用化に成功したロータリーエンジン搭載の「RX‐8」や、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した3代目「デミオ」を手がける。2009年4月、デザイン本部長就任。マツダブランドの全体を貫くデザインコンセプト「魂動」を立ち上げ、車だけでなく、販売店の一新やモーターショー会場の監修などを行う。’16年より常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当。
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