akane
2019/02/19
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2019/02/19
玄界灘に浮かぶ孤島、沖ノ島。ここには福岡県宗像(むなかた)市にある宗像大社の沖津宮が祀られている。
宗像大社は、宗像市田島の辺津宮、その沖合いにある筑前大島の中津宮、そして沖ノ島の沖津宮からなる三神一体の構造をもつ神社である。辺津宮には市杵島(いちきしま)姫、中津宮には湍津(たぎつ)姫、沖津宮には田心(たごり)姫という女神がそれぞれ祀られている。
この三つの神は「宗像三女神」と総称され、『古事記』や『日本書紀』に登場する。
神社でも、祭神として三つの神を祀るところは多い。そこには後世になってからの影響もあるが、天皇家が神々の系譜につらなる象徴である三種の神器といった例もある。神道の世界でもっとも重要な数が「3」だと言うこともできる。
ただし、沖ノ島を聖地としてあげたのは、たんにこうした特異な構造をとっているからだけではない。宗像大社の沖津宮があることが沖ノ島を聖地たらしめているもっとも重要なポイントでもない。
そこが本当の意味で聖地だったのははるか古代、古墳時代に遡るのだ。
沖ノ島は現在でも女人禁制の島とされ、女性が上陸することはできない決まりになっている。男性でも、宗像大社の許可を得なければ島に上陸することはできない。
しかし、たとえ上陸できないにしても、沖ノ島の近くにまでは行ってみたい。そこで著者は海上タクシーに乗り込み、現地をめざすことにした――。(つづきは本で)
以上、『日本の8大聖地』(島田裕巳著、光文社知恵の森文庫)の内容を一部改変してお届けしました。
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