「食事・運動・睡眠」の中で一番大事なモノとは? 医師が教える、健康な人生に必要な優先順位
ピックアップ

 

『1分でも長生きする健康術』(大津秀一・著)は医師が提唱する“今日から・誰にでも・簡単に”できる、科学的に証明された「食事」×「運動法」をまとめた一冊だ。

 

著者はベストセラー『死ぬときに後悔すること25』などを代表作に持つ、現役医師で作家の大津秀一先生。大津先生は緩和医療医としてこれまで2000人以上の看取りの場に立ち会い、「後悔しない最期には、後悔のない健康法が必要だ」と痛感し、本書の執筆に至ったという。

 

同書で大津先生は、「健康に必要なのは、情報・食事・運動」の3つだとしている。正しい情報が健康を作るのは分かるが、「食事」と運動ではどちらがより大事なのだろう? また、昨今話題の睡眠についても、どの程度健康に影響を及ぼすのか?

 

そこで「食事・運動・睡眠」の重要度について、大津先生に解説してもらった。

 

最初にお断りしておきたいのですが、私は書籍『1分でも長生きする健康術』執筆にあたり、いかなる製薬企業、健康関連食品等販売企業、医療器具メーカーなどから、一般的な利益相反申告基準(年50万円以上)の報酬等を受け取っていないことを、ここに明記いたします。

 

このようなことを明示できない著者の情報は、まず疑ってかかる必要があります。

 

その上で、食事・運動・睡眠について、話を進めましょう。

 

重要なのは「食事」のバランス

 

健康法の書籍コーナーには「食事」「運動」「睡眠」をテーマにしたものが多く並びますが、いったいどれが大事なのか? 

 

先に答えを申し上げますと、「食事」が最も重要で、次に「運動」(無理ない範囲で、続けられるものを)。「睡眠」については最近研究が進んでいますが、食事と運動に並ぶほどには至っていません。これは科学的根拠が多い順に申し上げています。

 

健康になるための食事というと、特別なものを摂ったほうが良いとおもわれるかもしれません。ですが必要なのは、テレビCMでやっているような、特定の商品を摂取することではありません。

大切なのは日々の食事と、そのバランスです。

これらは健康に大きな影響を及ぼし、人生の質や長さにも影響しうるものです。

 

たとえガンになっても、食事のバランスは重要である

 

私は書籍(『1分でも長生きする健康術』)の中で、「健康を維持するために、まずは自分の適正体重を知りましょう」と提案しています。

 

そして適正体重からオーバー気味の方には、ダイエットを推奨します。ダイエットの方法は様々ですが、いずれも食事のコントロールが肝要です。

 

また、適正体重に近い数字を維持できている方にも(つまりダイエットの必要がない方にも)、バランスの取れた食事は健康維持のためにお勧めします。

 

さらに言えば、『1分でも長生きする健康術』で詳しく紹介しましたが、ガンに罹患した患者さんにも、バランスの取れた食事は推奨されます。

 

いずれも科学的根拠のある推奨で、病める時も健やかなる時も、バランスの取れた食事は必要なのです。

 

瘦せるための唯一の方法

 

健康の維持には体重の管理が欠かせませんが、ここで一つ質問です。

 

皆さんはコンビニのおにぎりのカロリーはどれくらいかご存じですか?

 

だいたい160~170㎉あるとされています。

 

では60㎏の体重の人が歩いてそれを消費するには、どれくらいかかると思いますか?

答えは……、1時間です。

 

1時間も、かかるのです。

コーラ350㎖(約160㎉)も、1時間の歩行と同等です。カロリー消費量が大きい水泳でも、この量を消費するには20分泳がなければなりません(クロールの場合。体重60㎏)。

 

多くの研究結果から明らかになっていますが、運動で消費される分は、このように実はそれほど多い量ではありません。

 

したがってもともと食事量が多い人が「“運動だけ”で痩せる」のは不可能といえましょう。

 

この時点で、“運動だけ”で痩せられるかのようなダイエット法の本・DVD等々は捨ててしまってよいでしょう(もちろんエクササイズは他の効果もありますから、ダメと言っているわけではありません。あくまで痩せるためには、ということです)。

 

体重の管理に、食事バランスの見直しは必須です。

 

運動は大事、だが“運動だけ”で体重減量は難しい

 

実際に、これまで様々なエクササイズの本が定期的なベストセラーになってきました。「ブートキャンプ」など、昔流行しましたよね。

 

はっきり言いましょう。

 

それで得をしているのは、ダイエット本の著者と出版社だけです。

ただ、運動は重要ですが、それで体重の減量が達成・維持できるわけではなく、食事に気を付けなければ、いくら運動をしても効果は限定的である、ということです。

 

何度も断っておいて申し訳ありませんが、「だから運動は重要なのではない」のではなく、「運動は重要だが、食事は絶対に気を付けたほうがよい」ということです。もちろん「運動で痩せる」というエクササイズを、食事と併用することは良いことですが、それ単独で痩せるというのは話を「盛りすぎ」だということです。

 

食事に関しては、膨大な論文が書かれています。エビデンスレベルの最も高いカテゴリーに属するランダム化比較試験も多くあります。

 

私は、「食事・運動・睡眠」について書籍内で解説をしていますが、食事について最もページ数を割いています。次に運動についてで、三番目に睡眠について少々。

 

これはシンプルに、科学的根拠が多い順に触れています。

 

是非みなさなんも、健康に関する情報を読み解く際には、「食事のバランスが根底になければ健康の維持は難しい」ということを、意識していただければと思います。

 

(この記事は『1分でも長生きする健康術』大津秀一著 を基に作成しました)

関連記事

この記事の書籍

2000人の終末期患者を診療した医師が教える  1分でも長生きする健康術

2000人の終末期患者を診療した医師が教える  1分でも長生きする健康術

大津秀一(おおつしゅういち)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterで「本がすき」を

この記事の書籍

2000人の終末期患者を診療した医師が教える  1分でも長生きする健康術

2000人の終末期患者を診療した医師が教える  1分でも長生きする健康術

大津秀一(おおつしゅういち)