ryomiyagi
2019/10/24
ryomiyagi
2019/10/24
おしゃれの話と離れますが、以前、こんなことがありました。
バブルの頃、とてもお金持ちの友達が家を建てて、当時まだ出たばかりの大型薄型テレビを居間に設置し、お風呂にもテレビを入れて、家中、“当時の”最新式のものですべてそろえたのです。
当時、そんなに大きな薄型テレビはまだ珍しかったのでみんなで見にいきました。
ですが、それはまだ出始めだったので、画面比率の調整もうまくいかず、画面がやたら横に引き伸ばされて見えたりしていましたし、何より、その薄型テレビでさえ、厚さが15センチくらいあって、今の感覚でいえばぜんぜん薄くなかったのです。
とくにバスルームに設置したテレビはブラウン管だったので今では映らなくなってしまい、せっかくの素敵な設備が無用の長物になってしまいました。
つまりこれも、完璧だと思ったその瞬間から、ものごとは古くなっていくということの例(まあ、こういうチャレンジャーがいるからこそ、家電もファッションも進化するのですから、ありがたいことではあるのですが)。
完璧に整えるのはいいことのような気がしますが、こんなリスクと背中合わせでもあるのです。
やっぱり人は、「ちょっと不便だな」「あれがあったらいいだろうな」と思っている方が楽しいし、その気持ちがあるからアップデートしていけるんだなと実感しました。
クローゼットも家も、そして人生も、「2~3割の隙間」を持つことが、時代の風を感じながら生きるコツと言えるかもしれません。
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