“星読み係”のyuji氏がナビゲートする“ニューアース”の歩き方⑦
ピックアップ

星読み好きにとって“must people”である、ヒーラーにして“星読み係”のyuji氏。新進気鋭の星読み師である彼が12星座に焦点を絞って記した初の著書『星 2.0』を上梓した。発売後即大重版された話題の一冊を、星好きライターが読んで感じたこと、本からインスパイアされたいろいろを「読書体験記&描き下ろしの絵」という形で、数回にわたってお届けします。

 

「黄金の歩み」

 

Day7「労いと賞賛を自分自身へ」

 

 毎年ながら太陽が山羊座に入るこの時期が苦手だ。手に負えないトラブルが起こるとかそういうことではない。外側の現象的に何かが起こるのではなく、自分自身の内部に何かしらずしりとしたものが生まれるのである。それをずっと五月病みたいに「年末・新年病」と思っていたが、星のことを知り始め、もしかして山羊座のエネルギーによるものではないか? と考えるようになった。
 今週、グレートコンジャンクションが起こり、いよいよ風の時代が始まった。木星と土星が水瓶座で重なったことなどから「水瓶座の時代」とも呼ばれる新時代。その時代のエネルギーを知るにはもちろん水瓶座を読むことは必須だが、水瓶座へとつながる山羊座を知ることもとても大事だろう、と『星2.0』は山羊座をひらいた。

 

 私は山羊座に天体が一つも入っていない。ゆえに、あまり重要な星座ではないとどこかで考えていた。自分と山羊座の接点について思いを馳せていたら、夢の中に祖父があらわれた。その祖父とは子どもの頃よりシンパシーを感じていて、祖母や両親からも「あなたはおじいちゃんに似ている」とよく言われていた。まったく忘れていたが、その祖父は1月1日生まれ。つまりは山羊座であったことを夢により思い出した。
 そんな風に自分のルーツを辿ると、誰しも絶対的にすべての星座と関係しているだろうと思う。そのように、”自分ごと”として星座を読むことで、どの星座の性質や能力も自分の中に備わっていると気がつく。そうして気がつくことで、その質は太陽を浴びた植物のように活性化するのかもしれない。

 

 はたして山羊座ジャーニーにて最も活性化された、最も今日の自分にとって響いた要素は「力」というものについてであった。以下、”旅”の間に記した本書よりいくつかの抜粋を列挙させていただこう。なぜなら、その抜き出したフレーズを目にするだけでも、読んだ人のどこかがきっといきづくと思うから。

 

【身についた筋肉や仕事に向き合う姿勢は、一生ものの財産としてあなたから離れていくことは二度とないからです。】(P285)

【険しい頂に登ること・挑戦することが、彼らのパワーを最大限に引き出すためのトリガーでもあるのです。】(P287)

【地金を熱し、叩き上げ、精錬を繰り返すことで、ただの鋼の塊が名刀へと仕上がっていくように、熱され、叩かれを繰り返していくことで山羊座のあなたが世を渡っていくための「本質的な、本当に社会で役に立つ力」が養われていくこととなるのです。】(P291)

 

 山羊座に星があろうとなかろうと、上記のメッセージに何も感じない人などこの世にいないのではないだろうか。誰の人生にもきっと、いや必ず、苦しいことや逃げ出したいこと、耐えられない時期、立ち直れないのではないかというショックな出来事などはもれなくあるのだと思う。渦中にて、その苦難を「点」として見ると、絶望的な気持ちになったりするけれど、そのすべては、私たちの中に在る「未来の名刀」のために起こっているのかもしれない。
 現象、出来事はそれ自体に良し悪しはないという。主人公である「私」がそれをどのように捉え、どのような意味づけをするかで「最悪」にも「最高」にも、あるいは「プラスもマイナスもないフラットな出来事」にも変わる。そのような”人生ゲーム”において、山羊座へ贈られた言葉たちは、言ってみれば錬金術。上記の視点を知ってしまえば、以後のしんどい出来事は即座に「今、私の名刀が叩き上げられている!」というありがたい機会へと変容する。さらには、これまで通過したハードな時間のすべてが、「自分に磨かれるべき宝があるからこそ起こったのだ」と知ることで、それを乗り越えた自分自身を誇らしく思えてくる。

 

 水瓶座が「既存の枠を越え自由に自分らしく動く星座」だとすると、やってきた水瓶座の時代、風の時代はとても軽やかで素晴らしいものと感じる。だけど、自由には責任がセットであるように、「既存の枠を越えた自分らしさ」というものには、枠を無効化するほどの確固たる力、オリジナリティーが必要なのかもしれない。
 始まったばかりのNew Eraへのセットアップとして私たちが今することとは、土の時代に経験した様々をじっくり振り返り、点と点を線へとつなぎ、枠の中で培った自分を肯定的に見直すことではないだろうかと感じる。「私は本当によくやってきた!」と自身を労いたたえることで、鋼の塊が名刀へと変わる魔法が発動するのだ。

 

 
 

星 2.0』光文社 
yuji /著

 

文・絵/野村浩平 友人の“遊びの鑑定”を受けたことにより星に興味を持つ。2018年に占星術の基礎講座を受講し、以後マイペースに独学中。太陽星座はふたご座。星のことや身辺雑記を綴るブログ「leeの話

関連記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterで「本がすき」を