“星読み係”のyuji氏がナビゲートする“ニューアース”の歩き方(11)
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星読み好きのmust peopleである、ヒーラーにして“星読み係”のyuji氏。新進気鋭の星読み師である彼が12星座に焦点を絞って記した初の著書『星 2.0』を上梓した。発売後即重版され現在4刷!話題の一冊を、星好きライターが読んで感じたこと、本からインスパイアーされたいろいろを“読書体験記”という形で数回にわたってお届けします。

 

 
「いびつでユニークな花」

 

Day11「さらなる豊かさへ」

 

 現在の星の運行としては、天王星という“天才的な改革エネルギー”を意味する天体が牡牛座に位置する。生きている人の誰しもが、その人の「牡牛座部分」を強烈に刺激されている時期にあるということ。

 

 牡牛座が「I have」という「私は持っている」を表す星座なので、今は持っているもの、つまりは「才能」を掘り起こすとき。そう聞くといい感じだけれど実際は、あんがいハードなフェーズなのかもしれない。というのも、「持っているものを使え」と宇宙から圧力をかけられるとは、たとえばショックな出来事により持っているものに気がつかされたり、ほとんど強制的に持っているものを使わざるを得ない展開になったり、そうしたことが起こりそうゆえ。

 

 数年前、受講したホロスコープ講座にて「著名人のホロスコープを読む」という課題があった。テーマとなった著名人がものすごく才能に溢れているのは星など見なくても分かったが、星を読んで「持っているとは持たされているのだ」と気がついた。才能は表裏というか、“持たされている”相応の過酷さがあるのだろう、と悟ったのである。

 

 情感豊かな音楽をつくるその人の実際はわからないが、些細な出来事からもさまざまなことを感じまくり、感じていることの消化にたいへんなエネルギーを要する人生と感じる。もし、1のことから1000くらいの情報をキャッチしてしまうとしたら、その才能は、いわゆる平凡な暮らしなどとてもさせてくれないだろうと思う。

 

 才能=牡牛座ということではもちろんないが、『星2.0』は牡牛座には、才能というものの陰陽が書かれてあり、読後は「才能とは?」と思い巡らせてしまった。

 

【牡牛座は優れた五感センサーを持つため、毎日違うところに行き、違うことをやり、違うものを食べるような生活をすると、容易にセンサー自体が持つキャパシティを超えてしまいます。】(P64)

 

【牡牛座は普通の人が見たら価値がないとされるものの中にも一条の光を見出し、価値があるものへと昇華させることができたりして、それこそがまさに現代の錬金術師とも言える牡牛座の才能です。】(P71)

 

 牡牛座に星があろうとなかろうと、誰しもが自身のホロスコープチャートの中に牡牛座はある。みんな牡牛座を持っている。牡牛座的な超高感度の領域、良くも悪くも突出した“才能”を携えている。その凹凸という個性に対し、天王星からのアップデートが促されているのが目下なのだろう。

 

 ただいま世界は、宇宙から目には見えないウィルスにより大きな問いを突きつけられている。「あなたにとって豊かさとはなんですか?」と。

 

 いつまでも続くと思い込めていた「日常」が唐突にシャットダウンされ、「Stay Home」を強いられている。家にこもり他者との交流が制限されている時間とは、自分と向き合う機会なのだろうと思う。機会とはチャンス。目下は、「自分と向き合い、自分の持たされた才能に気づく」時間なのかもしれない。そうして己の個性・力に気がついたら、その力を発揮、還元する勇気を持つ。

 

【当然ですが、その才覚は世のため人のために使うものであり、自らが独り占めしていいものでは決してありません。(中略)何かを見つけたらそっと懐にしまいなさい、というものでは決してありません。(中略)得るだけ・狩るだけ・収穫するだけなら、サバンナの動物でもできます。】(P66-67)

 

 これまでの世界にたくさんたくさん与えてもらってきた私たちは、“以後の世界”では、与えられたものを使って、与え返す、還元することを本格的に体験するのかもしれない。「与えるよろこび」へと豊かさの概念がアップデートされていく。

 

 もうしばし続きそうなStay Homeフェーズは、「自分が何を持ち、何を持たされているのか」という内なるトレジャーハントにいそしみたい。個々の花が咲き乱れた未来は、きっと面白くてたまらないだろうと思う。

 
 
 

星 2.0』光文社 
yuji /著

 

文・絵/野村浩平 友人の“遊びの鑑定”を受けたことにより星に興味を持つ。2018年に占星術の基礎講座を受講し、以後マイペースに独学中。太陽星座はふたご座。星のことや身辺雑記を綴るブログ「leeの話

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