本当に怖い男は、「礼儀」を心得ている。 成功者の哲学#3
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若くしてマスコミ業界に飛び込み、各界・各国の実力者と幅広い人脈を持つ著者が、超一流の交流から学んだ「大切に扱われる・積極的にサービスしたくなる上質なゲストになる」ためのノウハウを一冊にまとめた『一流のサービスを受ける人になる方法』(いつか著)が9月11日に刊行されました。
『一流のサービスを受ける人になる方法』刊行を記念して、特別に著者・いつか(http://www.itsuka-k.com)さんのベストセラー『成功する男はみな、非情である。』(角川いつか名義)を再編集してお届け! 数々の成功者に共通する「帝王学」の実態に迫ります。

 

 

「何があってもにこにことしていること、腰を低くすること、ていねいにものを扱うこと……」(岩崎峰子/花柳界)
これは客商売に限ったことではない。

 

成功する人間は深々と頭を下げる。
私がかつて、トップの人間と商談の場に臨んだときのことである。先方のクライアントは大企業の重役。権威を笠に着て偉そうにしている。

 

正直言って小物!

 

そのトップの人間も、私がいない場所では、その重役を“古狸”なんて呼んでいる。
でも、その日商談が終わると、トップは社の出口まで“古狸”を見送りにいく。そして「ありがとうございました」と、深々とお辞儀をした。

 

びっくりした。
角度は九〇度! いわゆる“最敬礼”よりも、もっと角度は深い。
この人が、こんなふうに挨拶をするなんて……。

 

でも、もっとびっくりしたのは、その先である。“古狸”の姿が見えなくなるや―。
「やれやれ、やっと帰ったか。あいつはもうダメだな」
そう言って、すぐ手を洗いに行った。何度も何度も手を洗う。徹底的に相手の痕跡を体から消去しなければ気がすまない……そんな感じ。

 

イギリスのジェントルマンの子供の話。

 

ジェントルマンといえば、レディファーストでしょ。小学校でたとえば、女の子が重い荷物を持っているのを男の子が手伝わなかったとする。すぐ「グラウンド一〇周!」なんて罰が与えられる。

 

女の子に優しくなれ、というモラルの教育ではない。徹底的にジェントルマンとしてのマナーを身につけろということ。
腹の中では何を考えていてもいい、ただ「強者の外見」を徹底的に磨いておけ、ということなのだ。

 

私が知っている世界的な成功者は決まって礼儀正しく、頭を下げることをいとわない。

 

パナソニックの創業者・松下幸之助さんは、相手が見えなくなるまで、いつまでも手を振っていたとのこと。私のデビュー作を出版していただいたPHP研究所の江口克彦前社長もそのように私を見送ってくださった。ホンダの本田宗一郎さんも部下に対して土下座して謝ったことがあるという。

 

しかし、心の中では何を考えていたかわからない。だから、怖い。
そう、礼儀正しい人というのは、ホントはとても怖い人間なのだ!
さて、あなたもそんな外見をつくれますか?

 

嫌な奴にこそ、頭を下げよ。

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