akane
2018/02/20
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2018/02/20
スタイリストの栗原登志恵氏が女性誌の編集部に入ってくると、決まって何人もの仲間が「登志恵さん、今日もお洒落ですね~」と声をかける。そして束の間、ファッション談議に花が咲く。
栗原氏の服装は決してトレンドを追いかけた感じもなければ、「ザ・業界人」風でもない。ベースは、ある意味コンサバともいえるシャツ&パンツスタイル。なのに、どこか品が良くて垢抜けている。
栗原の自宅は、ミラノと東京にある。そのワードローブは「新しいものを買うなら、旬じゃないものを捨てよう」という昨今の流れとは、少し様子が違うらしい。
「背伸びして買ったものかプチプラかにかかわらず、気に入って手に入れたものは捨てがたくて。特にデザイナーや職人さんの思いが伝わるようなバッグやコートなら、尚更です。買ってすぐはもちろん、登場回数が多いもの。ですが『ちょっと違ってきたかな?』となったら一旦寝かすというか、お休みさせるんです。また気持ちが変わったら眠っていた子を起こして(笑)、楽しんで使う。私、断捨離できない人ですね(笑)」
実際、ライターが「イイ感じのムラ染めのバッグ……こんなボッテガ・ヴェネタあったんですね」と聞いたところ、「じつは愛用しすぎて色あせたんですよ!」との答えが。他にも、15年選手のバッグなどがいい味を出している。栗原の“奥行きある着こなし”の秘密は、“ご自宅ヴィンテージたち”にあるようだ。
栗原氏が教えるご自宅ヴィンテージ成功の秘訣は、次の3点にあるという。
■焦って買わない……
まずは、お買い物のマインドを変えるところから。照れずに、遠慮せずに、とにもかくにも試させてもらうこと。靴は両足履いて数分間歩きまわってみること。バッグなら、持った状態で全身鏡に写し、体格とのバランスがいいか、重さのチェックも大切。決めきれなければ、『一日考えます。ありがとう』とお礼を言って引き上げよう。
■バッグはご自宅ヴィンテージデビューに最適……
バッグは保管がしやすいし(カビにだけはご用心)入門にふさわしいスターアイテム。時間がまとうおっとり感や、いい意味での違和感に、まわりの女性たちは鼻が利く。必ず質問攻めにあうこと間違いなし!
■手入れはきちんと……
服も小物も、汚れてしまうと、そこから傷んできて、ヴィンテージのはずが、ただの残念な衣料品に。最近は優秀な防水スプレーも出回っているので、おろすときにあらかじめスプレーを全体にかけて水や汚れをはじきやすくしたり、食事のときは恥ずかしがらないでハンカチをかけるなど、ソウルメイトだと思って優しく扱うこと。
「40歳以上の人は、しまいこんで忘れているものもきっとあるはず。お家のクローゼットに、今も生かせるお宝があるかもしれませんよ」
そんな栗原の私的スタイルを紹介した一冊が「スタイリスト・栗原登志恵の10年ワードローブ」(光文社)。人に愛され、長く愛用できるファッションの秘密をぎっしり詰め込まれている。あなたも今週末にでも、自宅で宝探しをしてみては!?
たちまち3刷!
『スタイリスト・栗原登志恵の10年ワードローブ』
著者:栗原登志恵
価格:1,400円+税
判型:A5判/128ページ/オールカラー
出版社:光文社・美人時間ブック
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