akane
2018/07/03
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2018/07/03
「人生100年時代」と言われる現代、老後というには早すぎて、余生というには長すぎる「人生の後半戦」をどのように過ごせば幸せになれるのでしょうか?「人生100年時代」と言われる現代、老後というには早すぎて、余生というには長すぎる「人生の後半戦」をどのように過ごせば幸せになれるのでしょうか?教養の達人、齊藤孝先生が『人生後半の幸福論』(光文社新書)で作成したチェックリストの一部を特別公開します。
第1回の【身体と心編】、第2回【仕事編】に続いて、
第3回は人生を豊かにするために大切な【教養編】です。
特別公開!人生後半を幸せに過ごすためのチェックリスト【教養編】
□ 世の中で話題になっているベストセラー、読んでいますか?
□ 繰り返し観たり聴いたりしたくなるもの、ありますか?
□ 最近、美術展やコンサート、観劇に行きましたか?
□ 読みたい本、観たい映画などの「仕込み」を始めていますか?
□ 本を「積ん読」で終わらせないコツ、知っていますか?
世の中で話題になっているベストセラー、読んでいますか?
世の中で話題になっているものへの感度は、歳とともにだんだん鈍くなっていきやすいようです。ですから、「いい出合いのきっかけを与えてもらった」と思って、積極的に取り込んでいくほうがいいと思います。
大事なのは、やはり「いいところ探し」の視点を持つこと。ベストセラー本に対して、「あの本読んだけど、別にたいしたことないよ」「宣伝がうまかったから売れただけだ」などと、くさすようなことを言う人もいますが、多くの人を惹ひきつけているものには、ヒットするだけの理由が必ずあるもの。「どうして売れているのかわからない」というのは、その理由が見抜けていないということ、目が曇っていることを公言しているようなものです。
非難の目を持つのではなく、魅力の部分に目を向けましょう。「なるほど、これが売れているのは、こういうよさがあるからだ」と気づけるのは面白いことです。合点がいくと頭がすっきりしますし、誰かとその本の話をするのも楽しくなります。
2017年から18年にかけて、『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)という本が爆発的に大ヒット、ミリオンセラーになりました。元になっているのは、いまから80年前に書かれた吉野源三郎さんの小説で、少年がおじさんと対話しながら生きるために大事なことを見つけていくという青少年向けの人生論です。これを羽賀翔一さんが漫画化し、一躍脚光を浴びたのです。漫画版が売れただけでなく、元の小説のほうもリバイバルヒットになりました。なぜいま、それほど読まれるのか。そこには時代の空気感も関係しているでしょう。
あるいは、日系イギリス人のカズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞されてたいへん話題になりました。書店に行くと文庫が平積みになっていますから、もしまだ読んだことがなかったらこの機に読んでみるのもいいでしょう。
世の中で評判になっているものを受け入れ、それを素直に評価できる姿勢、オープンな構えというのは、人生を豊かなものにしていくための大事な要素のひとつです。
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いかがでしょうか?たしかに、ついつい非難の目を持ってしまうこともありますね。何事もまずは手を出してみる、オープンな構えでいたいものです。『人生後半の幸福論』では、他にも様々なチェックリストが全50項目掲載されています。今までの人生を振り返りながら、これからの後半戦のことを考えてみませんか?
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