伝統のミステリーをはじめ、現代小説、時代小説、さらには官能小説まで、さまざまなジャンルの小説やエッセイをお届けしています。「本がすき。」のコーナーでは光文社の新刊を中心に、インタビュー、エッセイ、書評などを掲載。読書ガイドとしてもぜひお読みください。(※一部書評記事を、当サイトでも特別掲載いたします)
2020/12/01
『化け者心中』KADOKAWA 蝉谷めぐ実/著 第十一回小説野性時代新人賞受賞作品である。 舞台は文政期の江戸。中村座で六人の役者が車座になって台本の前読みをしていると、その真ん中に投げ込まれ […]
2020/11/30
『日没』岩波書店 桐野夏生/著 小説家のマッツ夢井に総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会(略称ブンリン)から召喚状が届いた。海辺の断崖の療養所へ連れていかれ、作品がレイプや暴力、犯罪に肯定的で社会に適応して […]
2020/11/12
『刑事何森 孤高の相貌』東京創元社 丸山正樹/著 著者は、デフ(ろう者)の両親をもつ聴者=コーダ(CODA)の荒井尚人が、手話通訳士として法廷で活躍する〈デフ・ヴォイス〉シリーズで熱い支持を集める作家。荒井 […]
2020/11/09
『わたしが消える』講談社 佐野広実/著 交通事故がきっかけで、藤巻智彦は自分に軽度認知障碍の症状が出ていることを知る。そんなおり、福祉施設で実習中の娘から、認知症の入所者の身元調査を依頼される。その老人は施 […]
2020/11/05
『お庭番デイズ 逢沢学園女子寮日記』講談社 有沢佳映/著 都内にある中高一貫教育の共学私立学校、逢沢学園には自宅通学生の他に、学園敷地内にある男子寮と女子寮から通う生徒がいる。本書は校舎の玄関まで徒歩二分の […]
2020/10/08
『陽眠る』角川春樹事務所 上田秀人/著 上田秀人の最新作は、ある船が見守る幕府の男たちの物語である。 その船とは開陽丸。排水量二千五百九十トン、全長七十二・八メートル、最大幅十三・〇四メートル […]
2020/10/07
『四畳半タイムマシンブルース』KADOKAWA 森見登美彦/著 舞台のノベライズはたまにあるけれど、舞台とまた別の小説の融合というのは珍しいのではないか。それをやってのけたのが、森見登美彦さん『四畳半タイム […]
2020/10/05
『楽園とは探偵の不在なり』早川書房 斜線堂有紀/著 よくこんなことを思いつくものだ。斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』に対する素直な感想である。外界との行き来が閉ざされた場所で連続殺人が起きる。容疑者の人 […]
2020/08/13
『彼女たちの部屋』早川書房 レティシア・コロンバニ・著、齋藤可津子・訳 百年の時を隔てて描かれるふたりの女性の物語だ。現代パートを生きるソレーヌは、有名法律事務所で企業訴訟をいくつも手がけてきたエリート弁護 […]
2020/08/12
『邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―』新潮社 伊藤祐靖/著 自衛隊は国を守る組織。大災害のときも最後の命綱であると国民は信じている。だが彼らの実際の任務はどのように決められ遂行されているのか、残念ながら驚 […]
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